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敬語の美しさ再考

最近朗読の音声配信をはじめました。
著作権が消滅した書籍を掲載している青空文庫という電子図書館からデータをお借りしているのですが、著作権消滅という性質上、かなり昔に書かれたものがほとんどです。
どんなものを朗読しようかとあれこれ見ていると、やはり昔の日本語の響きは美しくていいな、とあらためて感じます。
(現在は朗読の配信は休止中です)

私が日本語で特に好きなのは敬語です。
普通の言葉を敬語に言い換えると全く違う響きになって、日本語の美しさが際立つように思います。
けれども最近は雑な敬語が多くて少し寂しいです。
どんな言葉も「~られる」をつければ敬語になる風潮のようで、アナウンサーですら例外ではないように見受けられます。
「ゴルフをやられますか」「こちらの部屋に入られてください」
「寒いので上着を着られますか」「社長は12時に来られます」

前述の文をより美しい敬語に直すなら、こうです。
・ゴルフをしますか? → ゴルフをなさいますか?
・こちらの部屋に入ってください → こちらの部屋にお入りください
・寒いので上着をきますか → 寒いので上着をお召しになりますか
・社長は12時に来ます → 社長は12時においでになります

どうでしょうか?言葉の美しさと品の良さが格段に上がったような気がしませんか?

他にも、言い換えの敬語はたくさんあります。
・言う → おっしゃる
・やる → なさる
・見る → ご覧になる
・食べる → 召し上がる
・来る → おいでになる、お越しになる、お見えになる
・行く → おいでになる、いらっしゃる
・買う → お求めになる

時代とともに言葉が変化していくのは仕方のないことだと思いますが、美しいものはできるだけ残ってほしいと思う今日この頃です。

言葉遣いについてstand.fmでも音声配信しています。
https://stand.fm/episodes/5fdc9cfc9c5ceb469d10aefd


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