見出し画像

こんなことってあるんだなぁと思った話

来月予定されているオンライン講座が申し込み人数多数のため、抽選して人数確定したと運営事務局から連絡がきた。100人定員に148人の申し込みって、このコロナ禍で私にしてみたらものすごいことだ。
思わず呟く。
「こんなことってあるんだなぁ。」

4年前、長野県松本市で研修を開催したときに、生まれて初めて参加者が1名の研修を経験した。名古屋からわざわざ真冬にこんな寒い場所まで来たのに、参加者1名だなんてあんまりだ。そのときにも「こんなことってあるんだなぁ」と呟いた。ぼんやりした敗北感を味わいつつ、やるしかないから必死でマンツーマンの研修をやりきった。
やり終わったときの正直な感想は、意外にもそんなにいつもと変わりないということ。自分でもびっくりしたのを覚えている。目の前のたった1人に語りかけ、伝えることにさほど変わりは無かったのだ。むしろ、渾身の力で向かい合える清々しさがあった。帰り道、凛々しい松本城にお礼を言いに行った。

翌日の長野市の研修は3名、前日の3倍の人数だ。なんとかペアワークもやれる!これなら予定通りに進行でき受講者さんにも満足してもらえる!と自信満々で仕事をした…そしたら、全然ダメダメだった。恥ずかしいくらい慢心したのだ。 
そのときも唖然としながら「こんなこともあるんだなぁ」と呟いた。そこで理解したのが、人数じゃないのよねということ。
帰り道に善光寺でお詣りし、受講者さんに謝りながら泣いた。

詰まるところ、大事な局面で自分が腹を括り、何にどう向き合い、どう表現していくかなのだ。場にいる人達と、どんな時間を共有するかが重要なんだから、参加者が1人でも100人でも心構えは変わる訳がない。

マンツーマンで学んだ一つに、「設定したゴールに向き合い過ぎない」ことがある。ゴールにたどり着くまでの他愛ない会話が、山頂までの豊かな裾野となり、勝手に学びを深めていくこともある。逆にゴールを意識し過ぎると無駄を省きすぎてしまい、途中途中で思いがけず出会える豊かな学びが足りなくなる。何事にも、過ぎたるは猶及ばざるが如しなんだな。マンツーマンの参加者は何気ない会話からの対話によって、ゴールのその先まで辿り着いた。そのときも、「こんなことってあるんだなぁ…」と思った。この経験からゴールは見据え過ぎない、ぼんやりと視界の中に意識する程度でやることも覚えた。

本当に痛い経験でも真摯に向き合えば、結果として学びの宝となることもある。見ないふり、感じないふりをしたくなることこそ、宝が埋まっているのかもしれない。私だからこそ経験できる事があるのなら、私はそこから学び取っていくしかないもんね。
看護師になって31年、教育や人材育成に関わって15年、母になって28年、まだまだこの先も
「こんなことってあるんだなぁ」
ってことが沢山あるんだろうな。
この先ビビりながらも、臆せず、粘り強く、ちょっと楽観的に仕事していけたら最高に幸せだ。
しかしながら、来月の100人研修はすごく怖い。
反面、新たな「こんなことあるんだなぁ」に出会えるのを楽しみにしてる私がいる(笑)