見出し画像

続・池袋西口公園(池袋ウエストゲートパーク)

先日、豊島区郷土資料館の2023年度豊島ミュージアム講座『「池袋ウエストゲートパーク」と池袋』を受講して参りました。
石田衣良さん原作の「池袋ウエストゲートパーク」(以降IWGP)について掘り下げた内容の講座です。
原作は読んでいませんので、初めて知る内容ばかりでとても興味深かったです。原作読んでみようかな?という気持ちになりました。
講師様ありがとうございました。

受講しようと思ったきっかけですが・・・
ドラマ、アニメは楽しく視聴したものの、池袋のダークな部分がフォーカスされてしまって正直アンチとまでは行かないもののモヤっとする気持ちがあり原作を手に取るには至りませんでした。

とは言え、ヒット作だし地元をテーマにした作品なのでずっと気になっていました。
食わず嫌いもなんだし講座があるなら受講してみようと思った次第です。
アニメが原作に近いようですね。アニメ版を観たのがきっかけの一つでもあります。

池袋西口で育った身としては池袋で起きる「事件含めて日常」です。
「闇市」を知らない世代ですが、確かに池袋は怖いところはあるけど「盛り場」と「生活の場」が一部交差しつつも境界があって「無いとは言わない」が怖い思いや事件に巻き込まれることは稀だったと思います。
通学路に「事務所」があったり「銃撃」があったり、近くの銭湯には「カラフルなお背中」の方とかいらっしゃいましたけど・・・
もちろん知らないところで大人に守られていたこともあったでしょう。

池袋が取り上げられて嬉しい反面、わざわざネガティブな感じで喧伝してくれるな。池袋は言うほど怖くない!明るい町なんだ!という反発心があったのだと思います。
地方出身者が地元は田舎で・・・と自分で言うのは良いけど、よそ者に田舎だね!って言われるとムカつくという心理に近いかも知れません(笑)
江戸川乱歩が作者だったら手放しで喜んだでしょう。

講座を受けた感じ「そんな事件を含む日常」を物語としているようですね。
しかもかなりの数の続編が出ていることを講座で知りました。

書いてて思い出しましたが、よほどヘルメットにゲバ棒を持った「学生さん」の方が幼心に怖かった覚えがあります。
バス通りが機動隊のバスで埋まった記憶もあります。

さて、タイトルの「西口公園」とその周辺について当時の記憶を思い出して「私見」を綴ってみたいと思います。
ここでは「西口公園」の範囲は豊島師範跡地全体を含めます。
前回の記事も是非ご参照ください。

西口公園は「芸術劇場」が出来るまでそれほど危険な匂いはありませんでした。
逆に私は「明るい」イメージを持っていました。
地元子供たちの遊び場でしたから。
(すぐヨコにラブホが林立してましたけどこれも日常)

1970年~80年代中期までの西口公園周辺は駅とバス停前あたりを除けばたいして高いビルはありません。
南側が完全に開けていて「陽当たりがとても良く」「空がとても広かった」場所でした。
「東方会館」等のビルが西側に並んでましたが通りを挟んで向こう側なので圧迫感はありません。
ホテルメトロポリタン(1985年開業)もありません。

ちょっと暗い雰囲気だったのが「池袋幼稚園跡」と「ラブホ」界隈です。
現在のグローバルリングの南側の一角がそうです。
(ステージ裏です。現在の方が陽が当たらない分暗いかも)

そこを除けばとても明るい雰囲気でした。
(治安が良いとは言いませんが)
1970年代後半~80年代前半のバブル前。
丸井が西口の明るい雰囲気を演出していたと思います。
丸井新館(現在更地)が建って丸井西口店が「丸井ヤング館」になり、その後「丸井スポーツ館」になりました。
アメリカ西海岸の文化が入ってきて広まった時代だったと思います。
スケボー、サーフィン、ナイキのスニーカー、ビーチサンダルのゴムの匂い、コパトーンやムスクの甘い香りがふんわりと漂っていました。芳林堂書店の本の匂い、喫茶マイアミや蔵王のコーヒー・トースト・タバコの匂い。
西口公園に目を移せば陽当たりが良く広い空・・・
気分はウエストコーストです!

思い出補正は入ってると思いますけど、控え目に言っても明るかった!!
臭いという面で西口タクシー乗り場前はタバコのポイ捨てでかなり臭いがキツかったですね・・・特に雨の日。

バブル期、DCブランド(デザイナーズ&キャラクター)が流行って丸井が躍進しました。
池袋丸井本店が一番キラキラしていた時代だったと思います。
池袋西口は待ち合わせ場所が少なく狭いですから丸井前はちょっと広くて待ち合わせの定番でした。

・1977年(昭和52)丸井池袋本店オープン
・1990年(平成2)東京芸術劇場開館
・1992年(平成4)東武池袋本店 増改築完成

この頃まではバブルで東武、西武、丸井どこもイケイケで池袋のダークな部分は感じられません。
ちょっと西口から逸れますが、東口は西武セゾン文化のおかげでサンシャイン60オープン以降だんだんと開いた花が一気に開花した感がありました。

芸術劇場完成後、バブルがはじけて数年後からだんだん怪しい匂いがしてきます。
その怪しさがピークに達した頃に「IWGP」が出てきた印象です。
闇市から脱却して暗さを残しつつも明るい街に変化した池袋がまたもや闇落ちしてしまったような・・・
小説にされなくても時代背景とともに確かにそんな雰囲気は醸されていったかも。

そうそう最後にダークな池袋がちらっと出てくる小説です。
・飢餓海峡/水上勉
・青春の門/五木寛之

そのうち「デュラララ」にも触れないとなりませんね・・・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?