見出し画像

「やりたいことができない」時の対処法

やりたいことができなくて悩んでいる人は後を絶たない。私がそのような相談を受けた時、使っているフレームと考え方についてご紹介。たいていの人が、努力の仕方を間違えている。



やりたいことと現状を四象限で確認する

「色々やりたいことがあるけど、なかなかできないんです」という人は、自分の「やりたいことに対する状態」を分類してチェックすることは価値がある。

それはA軸とB軸:「本当にやりたいか」と「できる状態か」という四象限になる。

A.「それは本当にやりたいことか、ファッションか」という横軸。
B.「それができる状態なのか(0以上か)、否か(マイナスか)」という縦軸。

自分のやりたいことを1つ1つ、このマップに照らして状態を確認してみる。「自分を全体的に」確認するのではなく、個別に、がポイントだ。

どんなやりたいことでも、それがマップにおいて「本当にやりたい × できる状態」の位置になければ実現することはできない。


B軸の数値による影響

「状態」の数値は、高いほど「やりたいこと」への熱量は低くてもできる。

逆に、やりたいことに関する「状態の数値」がマイナスだと、どれだけ熱量が高くてもできない。(熱量が高いゆえに、マイナスをプラスに持っていく、という変化を通ってできるようにはなる)

そして、長い間「やりたいんだけどできない」ようなことは、自分の状態がそのやりたいことに対して「マイナス値」の場合が多い。

そこに気づかなければクリアすることが難しく、何年たってもずっとできないと言い続けることもめずらしくない。


「マイナス値の状態」は3パターンある

「マイナス値の状態」はだいたい3パターンからなる。

①人生のトラウマ系で未解決なものがあったり(事故による傷)
②ナニカ自分の認めたくないことや弱い部分から逃げていたり(プライドの高さや臆病さ)
③どこか未熟な自分勝手さからやることをやらないでいる(傲慢や怠惰)

このいずれかor複合で、状態が「マイナス」になっている。


マイナスとは「やるべきことをやれる状態ではない」ということを指し、「それをやるためには当然に実行する必要がある行動が実行できない」ために、たとえ熱量が高くても実現が難しい状態だ。


自分がマイナス状態であることを自覚していないまま、いくら方法やスキルを学んでも、資格をとっても、貯金を蓄えても、人脈を作ろうとも、実現はできない。それらは状態が0以上の状態で行うことで効果が発揮されるものだからだ。

なのでもし、「ずっとがんばっているんだけどできない」ことがある場合、自分がマイナス値である可能性を考えて、アプローチの際の視点を変えてみる。

自分がこれからやりたいことが、四象限上のどの辺りにあたりそうか。確認して、現在地に応じた打ち手を試していくといい。


マイナス状態を解消するには

マイナス値の3パターンから抜け出すにはそれぞれ以下のような手段がある。これらは一例だ。

①のトラウマであれば、なにより治療を受けるのが1番だ。オススメはしないが1人でやるのならACT療法などを試すとか、自己開示筆記を行うなどが有効になりうるが、傷の深さによるのでなんともいえない。ここが治癒することで、足を踏み入れることのできなかった領域に進めるようになる。

②の逃避であれば、紙に自分の考えを書き出しまくる(「ゼロ秒思考」メモ書き法がオススメ)とか、自分と小さな約束をして守っていくなど。大きさより守れた数が大事だ。タスクシュートというツールを使うのもオススメで、そうして、勇気や自己効力感を得て、準備ではなく前に進むための行動ができるようになっていく。

③の傲慢や怠惰であれば、人生観を広げられる、人生観を変えられるものに出会いにいくのがオススメだ。偉人や奇人の本を読んでみるとか、普段は接さない人の集まりに出かけるとか、自分が憧れや畏敬の念を持てそうな人や情報(歴史書や科学などでも)に近づいていく。そうして謙虚さや感謝、世の中への好奇心を得られれば、実行エネルギー生まれるようになる。


自問自答で本当にやりたいことかを追求する

A軸の「本当にそれがやりたいことかどうか」というのは、自分に深く問うていくしかない。

最近はやりたいと思えることが多いので、「興味が引かれているだけ」のことも多いし、恣意的な情報によって「やらなければならない」と思い込まされていることもある。

ここはもう「自問自答」するしかない。やりたいって言ってるけど、それは本当にやりたいのか?ただ言ってるだけのファッションじゃないのか?単なる一過性の興味では?

自分が求めているものは何か、冷徹に突きつけていくこと。

「やりたいことなんて手放して、目の前に来ているやることにだけフォーカスを当てる」のも有効な戦法だが、どちらであれ自分がソレに対してマイナス値であれば実行は難しいのは変わりない。

「本当にやりたい」かどうかについては「意思決定の強度」で見るといいが、近年はどんどんこの「強度」が落ちている時代でもある。

自分にやさしく、ほどほどで、というマインドが流行りまくっていて、それはいいことな反面、腑抜けるところもある。一長一短というか、使い方次第で毒にも薬にもなるものだ。

強度が弱いからやりたいことではない、という判断も微妙なところで、そもそも強い強度を発揮できなくなっている。

なので、どれだけ自問自答できるか。自分を知ること、受け入れることができるか。書き出したり行動を記録したりして、深めてほしい。


参考:意思決定の強度とその鍛え方

「本気でダイエットする」と言った次の日にケーキを食べてしまう。それは構わない。

ただ、その現実を踏まえて手を打っていくかどうかに、強度は現れる。そのまま、また次の日も、そして来週も、ずっとケーキを食べているようなら「強度が弱い」ということになる。

意図的に「意思決定の強度を高める」練習はしている方がよくて、そのための方法の例を3つ挙げると

①強度の高い人と関わったり
②自分と約束ごとをして守り続けたり
③なかなかうまくいかないことをできるまで続ける(フォートナイトで1位取るまでやめないとかそういうのでもいい)
といったことで磨くことができる。

鏡を見つめての自己暗示法などもかなり効くが、これはちょっと危険性もある秘術みたいなものなためここでの詳細は伏せる。


まとめ:やりたいことを実現するための総合的なアプローチを

今回は「やりたいことがあるのにそれができない時に行うこと」を書いたけれど、反転すると「やりたいことをやれるのが当たり前の状態はどうすれば作れるのか」ということでもある。

この四象限を使って、取り組んでいくプロジェクトに必要そうなことに当たりをつけて進めてほしい。

なお「状態がマイナスではなく、本当にやりたい」ということは、たいていの場合にほっといても達成できる。「やりたいことができない」とは感じないハズで、そういう状態の人が活用できるノウハウはすでに世の中に溢れている。普通に本を買って実行すればいいだけだ。

今回のマップは「なぜかできない」ことがある人にとっての有益なものになる。そういう人は特定の知識や技術ではなく、習慣や心の問題が多い。

この考えは講座や対面のセッションで時間をかけて伝えているため、このnote1記事ですべて書くことは難しい。

「試したいけどわからないところがある」という場合はご質問歓迎なので、お気軽にメッセージください。TwitterのDMからどうぞ。

https://twitter.com/toshi_yanai


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?