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2021年に読んで良かった本

もうすぐ2022年も1/4が終わろうという時になって、ようやく2021年に読んだ本を振り返ります。いまさら感もありますが、たまに振り返ってニヤニヤするのは私なので、自分用に記録を付けておきます。

2021年はコミックを除いて63冊を読了。そのうち雑誌を除いて★5つ(最高の1冊!)が7タイトル、★4つ(ぜひまた読みたい)が23タイトルでした。一昨年まで100冊程度の読了ペースだったのが、大学院在籍中は本を読む時間が減り、読了までに時間の掛かる本の割合が増えたことで、読了冊数が減りました。2021年は思想や構造に思いを馳せた本が★5つとなったように思います。色々と思い悩むことは多かったのです。

ちなみに、良かった本の多くは紹介してもらった本でした。紹介いただいたみなさまに感謝。なお、noteサークル『noteで読書会をためしたら』では、お互いに気に入った本を紹介し合っていますが、これがとても楽しくて。どんどん読みたい本が増えていきます。

2021年に読んで良かった30タイトル

 分類に分けてなんとなくまとめて並べました。私が★5つと評価したものは、タイトルの後ろに「★5」と記載しています。無記載は★4を表します。★3以下はリストから外しました。

生き方のヒントをくれた5タイトル

  1. ヒルティ,秋山英夫(訳)『幸福論』角川ソフィア文庫,2017 ★5

  2. 菅付雅信『動物と機械から離れて』新潮社,2019 ★5

  3. ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を[新版]』早川書房,2015<再読>★5

  4. 井上靖『あすなろ物語』新潮文庫,2002<再読>

  5. 小川洋子『密やかな結晶 新装版』講談社、2020

歳を取るにしたがい「自分は、自分の人生を生きているか」なんてことが気になるようになってきました。そんな中、ヒルティの幸福論は発見でした。幸田露伴の『努力論』に通じる一冊です。加えて、人間らしさを考える上で『動物と機械から離れて』は程よく本に対して突っ込みをいれて、そこから自分なりの思考につなげることができました。再読した2冊の小説と『密やかな結晶』も、自分の生き方を振り返る題材となりました。

味わい深かったエッセイ・小説・SFなど7タイトル

  1. カズオ・イシグロ『クララとお日さま』早川書房,2021

  2. レイ・ブラッドベリ『火星年代記[新版]』早川書房,2010

  3. 上橋菜穂子『鹿の王 水底の橋』KADOKAWA,2020

  4. カレン・ジョイ・ファウラー、中野康史(訳)『ジェイン・オースティンの読書会』筑摩書房、2013

  5. 沢木幸太郎『深夜特急2 - マレー半島・シンガポール - 』新潮文庫、2014 ほか深夜特急シリーズ

  6. 池澤夏樹『明るい旅情』新潮社、1997

  7. 須賀敦子『須賀敦子全集 第5巻』河出書房. 2008 ※詩集として

時代や環境が変わった時に人間というものは変わるだろうか、いや変わらないかも知れない。そんな風に思っているところに、ファンタジーやSFを使って、ちょっとした思考実験ができました。日ごろとは異なる土地への旅にも同じような実験的要素がある気がして、楽しく読みました。また、『須賀敦子全集 第5巻』はウンベルト・サバの詩集が味わい深かったです。人間の可笑しさと哀しさが詩に現れている気がしました。

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