🌕とことんユーミン🌕 ダイヤモンドダストが消えぬ間に

 こんばんは。とことんユーミンのお時間です。
昨日の中秋の明月きれいでしたね。

今夜は1987年12月5日にリリースされた19枚目のアルバム
「ダイヤモンドダストが消えぬ間に」です。

アルバムタイトルにもなった
「ダイヤモンドダストが消えぬ間に」の華やかなイントロは
バブルの幕開けを告げていました。

でも、あの時、
私たちは「バブル景気」の中にいるということを
知りませんでした。
ただ「景気が良い」と思っていただけで、
絶好調の景気がはじけた後についた名前が
「バブル景気」だったのですから。

この年まで国鉄があったことを忘れていました。
安田海上火災がゴッホの「ひまわり」を
53億円で購入したのもこの年。

ところが子育て中の私は好景気の中にいるという
実感は全くなて、ただ日々に追われていました。

❤️月曜日のロボット

バブル時代の幕開けを告げたこのアルバムは
ユーミンのアルバムで初めて
100万枚を売り上げました。
景気が良い背景もありましたが、
このアルバムが売れた要因が2つあると
酒井順子さんは分析しています。

キーワードは「OL」と「結婚」です。

アルバム1曲目の「月曜日のロボット」
会社勤めの憂鬱な月曜日の歌です。

パスを見せて　ブザー鳴って　階段おりて
わからないのよ　どこに向かっているの

というように、
いつものように会社に向かいながら
スッキリしない心情の主人公は
総合職キャリアウーマンではなさそう。

一般職、いわゆるOLさんです。
やり甲斐も大してなく、
与えられた仕事をロボットのように
粛々とこなしています。

カード押して　おじぎをして　ファクスを受けて
いつか愛するあなたとめぐり逢うまで

このロボット生活から解放してくれるのは
まだ見ぬ「愛するあなた」
最終目的は「結婚」です。

このあたりのことは後ほど、
もう少し詳しくお話しします。

さて、ここでクイズです。
この曲は東京のとある駅をイメージしてます。
どこの駅でしょうか。

はい。正解は赤坂プリンスホテルの最寄り駅である
半蔵門線永田町駅です。

💔ダイヤモンドダストが消えぬ間に

そして、
おなじみ「ダイヤモンドダストが消えぬ間に」です。
ダイヤモンドダストとは、
気温の低い寒いところで、
空気中の水分が細かい氷となって舞う現象です。

タイトルを見てクリスマス時期のスキー場が
舞台と思い込んで、聞いてみたら

いきなり

はじめまして 碧いラグーン
紅珊瑚のトナカイ

そう海の中、当然、南半球。
私は海に潜った経験がないので、
映像から想像するだけですが、
素晴らしい景色なのでしょうね。

二人はクリスマス時期に
南の地へ旅し、
ダイビングをし、
幾千の泡の中で、
幸せいっぱいの時を過ごしました。

ところが
その恋は翌年には終わっています。

Diamond Dust シャンパンをそっとのぞいたら
帰りたかったの去年へ

一人でシャンパンを開けて、
その泡を見て去年のクリスマスを思い出しています。
恋も、泡も、時代も華やかなものであればあるほど、
儚く消えてしまうもの。
その儚さゆえに美しいものです。

これから始まる華やかな好景気も
いつかは泡のように消えてしまうものと
ユーミンはあの時、察知していたのでしょう。
バブル時代って名前がつく前のことですよね。

すごいですね。

ここでクイズです。

この曲は1988年のCMソングに使われました。
なんのCMだったでしょうか？

三菱自動車「新型ミラージュ」でした。

💔思い出に間にあいたくて

「思い出に間にあいたくて」は
ドラマ23枠で放送されていた
『涙日記』の主題歌でした。

山田邦子さん演じるバブル絶頂期のフリーター女の
悲哀を描いたドラマ『涙日記』。
タイトルを見ただけでも痛そうなドラマですよね。

お人好しの彼女は友達からは
いいように利用され、
バイトで稼いだお金は織田裕二扮する恋人に
貢いでしまうという生活。
ご覧になった方はいますか？

さてここでクイズです。

思い出に間にあいたくての出だしに
〜10番線は最終電車　駆け出す人にまぎれ〜と歌っていますが、これは実際にあるホームをイメージして作られました。
さてどこでしょうか。

