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ミュージシャンがSNSで動画を作るならジャンル別で揃えたいレンズ

先程本文を書き終えてこの冒頭書いているんですが。
今回の記事凄まじく長文なので、お時間ある時にゆっくりと読んでいただけたら幸いです。

改めましてこんにちはToshikiです。

今回のnoteはSNSに動画を投稿している音楽クリエイターに向けて
投稿する動画コンテンツのジャンル別におすすめしたいカメラレンズをまとめてみました。

各レンズメーカーがほぼ同じ系統の物を用意していますので
ご自身の持っているカメラ本体のマウントに合わせて選んでいただけると幸いです!

まだカメラも持っていない、これかガチな投稿を始めようと思っている方は以前書いたこちらのnoteを始めに読んでみてください。

今回のnoteではレンズの基礎知識などを最初に取り扱います。
超専門的な用語などはなるべく省き映像が専門外のミュージシャン達に向けて説明していきますが、なるべく知っておいて貰いたい事なので詳しく書いていくつもりです。
映像・写真専門の知識が既に豊富な方には少し説明が雑と思われる部分も多いのであらかじめご了承ください。

レンズのタイプと知っておきたい知識。

一言でレンズ選びと言っても種類が多すぎてどれを買ったら良いのかわかりません。
そもそもレンズってどう違うの?という部分なども有りますのでまずはレンズの種類から説明させて頂きます。

単焦点とズームレンズ。
上記の言葉はおそらくカメラ始めたばっかりの方でも聞いた事があると思います。
名前の通り単焦点は焦点距離が固定されている(ズームができない)レンズです。

ブランド名 焦点距離 F値の順で記載される事が多いです。

例: SIGMA 135mm F1.8

ズームレンズは焦点距離を動かす事ができる(ズームができる)レンズ

単焦点と同じくブランド名 焦点距離 F値の順で表記されますが今度は数字が増えます

例: SIGMA 24-70mm F2.8

焦点距離はレンズから内部のイメージセンサーまでの距離の事を指しています。
この距離はmmで表記されていて数値が小さいほど写る画角が広く、大きくなるほど写る画角が狭くなってきます。

もう既にわかりませんって人へ。
大丈夫です。
レンズに関しては実際に作品を見たり自分で撮っていかないと画角イメージが掴みづらく
数字だけでどんな感じの写真が撮れるかまではレンズを何本か触ってみないと把握できません。
レンズメーカーによって写真や動画の色味もどんどん変わってくるので
気に入ったブランドやレンズの焦点距離が見つかるまでは機材が増えたり入れ替えが行われます。

とりあえず覚えておきたいのは
数字が低いほど広く撮れて
数字が高いほど遠くが撮れる。

画角の種類は大体こんな感じ

超広角 12-24mm
広角 24-35mm
標準 35-70mm
望遠 70-200mm
超望遠 200-600mm

レンズを選ぶときは一度ブランドやスペックなどではなく最初に画角で考えると良いかもしれません。

自分は...
ワンルームの部屋でも広く見える動画を撮りたい。広い風景の写真を撮りたいから「まずは超広角(風景)/広角(家動画)レンズを買おう」
ライブの動画や写真を撮りたいから
「まずは標準でズームできるレンズを買おう」

超遠くにいる鳥や動物を撮りたいから「まずは望遠レンズを買おう」

と今は単発のシチュエーションだけで例を挙げました。

レンズの種類や特性がわかってくるといずれは「やってみたい撮り方が」が出てきます。
この考え方が身についているならどんなレンズを選んだらそれができるのか?などはある程度理解している段階です。

例として
「ライブ撮影でお客さんの間から被写体までを抜いて写真/動画を撮影したい。しかし客席サイドからステージまでは距離があるので、今持っている標準ズームレンズでは届かなく被写体が画角に上手く収まらず綺麗に撮れない。ここは標準ではなく望遠レンズを使おう。」

と、こんな感じ。

さて、ここからとても重要で少しややこしくなるお話が出ますので一旦休憩をとってください。(笑)

おかえりなさい。では次いってみましょう。

センサーサイズで画角が変わる。

上記でお話しした画角については全てセンサーサイズが「フルサイズのカメラ」を基準にお話しました。
おそらく入門向けにカメラを購入される方は予算的にも
「APS-C」
「マイクロフォーサーズ」を選ぶ人がメインになると思います。

以前書いたnoteからセンサーサイズについて一部引用します。

フルサイズ、APS-Cとは?
カメラの内部のイメージセンサーの大きさを表した呼び方です。
画角、ボケ感、暗所での撮影など様々な部分に関わって来ます。
スマホ→マイクロフォーサーズ(Lumix Olympusなど)→APSC(a6000シリーズ)→フルサイズ(α7シリーズ)主にこの順番です。

