見出し画像

本職とはどんな仕事なのか

先日友人から研修依頼の打診をうけ、昨日その断りの連絡を受けた。打診されたのは私で、返事もしてないのに断られた(笑)おかしな話だよね。

断わりの理由を聞いてみたら…私と話した内容を会議で話してみたところ、これぐらいの研修なら自分達でやれそうな気がしてきた、だから自分達でやってみる、自社研修で頑張ってみると結論が出た、そういう訳でごめんとのことだった。

仕方ないか。
あの短時間で自社の課題を自分事として考えられるようになったのは、それだけですごい進歩だ。そりゃ、やれちゃう気にもなるよね。相談にのった甲斐はあった。
断られた私にも落ち度がある。友人関係の依頼はいろいろ面倒でなかなか仕事に結びつかない。相手方が友人だと仕事に結びつけるつもりがないからね。気をつけないといけないのに油断していた。
しかし、その中でちょっと引っ掛かっていることがある。

いや、ものすごーく引っ掛かっているから書いている。


おいおい
『これぐらいなら自分達でできそう』だと?
これぐらいならね、ふーん。

何で出来そうな気がするのか?
なぜやる気になったのか?
どうしてみんなの方向性が定まったのか?
今まで悩んでいたそれらが解決し始めたのか?

是非とも、じっくり考えてみて欲しい。

相談をするなかで、
盛り下がって諦めかけていた気持ちに寄り添い、
現在山積する問題の棚卸しを手伝い、
会社レベルに応じた研修の提案があったからでしょ。テコ入れしたら改善の余地がある希望が持てたからでしょ。

つまりさ、話を聞くだけで見てない会社の診断をする専門職が関わり、確かな未来が見えたからでしょ。その上で今の会社に効く言葉をあなたに伝えたからでしょ。たったそれだけで、意識を変えることのできる専門家の言葉を使ったからだよ。あなたは気づいていないと思うけど、研修はイベントじゃない。そもそもの根っこ部分に真摯に取り組み、芽を出させる最適なやり方を見いだす地道な作業が研修の始まり。「これぐらいなら出来そう」感覚でやり始めたら、結局辻褄が合わなくなるのがオチだ。

やる気だけでは、問題をつつくだけではどうしようもない事柄に、いかに取り組み、自分の言葉で語らせ、方法を探り、より良い状態への行動を促進.定着させるか。その方法の吟味を検証と共に重ねに重ね、熱意とともに伝えきる。それが研修講師の本職なのだ。
研修前後に受講者の明確な変化がなければ、ダメなのよ。
会社を組織を変える仕事だからさ、とりあえずみんなで頑張ろー!レベルじゃお金はもらえない。言葉を価値に変える、素晴らしくやりがいある仕事だ。

不思議なんだけど、お笑い芸人を見て腹を抱えて笑ってもお笑いをやりたい!と簡単には思わない。なのに、なぜに研修ならばできてしまうと思うのか。私には分からない。ナゾだ。

プロの自覚だけではどうしようもない世界だから、毎日感じ、考え、研鑽し続ける。こんな機会に改めて本職の尊さを知る私はまだまだ甘い。しかし、こういう出来事が私を更に成長させる。ね、ホントにすごい仕事。ああ、極めたい。

これが私の本職なんだなぁ。言ってる私が感動してる。

立ち止まり、凹むばかりの最近だけど
よーし、仕切り直して
次に行こう!つぎー!