新宿駅10番線ホーム。
最終電車は山手線内回りの最終電車です。
ちなみに現在は山手線は14番線になっているようです。

ありがとうございました。

💔SWEET DREAMS 

さて、カラオケで歌うことの多い　
SWEET DREAMS  
この曲は22作目のシングル曲で、

これも三菱自動車の1987年CMソングでした。
1991年に公開された
「波の数だけ抱きしめて』の主題歌でした。
この映画は中山美穂、織田裕二、
当時の売れっ子カップルですよね。
ご覧になった方もいるでしょう！

ちなみにYouTubeの
「心ほどいて」には
『波の数だけ抱きしめて』の結婚式シーンが出ます。

このロケ地は横浜保土ヶ谷カソリック教会です。

ちゃんと映画を見たことがないので
一度見てみたいです。

Sweet Days
何に負けたの
わからないことがくやしいだ

わからないことがくやしいだけ
という歌詞が大好きで、
カラオケでは絶唱です。

💖TUXEDO RAIN

雨特集でも取り上げましたね。
雨を「ふりしきる銀の調べ」と
表現しているのは素敵ですよね。
この曲は土砂降りの中、
誰にも祝福されない二人だけの
結婚式をテーマにしています。

古今東西、
恋は引き離されると
反対されると、
余計に燃え上がりますよね。

なぜこんなにも いつこんなにも
気づくと愛していたの
祝福も 永遠も
約束されなくても

※ただゆっくりと ただひっそりと
目を上げてすすんでゆく
やるせなく でも誇らしく
誰も来ないセレモニー〜

誰にも祝福されなくたっていい！
二人でいれば怖くない！
愛が全て！

と思えるのは
結婚してどれくらいの期間かなあと
思います。

今、日本中で一番熱く燃えている二人のことが頭によぎります。

ニューヨークの鋪道
ずぶ濡れのドレスを着た元プリンセスと
タキシードを着た弁護士の卵

なんだか二人のテーマソングになりそうな
気がしてきました。
第一生命のCMソングだったそうですが、
今になると妙に納得です。

💓SATURDAY NIGHT Z0MBIES

先週も取り上げた『オレたちひょうきん族』の
エンディングテーマです。
ユーミン本人がとても気に入っている曲ですって。


正隆さんの奏でるアダルトなサウンドに乗せて
サラッと歌うユーミン。
EPO「土曜の夜はパラダイス」、
山下達郎「土曜日の恋人」、
ユーミン自身の「土曜日は大キライ」に続く、
ひょうきん「土曜」ソング。

イントロのきしむドアの効果音や、
ドラキュラ、ゾンビ、狼男などのモチーフが
散りばめられています。

BMW の掃木で SATURDAY NIGHT
街の空飛び ドアを蹴って
おいでよパーティーへ

と、BMWを魔女のまたがるほうきとよんでます。

その昔、BMWのことをベンベーと

よんでいたと思いますが、
ここでは、ちゃんとビーエムって歌ってますね。
そうこのころ、
急に街中に増えていった気がします。
そしてそのうち「BMWは六本木のカローラ」と
言われるようになっていくのですよね。

写真は1987年BMW M3 （名車文化研究所）

💖続　ガールフレンズ

続ガールフレンズは友達の結婚式の前日に
感じる女友達のい微妙な心理が歌わています。

複雑な気持ちよ あなたがいちばん先に
結婚してゆくなんて
前の彼のときも 旅行中のアリバイ
みんなで作ってあげたのに 今度も
まとまらないと云ってたくせに
なにさ ひとり 勝手に

と仲間内で一番先に結婚する友達に対して、
祝福とやっかみが混じった複雑さ。
女友達には抜け駆けはご法度。
「みんな一緒に」が合言葉のはずなのに
「ひとり勝手に」という行為には
「なにさ」と言う言葉はつくでしょうね。

それでも

オメデトウ 明日 晴れやかなミセス
もう どこかのばかなやつのもの

オメデトウ 明日 教会で会ったなら
私の方が泣いてしまう

これは本当にそんな気分になるんですよね。
私の実体験です。

中学高校と無二の親友。
とこにいくにも一緒でした。
母が亡くなった時にも
真っ先に駆けつけてくれた友達です。

私は弟と二人暮らしをしていましたし、
家は横浜駅から歩いて15分ほどですから、
終電が行ってしまったあとに、
「これから行ってもいい？」と
いう電話がかかることが
多々ありました。