APS-Cのカメラにレンズを取り付けると、
レンズ記載の焦点距離 x1.6 で画角がクロップされる事を覚えておいてください。

100mmのレンズ x1.6 = APS-Cで写る画角160mm

その為、持っているカメラのセンサーサイズも理解してレンズを選ばないと
標準を買ったつもりなのに写りが望遠に近い画角になるなどややこしい事になってしまいます。

そしてレンズの記載、割と不親切な事が多いです。
APS-C用カメラ向けに作られたレンズを販売していても商品表記がフルサイズレンズと同じ場合が多い為
一旦ご自身で画角の計算をする必要があります。
APSCカメラ用レンズ50mmって商品に書いていても
実際映るのはx1.6にした画角80mm近くです。


マイクロフォーサーズ(Olympus OEMシリーズ, LUMIX GHシリーズ)はまたさらにセンサーサイズが小さくなるので今度はレンズ本体に記載されている
レンズの焦点距離を x2 にして計算します。

100mmのレンズ x 2 = マイクロフォーサーズで写る画角200mm

こういう計算を毎回レンズ選びでしたく無い人に
少し投げやりな解決ですが早めに「フルサイズを買ってしまう事をおすすめするパターンが多いです。」
しかし予算的問題がもちろん有るのでフルサイズがどうしても手に届かない人にお伝えしているのは「超慎重に実機をお店で試し画角確認を怠らないでください」。正直それしか言えません

レンズレンタルサービスを使う手も有ります。

お金はかかりますが自分の考えてるボディーとレンズを両方レンタルして
実際に撮ってみるなどの実験もできます。

余談ですがフルサイズミラーレス
Sony α7シリーズやCannon EOS Rなどは「フルサイズとAPSCを切り替えれるクロップモードが搭載されています。」
切り替えると画素数が半減してしまうので本物のAPS-Cに比べると画素数は劣ると言われますが、全然問題なく良く撮れるのでこの機能は自分も多く使っています。

光を取り込む量F値

レンズで最も重要になるのがこの光を取り込む量を数値化した「F値」になります。
またまた過去に書いた僕のnoteからこのF値について引用させて頂きます。

「F値はレンズに通る光の穴の大きさを数値化した物です。
少しややこしいですが
数値が低ければ低いほどより多くの光を取り入れて、
数値が高ければ高いほど光が少なく取り込まれます。

光が多く入るほど暗いところでの撮影が楽になったり、被写体のボケ感が強くなったり、シャッタースピードを上げることができます。」

カメラレンズキットを購入した人が一番最初に経験する

撮った絵が暗い
なぜかボケない

という現象。作者も経験があります。
原因は主にキットレンズに付属されているレンズのF値
付属されてるレンズは基本的に設定できる最低F値が高く、レンズに入る光の量が足りない為、ボケ辛いです。

またさらにズームレンズ付属が多く、
ズームレンズにはズームする事でF値が上がっていく物もあり、
ズームする事でどんどん暗くなる物が有ります。

照明が整った環境や自然光が強い環境(明るい環境)なら問題があまりありませんがそうで無い場合だと
暗くなった分=ISO感度を上げてしまうので素材がザラザラに
暗くなった分=シャッタースピードを下げて明るくして素材がブレブレに

なってしまう事があります。(もちろんバランスよく設定すれば解決できる事も多いです。)

また自分のnoteから引用。

F値はカメラ本体の操作で上げていくことはできます。
(F2.8からF16までに変更など)
しかし逆にレンズの数値より下に下げることはできません。
(F2.8からF1.4に変更はできない)
シネマチックな映像やボケ感がくっきりした絵を撮りたい場合F1.4-F2.8以内で収まるレンズを買っておくのがおすすめ。

ズームレンズでもF値が一定に固定されている物が販売されていてそれを僕らはそれを「F~~通し」と言います。
高いですがズームレンズを買うならこのF値が低い通しのレンズがおすすめです。

ボケ感について。

焦点距離の関係でレンズにはボカせる画角とボカせない(ボカしづらい画角)があります。

超広角/広角 ボケない・ボカしづらい
標準 ボケる
望遠/超望遠 凄いボケる(圧縮される)

チュートリアルやVlogなどで多く使われる広角レンズは
風景を広く撮れますが相当近づけるか凄く低いF値で撮影しないとボケ辛いです。

望遠レンズは特性上F値にあまり関係なくボケます。
大きな焦点距離を使い被写体を画角に引き付ける事でその間に映る物を全部を圧縮してボカすのが望遠レンズ最大の魅力。

プチ実験

人差し指を顔の超近くに持ってきてください。
おそらく人差し指にピントが合わず遠くに写っている背景にピントが合っていると思います。
次に人差し指をすこし離してみてください。どうでしょうか?
人差し指にピントが合うと背景がボケて見えます。
最後に腕を伸ばして遠くに離してください。指にピントが合うと背景のボケ感がさっきと比べて低くなったと思います。

こんな感じでレンズは人の目に近い特性を持っています。
焦点距離50mmのレンズは一般的な人間の目と近い画角とも言われていますので50mmのボケ感はだいたいこんな感じと思ってもらえば。


さて、前置きがかなり長くなってしまいました。
これから投稿コンテンツのジャンル別に選べるレンズの種類を書いていきます。

始める前に...

