🎹とことんユーミン　MISSLIM🎹

1974年10月5日リリースの2枚目のアルバム。
48年前のまさに今日！


昨日「ユーミン万歳」がリリースされ、
毎日のようにテレビに出演しているユーミン。

ここでは、いつものように淡々と曲を味わっていきたいと思います。


タイトルのMISSLIMは『MISS  SLIM』からの造語。
ジャケットはひこうき雲とは趣向を異にして本人のモノクロ写真が印象的でした。
ユーミンがよく通っていた「キャンティ」の創業者川添浩史さんの自宅、奥様の梶子さんのグランドピアノの前で梶子さんが用意してくれたサンローランのドレスを着て撮影されました。

ひこうき雲に続いて、演奏はキャラメル・ママ（松任谷正隆・細野晴臣・林立夫・鈴木茂）が中心となっていました。
コーラスではシュガー・ベイブ　山下達郎、吉田美奈子、大貫妙子、
そして鈴木顕子の名前で矢野顕子も歌っています。
ゴージャスですよね

生まれた街で

　「小さなバイクに乗り　風を見送った時〜」
　　バイクのCMに使っていた記憶があるのですが、探してもありませんでした。
　　私が勝手に頭の中で想像していたのかもしれません。

瞳を閉じて

校歌のなかった長崎県立奈留高等学校の生徒から依頼されて作った名曲。
校歌にはなりませんでしたが、愛唱歌として親しまれています。依頼した生徒は一生の宝物となったでしょうね。

やさしさに包まれたなら

ユーミンの曲ベスト3には必ずノミネートされる大人気の「やさしさに包まれたなら」
1989年公開のジブリ映画「魔女の宅急便」のエンディングテーマ曲ですね。
女の子が自立していく時にテーマソングっぽいけど、詩を読むと、含みがありますよね。
姑を「あの人のママ」と呼ぶなんて、1974年では思いもつかなかったです。

海を見ていた午後

横浜公演ではアンコールの最後に必ず歌う「海を見ていた午後」
「だって、ヨコハマだもの」っていうユーミンに涙です。

12月の雨

コーラスアレンジは山下達郎が担当して、コーラスはシュガー・ベイブで大貫妙子も参加しています。「12月の雨」イントロのピアノ、耳コピしました。

あなただけのもの

B面の最初の曲はファッショナブルなサウンドで大好きです。吉田美奈子さん、大貫妙子さん、達郎さんの声聞こえますね。

“忘れてたものが急に目の前で輝きだす
まぶしくて歩けない　この手をつないでいて
そしてそのままどこかへさらって
あなただけのもの“

恋をすると白黒の世界がカラーになる。
本当にそう感じて17歳の私でした。

魔法の鏡

「手帳につけた誕生日、そっと遠くでお祝いするわ」
失恋した彼を思って、歌っていました。

早乙女愛さんの歌声で聞いてみました。
なんか切ないです。

たぶんあなたはむかえに来ない

　これは恋の終わりの歌です。
ちょっとした喧嘩で、一人になりたくて飛び出したものの、
「心はもうとっくにくやんでいる」状況。
今なら「ごめんね。悪かったわ。お迎えきてくれる？」
とかLINE送って、絵文字でOKみたいな軽い感じですが、
当時はまだ電話時代。降り出した雨を見ながら
「たぶんあなたはむかえに来ない。ふられてしまった」
この先のストーリーはほんと人それぞれ違いますよね。

私のフランソワーズ

フランソワーズという固有名詞。
最初私はてっきり「悲しみよこんにちは」のフランソワーズ・サガンだと思っていました。
ところが、のちになってフランソワーズ・アルディとことがわかりました。
「あなたの歌を」と歌っているのだからサガンでないのに。フランソワーズ・サガンの影響を受けていた少女だったと思います。

旅立つ秋

“明日霜がおりていたなら
それは凍った月の涙“

子供の時から霜が大好きだった私は、この歌を知ってから、霜を見ると「凍った月の涙」を連想するようになりました。

アルバムの最後を締める芸術的な歌です。
TBS「パックインミュージック」パーソナリティで
ユーミンを可愛がっていた林美雄さんが最終回を見かえるにあたって作られました。

ユーミンの罪

今夜も酒井順子さん「ユーミンの罪」から引用させていただきます。

最初のアルバム「ひこうき雲」と「MISSLIM」、この辺りは、ユーミンにとってのいわばファースト・ドリップです。ものを作る人間は、ごく初期の作品に、それまでの人生において溜めていたものを全て出すのであり、そこには「その人らしさ」を形づくる要素が凝縮されているものです。
『ルージュの伝言』には「今まで思春期とか、幼少時代送ってきたものをすべてはき出していたアルバムが『ひこうき雲』と『MISSLIM』という2枚なの」とあります。

『MISSLIM』の1曲目は「生まれた街で」という曲ですが、これはまさにユーミンにとっての生まれた街、ということでしょう。
三曲目は「やさしさに包まれたなら」の最初の歌詞は、
「小さい頃は神さまがいて　
　不思議に夢をかなえてくえた」
という、幼少期を思い描いた一文。そして四曲目の「海を見ていた午後」には、ユーミンの青春時代の思い出が反映されています。
ユーミンがここに「ドルフィン」という店の名を出したのは、何故なのでしょう。(p23 10行目〜p24 8行目)