待っていると、彼女の後ろにはカレがいます。

まあ、いろんな友達が泊まっていきました。
今、シェアハウスをしていますが、
その頃からほんとにシェアハウスをしていたのですね。

私もお付き合いしている人と忙しくなったので
彼女とは以前ほど会う機会が減ってきました。

そしてある日、
「結婚するの。結婚式のスピーチお願い」
と彼女から突然の電話がありました。

会ってみたら、
えええええ？この人？いつから？

私が思い込んでいた人とは全く違う人でしたから、
ほんとにびっくりしましt。

あっと言うまに
恋に落ちて、
間髪入れずに
結婚しちゃうなんて、
あらららら！

結婚式の前日、
ベッドに横になってからも
不思議な気持ちで眠れなかったのを
よく覚えています。

この曲を初めて聴いた時、
そうそう、とうなづきました。

付け加えて言うなら
彼女が出産する時はさらにショックでした。
お見舞いに行ったら、
「あれ、破水しちゃった」と言われ、
その後にお産が始まりました。
そそくさと帰る私は、
彼女がひどく遠くへ行ってしまうような気がしました。


続々ガールフレンズがあったら、
そんなテーマになるのかなあと思います。

💓ダイヤモンドの街角

次のダイヤモンドの街角です。
ダイヤモンドダストの影に隠れて、
ちょっとマイナーなイメージですね。

東京ではなく、
ロンドンの街角をイメージされているようです。
私は冬のロンドンには行ったことはありませんが、
緯度は高いところですから、
きっと寒いのだと思います。
ロンドンのタクシーを思い浮かべると渡る橋は
ロンドンブリッジでしょうか。
私にはビビアン・リー主演の「哀愁」で
二人があったウォータールー橋が
浮かんできました。

なかなか会えない彼からの
電話で呼び寄せられた私は
用事があったかもしれませんが、
まるで催眠術にかけられたかのように、
タクシーを拾って、
橋向こうのまちにすむ彼に会いにいきます。

恋をしなければ見ることのいない
ダイヤモンドの街」

最後のこの歌詞にドキドキしました。

恋をするとなんでもキラキラ輝いて見えますよね。
こういう機会がなかったら、
こんなに聴き込むことはなかったという一曲でした。

💔LATE SUMMER LAKE

大好きだった中禅寺の思い出をお話しましたが、
ユーミンは山中湖のイメージで書いたそうです。
確かにワインディングの道を通っていくと
山中湖にでる道があります。
道志村をね抜けていく道なので、
八王子からも行けそうな道ですね。
山中湖村にいくのに、
相模原から50キロほとんど信号のない道で、
ちなみにユーミンに聞かれた
マツコさんは「千葉の〇〇ダム」と答えていますが、
どこでしょうね。

コンサートでもノリノリになる一曲です。

そうそう、間奏の日記のつぶやき　わかりました。

💔 霧雨で見えない

1988年の新型ミラージュのCMソングでした。

1984年に麗美とハイ・ファイ・セットへの提供曲でした。
Wikiによれば
この橋は渋谷並木橋の交差点ということです。


この曲を調べていたら、またまきもとやさんがお書きになった
【麗美とその時代】というブログを
真弓さんが教えてくれました。

ご紹介させていただきます。

（YouTube「松任谷由実＋マツコ・デラックス　日本のアイドルについてなど…..
『オールナイトニッポンGOLD』）


面白かった点が三つ。

一つ目は、松任谷由実がアイドルのために提供した楽曲についてあれこれ話しているとき、マツコ・デラックスが「私が好きな霧雨」といったことだ。
よほど好きらしく、高校時代はこの曲を聴きながら、空想の中で失恋した女の子になりきっていたらしい。
さらに、「霧雨で見えない」をかけながら、舞台装置を作りまでして、新宿の組合（つまりは同性愛者）の店で出し物をしていたようすを、松任谷由実は直に目撃したとのこと。このようすを見られないものかと動画を検索してみたが、残念だが見つからなかった。とても残念だが。
その上さらに、「ユーミンは組合で大人気」などと話し、松任谷由実もそのことは承知している、といった会話になったこと。
松任谷由実の曲について一生懸命に話すようすを聴いて、マツコ・デラックスの心は乙女なのだなと、今さらながらに思い至った。

二つ目は、「この曲（「霧雨で見えない」）もアレでしょう、ハイファイ・セットとか麗美さんに書いた曲でしょう？」などと、アイドル絡みでマツコ・デラックスが話を振ったものの、麗美についてまったく完全にスルーした松任谷由実に、１）ラジオの生放送中なので、認知度の高いアイドルの話しかしないと考えたとか、２）麗美については、簡単に話せるものではないと避けたとか、松任谷由実のお気持ちをマツコが素早く忖度した雰囲気が伝わってきたこと。
もしかしたら、声には出さずに、指でバッテンを作るなど、松任谷由実がサインを送っていたのかもしれない。

