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2024年1月20日、21日実施 最終東大本番レベル模試 スタッフによる所感【理系数学】



全体概観: やや易


問題の設定を理解すれば最初の方針は立てられ、少なくとも計算用紙で実験して概要を掴むことはできる、そのような比較的取り組みやすい問題が多いセットだったかと思います。そのような意味でやや易との評価にしました。その一方で完答するにはやや手間のかかる問題もありますから、各大問で最低限の点数を確保しつつ解きやすい問題で点を稼ぐ、というように戦略的に取り組めたかが鍵となるでしょう。受験生の皆さんは、難問の完答を目指すよりも、取るべき問題を確実に取るという姿勢を大切に本番まで駆け抜けてください。

1:やや易〜標準


(1)を確実に取った上で、(2)では計算力が問われます。(1)でDを答えてしまった、というような間違いはしたくないですね。(2)は変数の取り方がミソで、解答と別解を見比べてみると良いでしょう。ルートの中が複雑になればなるほど、微分での計算ミスが起こりやすくなります。

2:標準


nの約数という条件がついていますが、メインは単位分数を二つの単位分数の和で表すという問題です。計算用紙で実験してみると、なんとなく答えの検討がつくかと思います。重要なのはそれを論理的な答案として書き起こせるか、ということです。解答のように整理できたら綺麗ですが、例えば(1)で「1/a_4>1/a_6だからa_4=4,5」というように、漏れなく泥臭い場合分けを行っても問題ありません。

3:標準


計算自体はシンプルなのですが、逆三角関数の値(解答でいうところのα_n)を扱う必要があるので、数学が苦手な方には辛かったかもしれません。とはいえ、S(n)やV(n)を求める程度の計算であれば十分練習してきたでしょうから、そういうところで部分点は狙っていきましょう。

4:やや易〜標準


(2)までは確実に取りましょう。(3)で差が付きます。難しい知識が必要ない分、地力での勝負です。有理式の計算では、次数の間違いに気をつけましょう。

5:標準〜やや難


セット中、最も手間のかかる問題だと思います。これが第3問か第6問であれば答案のスペースに余裕があるものを、第5問としての出題ですから答案の書き方に工夫が要ります。(1)だけ解いて残りは後回しにするという選択も大いにありうるでしょう。

6:標準


セット唯一の証明問題です。高校生が解くのに程よい抽象度だと思いますが、それでも慣れていない人は取り組みづらいかもしれません。(1)での手法が(2)でも通用するので、背理法を試してみようと足掻いたかどうかで大きく得点が変わりそうです。問題文からは2×5=10を使いそうだと臭いますから、背理法という方針が決まれば、解答のような証明は思いつきやすいはずです。そして、(2)までが全く解けなくても、(3)は基本問題です。しっかり得点しましょう。


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