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2023年8月27日実施第2回東大本番レベル模試 スタッフによる所感【国語】


■現代文


全体概観:やや易
第一問は根拠が明確な問題が多く取り組みやすかったかと思います。第四問は抽象的な表現も多いですが、根拠は傍線部の近くにあるものが多く、それらを正確に把握すればそれほど苦労しない問題でした。

第一問:やや易
(一):易
傍線部を含む段落の内容整理で解答できる問題です。傍線部の直後から理由が明記されているので、文章同士の関係に注意しながらまとめましょう。段落間の論理関係を踏まえて、前後の段落の内容を拾わないようにする注意が必要です。根拠が明確なので取っておきたい問題です。

(二):やや易
「まず」、「問題はそれだけではない」という表現から二つの問題が第15段落と第16段落で並列されていることは明らかなので、要素は容易に拾えると思います。それぞれの内容を簡潔にまとめる表現上の工夫が求められます。これも根拠は明確なので取っておきたいです。

(三):標準
フォロワーの多様性については、第17段落と第18段落で述べられています。「市民よりも」とあることから、市民との対比を踏まえてこの内容をまとめましょう。フォロワーと市民の対比を正確に押さえれば得点が期待できる問題です。

(四):標準
本文を通して筆者が主張している「フォロワー」を軸に解答しましょう。フォロワーの特徴などは本文後半から比較的容易に拾えます。傍線部を含む文章で比較されている市民や大衆との対比をおさえてまとめましょう。

(五):易
漢字での失点は回避したいです。

第四問:標準
(一)やや易
指示語の内容さえ把握すれば書きやすい問題です。その内容も直前の段落で述べられているので、容易に把握できるでしょう。

(二):標準
本文冒頭の「バカミタイ」から傍線部まで一貫しているテーマの把握です。「バカミタイ」が表す心情を自分の言葉で表現する必要があります。

(三):標準
まずは指示語の把握が大切です。直前で述べられているのでその内容は把握しやすいと思いますが、それを逆説的にまとめるのが少し難しいです。

(四):やや易
「どのようなことを考えたか」と問われているので、直前の段落の内容をまとめるだけで解答が作れます。

■古漢


第二問
全体概観 やや易〜標準
比較的読みやすい文章だったと思います。8月の間に単語などの基礎を固めきって、ある程度の演習を詰めた人は高得点が期待できる試験内容だったのではないでしょうか。またこのテストで大きく失敗してしまい思うような結果が出なかった人は、文法、単語を焦らずにやり直したり、敬語に注目して主語を意識したりするなど、基本的な事項を勉強しましょう。すべての問題に重要なポイントが含まれていたと思うので、それぞれのポイントが掴めたかどうかが差をつけたポイントでしょう。
以下の問題番号は文系のものとします。
1 ア 基本単語、敬語の問題です。おくる、奉るなどは基本レベルでしょう。ここで失点していては高得点は望めないと思われます。
  ウ 反語で訳せたかどうか、叡慮の単語の意味がわかったかがポイントでした。前後をしっかり見て、疑問か反語かを判断しましょう。叡慮は天皇の周辺語の一つです。間違えた人はここで一度、天皇関係の単語を復習しておきましょう。
  カ 「奉る」を謙譲語ではなく、本動詞として考えられたかがポイントでした。奉る→謙譲語とだけ覚えていた人は、本動詞の意味も持つ他の単語も一緒に復習しておくと良いでしょう。

2 差がついた問題だと思われます。「ことなる」を単純に「格別に優れている」と訳すだけでは、文脈と合いません。自分が知っている単語であっても、文脈に合わなければ、異なる訳し方をする勇気も必要でしょう。

3 難しく思われたかもしれませんが、落ち着いて処理を行えば、そこまで難しい問題ではなかったと思います。反実仮想。基本単語「うし」「世をのがる」などの意味を理解していればある程度の点はきたと思いますが、露が、はかないものの比喩として、使われることを知識として持っていないと少し難しかったかもしれません。このような古文常識も少しずつ身につけていくと良いでしょう。また「世をのがる」などの仏教系の単語もまとめて復習しておきましょう。

4 これは取り切りたい問題でした。勅命に対する気持ちと、自分の名声に対する気持ちと、自分の名声に対する気持ちの二つの要素を書くことができれば十分でした。主語とその話し相手を意識しながら読み進めていくことが重要でした。

5 倒置法を見抜けたかどうかで大きな差がついたと思います。和歌の最後の部分が助詞で終わっている時などは、倒置法を疑うようにしましょう。「雲井」の意味がわからなかった人も、主語と状況を踏まえて、宮中のことであると理解してほしかったと思います。

第三問 
全体概観 標準
全体的に少し難しく思われる部分があったものの、基本的な漢文の句形の力や漢字の力などが問われていたと思います。
漢文も古文同様に、基礎基本がとても大事になってくると思うので、秋からの演習のためにも、今回の模試で間違えた部分やわからなかった重要単語はもう一度見直すなど復習を徹底しましょう。

第一問
A 「一」の意味を正確に捉えられたかが重要です。第一問の現代語訳問題においても、前後の文との整合性を意識しましょう。のちの具体例から意味を類推できると良いでしょう。
C この問題は落としたくない問題です。基本的な漢文句形、注をみれば容易です。
D 少し難しい問題だと感じられました。「弁ず」の単語の意味を知っている人は少ないと思うので、筆者の経験談から推測するという形になったと思います。「弁別する」という語を知っている人は有利だったと思われるので、やはり日頃の演習から漢字、熟語の力はあげておきたいところです。

第二問
容易な問題だと思われますが、自分の頭で考えるのではなく、あくまで本文に解答根拠を求めるようにしましょう。第一段落の最後の文が根拠になっていました。

第3問
文章の中においては常に、指示語は何を指すかを意識しておきましょう。今回の設問においても、「此」をしっかりと説明しないと減点、もしくは文意を間違える可能性もありました。また、主語が分かりにくいので、何が「甚だ美」なのかが少し分かりづらかったと思います。主語の移り変わりにも注意して読むようにしましょう。

第4問
前半から続く、キビとコメ、孔子と老子の対句が大きなヒントになっていました。この設問を完璧に答えられた人は、この文章を深く理解していると自信を持って良いと思います。「飢え」という全体を貫くワードは解答に入れておきたいです。

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