三つ目は、マツコが「麗美さん」と口にしたとき、アクセントが「れ」ではなく「み」に乗っていて、業界的というか、組合的というか、隠語のように話していたこと。
そもそも、他のアイドルは呼び捨てかちゃん付けだったし、ハイファイ・セットも普通にそのままだったが、麗美だけ「さん」を付けて話していた。
マツコの中で麗美が、松任谷由実の威光とともに、なにか特別な存在になっている印象があった。
マツコが「サワコの朝」（阿川佐和子のトーク番組）に出演したときの発言をまとめたブログを読ませてもらった限り、マツコは（同じ「霧雨で見えない」でも）「ダイヤモンドダストが消えぬまに」のユーミンバージョンよりも、麗美バージョンのほうが好き、ということらしい。
女の子になる想像に浸りきるなら、麗美の声のほうがどっぷりと全身的に浸りきれる気はする。
「霧雨で見えない」にどっぷりつかったマツコに、１）心が乙女であると今さらながらに思い至ったことはすでに書いたが、麗美バージョンが好きという話を聞いて、２）心がヲタクであるという点も今さらながらに思い至った。もちろん、マツコを全力で褒めている。「私的には全肯定」と思える状態だ。
松任谷由実は、この発言を知っていたのか、もし知っていたなら、上の会話のときに何が脳裏をかすめたか、実に興味深い。

というものです。


今日はあさこちゃんがお休みなので、
最後の最後までしゃべります。

順子さんはダイヤモンドダストの消えぬ間にの章に
「結婚という最終目的」というサブタイトルをつけています。

「ユーミンの罪」207ページからの文章です。

心理学者の小椋千加子さんは著書『結婚の条件』の中で、「従来から女性学の世界では『短大性パーソナリティ』と呼ばれて」いるものがある、としています。それはすなわち、短大を卒業したら、一流企業に就職して結婚、でも仕事と家庭を両立するなどというしんどいことは嫌なので、自分が仕事をやめても安心して子育てができるような収入を持つ男性を選び、幸せな専業主婦生活を送りたい、という感覚。
「高卒者の堅実さとも四大卒者のキャリア志向とも違い、家庭でパワー拡大を目指し、自分の女性的ジェンダーの特権を決して捨てず、一見保守的な生き方に見える」
「彼女たちにとっては結婚は『依存』そのものである」と小倉さんは書いておられます。
このアルバムが出た時代、短大へ進む女性はまだたくさんいました。短大を出た女性達は、難なく有名企業に就職したものです。（略）
その後時代は変わって、結婚程度のことで、せっかく就職した一流企業を辞める人はいなくなりました。また短大という業態も少子化等の影響で人気がなくなり、廃校になったり、女子大に転換したりするように。そして小倉さんは、この短大生パーソナリティについて
「現在短大の減少とともに、四大の中堅以下の大学の女子学生のパーソナリティにそのまま移行している」としておられます。

1985年のアルバム「DA・DI・DA」において感じられたのは、キャリア志向の片鱗でした。「メトロポリスの片隅で」は、恋が終わっても一人で強く生き、仕事に邁進する女性のことを歌っていた。
　しかし、その2年後のアルバムで、トップに「早く会社を辞めて専業主婦になりたい」的な歌とじゃこれいかに……、と私は思ったのですが、しかしだからこそ、このアルバムはミリオンセラーを記録したのかもしれないとも思うのです。
ユーミン本人は短大卒ではありませんし、結婚して専業主婦になったわけでもありません。
高校時代からキャリアを積んでいる、専門職。
　しかしユーミンは、バブルの始まりの時代において、短大生パーソナリティ的なものが女性達に中のメインストリームであることを、熟知していたのでしょう。雇用均等法施行とともに、キャリア志向の女性も、もちろん増えた。しかしキャリアウーマンとしての生活は生半可な努力で成し遂げられないわけで、「そんな苦労はしなくても、私たちは幸せな専業主婦になりたいわ」という普通の女性の心理はむしろ強まることに、ユーミンは気づいていたのだと思う。

少し長くなりましたが、
ここは押さえていた方が良いですね。
専業主婦を一度もしたことなくここまできた私は、
働いていないと落ち着かないので、
こうしてとことんユーミンの原稿を書いているのかしらね。




いかがだったでしょうか

本日のブレイクタイムは
先程も話に出ました
麗美「霧雨で見えない」です。

シュンミン🎤リクエストタイム🎤

What to do waa woo 
満月のフォーチュン
14番目の月
September  Blue  Moon
破れた恋の繕い方教えます
月夜のロケット花火

満月の夜にふさわしい曲を選びました。

来週もお楽しみに！

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