睡眠と栄養の関係性
おはようございます。
前回、睡眠の役割やその重要性についてお話させて頂きましたが、一般成人の約21%が睡眠障害を抱えていると言われますので、睡眠の大切さは分かっているけれど、眠れないという方も多いかと思います。
そこで今回は、グッスリと眠る為に大切な栄養についてお話させて頂きたいと思います。
睡眠に大切なホルモン「メラトニン」
まず睡眠において大切なホルモンは?と言えば、「メラトニン」です。
このメラトニンの増加が、眠たくなる1つの要因と考えられていて、脳の松果体という部分から分泌され、私たちを睡眠に向かわせる作用のあるホルモンなんですね。
メラトニンの分泌量は、体内時計の働きによりコントロールされていて、夜に暗くなると分泌量が増え、脈拍や血圧、体温を下げ、副交感神経を優位に保つことで私たちを睡眠へと促します。
さらには、抗酸化作用や免疫力向上作用、抗炎症作用、成長ホルモンの分泌などにも関わり、とても重要な役割を持っています。
そして、加齢に伴いメラトニンの分泌量は減少するため、年齢の高い人程、睡眠障害を訴えることが多くなります。
睡眠に重要なメラトニンを合成するのに必要な栄養素とは
睡眠へと誘うメラトニンは、私たちが食事から得た栄養を元に体内でつくられています。
メラトニン合成のために必要な栄養素はたくさんありますが、その中でも特に大切な5つをお伝えすると以下になります。
《メラトニン合成に重要な5つの栄養素》
・たんぱく質
・鉄
・ビタミンB₆
・マグネシウム
・炭水化物
まず、メラトニンの原料となるのは、トリプトファンといわれるアミノ酸です。
つまり良い睡眠のために大切なことは、肉や魚などを食べ、たんぱく質を摂取すること!更に言えば、たんぱく質を消化吸収する為に大切な胃酸をしっかりと出せる状態である事も含まれます。
そして、加齢に伴いメラトニンの分泌量が低下をする訳ですが、歳を取ると、メラトニンの原料となるたんぱく質の摂取も減りがちですよね。体タンパクの合成などから考えても、良く噛んでお魚やお肉を食べる事は重要です!
トリプトファンからメラトニンへの生成過程
そして、体内に摂取されたトリプトファンからメラトニンがつくられる過程で特に必要な栄養素は、鉄、ビタミンB₆、マグネシウムになります。
トリプトファンから5HTPというものに代謝される過程で、鉄が必要になりますが、女性は月経により、毎月多くの鉄を失う為、鉄が不足している人がとても多いんですね。
その為、鉄不足により「安心ホルモン」とも呼ばれるセロトニンを作る事が上手く出来ずに、うつ症状を訴えたり、メラトニンも作られない為、睡眠障害を抱えている方はたくさんいらっしゃいます。
そして、最終的にメラトニンが生成されるまでには、ビタミンB6やマグネシウムが必要になります。
鉄は、レバーなどはもちろんのこと、赤身の肉や納豆、小松菜などに多く含まれ、ビタミンB₆は、マグロや赤ピーマン、玄米などに。そして、マグネシウムは、海藻や干しエビ、アーモンドなどに多く含まれる為、上記の食材を日頃から摂れているかがポイントです!
快適な睡眠には炭水化物が重要⁈
また、快適な睡眠の為には、炭水化物もとても重要な役割を果たします。
食後、特にご飯などの炭水化物を摂った時には、眠くなりませんか?
メラトニンができる前の「セロトニン」をつくるためには、インスリンが分泌される必要があるため、ブドウ糖つまり炭水化物が必要です。
まず、メラトニンは脳でつくられるため、メラトニンの原料であるトリプトファンが、脳に到達しなければなりません。
肉や魚などのたんぱく質を摂取すると、トリプトファンだけではなく、バリンやロイシン、イソロイシン等、様々なアミノ酸が血液の中に流れ込みます。これらのアミノ酸は、脳へ行く経路が同じであるため、トリプトファンはなかなか脳にたどり着くことができないんですね!
そんな時にインスリンが分泌されると、トリプトファン以外のアミノ酸は筋肉へ取り込まれることにより、競合相手がいなくなり、脳に到達することができるんです。
ダイエットのために、夜は炭水化物を抜いている方も多いかもしれませんが、睡眠の質を高めるためには、適度な量は必要なんですね。
1人1人、生活活動量や運動量をはじめ、身体の状態が異なりますので、必要量は異なりますが、特に病気などが無く、医師から制限をされていないのであれば、毎食、おにぎり1個やお茶碗1杯程度の炭水化物を摂ってみていただければと思います。
このように、眠りを誘うためのホルモン「メラトニン」をつくるためには、たくさんの栄養素の働きが欠かせません。
日頃の食生活を気を付けて、睡眠の質を高めていきましょう。
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