「あなたを思い出す　この店に来るたび」
で始まる「海を見ていた午後」は別れの歌です。
「ソーダ水の中を　貨物船がとおる」
という歌詞も印象的で、ユーミンゆかりの地を詣でる人々は、この店で必ずソーダ水を頼むわけです。
ソーダ水は「小さなアワも恋のように消えていった」という歌詞、すなわち若き日のうつろいやすい恋の「泡沫(うたかた)」感を引き出すのに、最も適した飲み物であったということでしょう。
この歌の中で私にとってもう一つ印象的な歌詞は
「あのとき目の前で　思い切り泣けたら
　今頃二人　ここで海を見ていたはず」
という部分です。(p26 2行目〜11行目)



別れの瞬間という、誰もが泣く場面において泣くという当たり前さを、格好悪いと感じる。そこで泣く女が、女としての戦略上は得なことがわかっていても、その得はあえて取らないスマートさを選んだのが、ユーミン世界における泣かない女。
ダサいから泣かないという女は、この時代新しい存在であったのだと思います。(p27 3行目〜7行目)


「80年代は、女の時代と言われていました。女性はどんどん強くなっていったのだ、と。ユーミンはは70年代半ばに、既にその時代を予感し、先取りをしていたのです。男性との交際、その先にある結婚のために、涙という手段を使わない女。そして、ここ憐憫にうっとりしても、そんな自分を客観視する女。そういった女性像を、1974年に20歳だった荒井由実は、描いていました。その歌詞は女性達を励ますと同時に、「男とつがいになるためには手段を選ばない」というなりふり構わない必死さを、彼女達から奪ったのではないか。
「男にしがみつかない女」は、確かにダサくはありませんでした。が、客観視の結果として見えてしまうダサさを怖れるあまり私達は、野太い生命力のようなものを失った気もするのです。」（P29 7行目〜15行目）

酒井さんはドルフィンでデートすることにない青春時代を送り、この本を書くにあたって、初めてドルフィンに行きました。
1998年に改装され、微妙な雰囲気のカフェレストランとなってしまったドルフィン、
メニューには「ドルフィンソーダ　800円」そこには「時と共にソーダ水の中の風景は変わっても、今でも変わらないドルフィンソーダ」という一文。
ドルフィンソーダをオーダーすると店内に「海を見ていた午後」がかかるのは変わっていないようです。

2022 ドルフィンのメニュー

「山手のドルフィン」というショートストーリーを書きたいと思い、始めたら、止まらなくなったので、「単品」でnote書きます。

リスナーさんの感想

生まれた町で、瞳を閉じて、１２月の雨、魔法の鏡、私のフランソワーズなど今でもよく口ずさむ珠玉の曲ばかりです。私のフランソワーズを初めて聞いた時、あなたの歌に♪という歌詞から悲しみよこんにちはの作家のフランスワーズ・サガンではなく歌手のフランソワーズ・アルディーというのがピンと来ました。ユーミンがデビューする前からさよならを教えて♪を歌うフランスワーズ・アルディーの存在はＦＭや深夜ラジオから知っていました。ユーミンはブリティッシュロックのみならずユーロポップの中でもフレンチポップスの影響を強く受けているのだと感じました。
私もユーミンと同じでフレンチポップスやカンツｵーネを高校時代は追っかけていました。ジリオラ。ティンクエッティの雨♪、ウィルマ・ゴイクの花のさやき♪も少女時代のユーミンは聞いていたのかなあ？でないと時のカンツｵーネ♪という曲名は思い浮かばないかもです。サンレモ音楽祭に熱狂していた私の高校時代です。それを土台にユーミンへ。

花のささやき♪もTVのコマーシャルのBGMで流れましたね。ユーミンの曲もTVコマーシャルで流れることが多いけど、ユーロポップスまの懐かしい曲も注意して聞いていたら結構多いです。ヨーロッパの音楽がクラシック音楽を土台とした旋律のきれいなものが多いからでしょうね。翳りゆく部屋♪のイントロを初めて聞いた時はこの曲バロック音楽？と思いました(^o^)

🌿グリンタイム🌿

さて　長嶋緑さんのグリンタイムのお時間です。

先日、土曜日にミューザ川崎の大ホールでなく、市民ホールで開催された緑さんのライブ、行ってまいりました。

スタインウェイのピアノがよく鳴っていて、緑さん、本当に素敵でした。

♪セットリスト♪

【1st stage】
晩夏
Close to you
Someone to light up my life
Waltz for Debby
小さな木の実
Morning

【2nd stage】
小さな空
星めぐりの歌
Love for sale
So many stars
クリスマスイブ(山下達郎)
On the sunny side of the street

アンコール
I‘ll be seeing you

ユーミンの奴隷

「自分の好きなものを信じるしかない』かな。そのためのたくさんの我慢は必要だけど。ずっと苦しむし、ユーミンの奴隷になるけれど」

51年目の天才少女にはまだまだ表現したいものがある。

「極めてシンプルに言えば、明るさと豊かさと潤い。生活的に、物質的にどう変わろうとも、心や感性はずっと豊かでいてほしい。これからも目に映る季節や景色が違って見えてくるような曲を届けていきたいと思います」

ユーミンの言葉は私たちに人生の潤いを与えてくれると思いました。

ユーミン万歳❣️❣️

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