今回紹介するレンズのリンク例は全てSony Eのマウントのレンズになります。基本的にどのメーカーも今回紹介する画角やF値に近いもの&同じレンズを出していますので、
ご自身の持っているカメラのマウント、焦点距離を検索すると純正はもちろん。SIGMAやTamron, Tokinaなど様々なサードパーティブランドのレンズが出てきますので調べていただけると幸いです。
今回は純正と一緒に同じ画角を持っていればサードパーティのレンズも交えて紹介していきます。

投稿コンテンツ別オススメレンズ。

ビデオブロガー(Vlogger)

ズームレンズ 16-35mm + 24-70mm

単焦点: 20mm + 50mm

Vlogは背景を含めてストーリーを伝える事が多くなります。
なるべく顔と背景が広く写る広角とボカして撮りたいとき様に使える標準画角のレンズを持っておくと楽です。
APS-Cだとクロップしてしまうので撮影に工夫が必要になるので選ぶときは慎重に。

チュートリアル(トークメイン)動画

ズームレンズ:16-35mm又は24-70mm
単焦点:24mm、35mm

チュートリアル形式の動画もVloggerと同じように広く写せるレンズが便利です。あまり焦点距離が近すぎると顔だけで画角が狭くなってしまい圧迫感を生み視聴者のパーソナルエリアに踏み込んでしまう様な絵になってしまいます。
一定の距離を保ててトークをメインでする人には広角がオススメ。

奥行きのある部屋で撮影しているなら少しカメラを遠くにセッティングしてボカす事も視野に入れて見ましょう!

演奏系

演奏系(ギター、ベース)
ズームレンズ: 24-70mm

単焦点: 35mm又は50mm

演奏系は手元を多く写すので少し焦点距離をあげても良いと思います。個人的に背景がボカせる単焦点の方がオススメ。
シャープな絵でボケてくれるので映えます。
気をつけたいのが長い焦点距離のレンズでF値を低く設定しすぎるとボケすぎてしまいはっきりと手元などが映らない可能性。
設定はF2.8前後がオススメ。

演奏系 (ドラム、キーボード)
ズームレンズ: 16-35mm
単焦点: 20mm, 24mm

大型の楽器に分類されるドラムやキーボードはその大きさ故に数台のカメラが必要になります。
ドラマーがおそらく写したいのは
オーバーヘッド、足、全身
キーボーディストだと
オーバーヘッド、指、全身
最低でも3台必要です。とりあえず1台を置くなら画角の広い広角レンズがおすすめ。

ライブ撮影

ズームレンズ24-70mm + 70-200mm

単焦点 50mm + 135mm

ライブハウスはとにかく暗いです。その上被写体が常に動き続けるので写真の場合だとシャッタースピードを上げて行く必要があります。
箱の照明環境にもよりますが基本は暗いのでここはもう光が多く入る単焦点一択。F1.4 /1.8などめちゃくちゃ光が多く取り込めるレンズだけで攻めていきましょう。

機材レビュー/メンテナンス系

24−70mm + 単焦点マクロレンズ

マクロレンズは名前から勘違いされやすいですが決して超アップしか撮れない訳ではありません。
距離を離せば普通の写真も撮れて近づければ超アップにもできる。
顔を出しつつ、機材レビューや中の配線、ネジの種類などを超アップで撮りたい方にオススメ。24-70のズームレンズはトークに使ったりサムネイル撮影、Brollなどの幅広い所で使い分けるとナイス。

結局どれから買えば良いの・・・

めちゃくちゃレンズを紹介した為に結果どれから買った方が良いのかもうわからないと思います。

なのでここで総合的に考えてSNS動画制作で持っておくと便利な1本をお伝えします。

ズームレンズ 24-70mm F2.8

バランスを考えるとこの24-70mmから全てを始めるのが一番おすすめです。
広角から望遠ギリギリまでカバーしていて動画でも写真でも多く使われる画角は全部この1本で解決できます。そこから撮りたい物が増えてきたタイミングでレンズを買っていくのがおすすめ!

Sony APS-Cユーザーの場合こちら!
Sony G 16-55mm (24-82.5mm) F2.8
*APS-C専用レンズ

お値段が純正で有る事もあり高いですが焦点距離とF値がフルサイズとほぼ同じ物になります。というか少し遠くまで撮れるのがフルサイズユーザーも羨ましい。

今回は自分がユーザーという事もあり全てSonyのレンズで紹介しましたが今回紹介したレンズの画角はどのブランドも基本的には出している画角です。
若干種類が多かったりF値が違ったりしますが基本は全て同じ。
サードパーティ製のレンズも中には純正を超える画質を持った物が有りますのでリサーチは怠らず!

レンズを買うときは価格comで相場などを調べたり

予算的に難しくても状態が良い中古品は多く有りますので
実店舗などに足を運んでみましょう!(不要不急の外出になりますので今は控えてね。)

思った以上に今回は長くなってしまいました。
最後まで読んでくれてありがとうございます。




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