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ランボルギーニに憧れて

人生で2つ目のプラモデルはおそらくコイツだった。
FUJIMI 1/24 ランボルギーニ ムルシエラゴ 40周年アニバーサリーモデル
メタリックブルーのボディが特徴的だ。

メーカー完成見本

このキットは誕生日プレゼントとして祖母が買ってくれたものだった。ただ、購入が誕生日より早かったため、その日になるまでランナーの袋を開けないと決め、ソファーの下から取り出しては箱を開け、中身を見つめるような日々が1ヶ月ほど続いた。早くもランナー酒の才能を開花していたと言えるだろう。

その日は来た。
子供というのは誠に無敵である。計画などは無いに等しい。
作り始めてとあることに気づいた。色が、塗られていない…
ランナーを眺めていた日々のおかげでボディが未塗装であることは知っていた。だがカーモデルはマフラーのメッキパーツや内装の黒などが、ある程度は色分けされている。私はカーモデルはボディだけ塗装すればいいと勘違いをしていた。当然だ、これまで見てきたのは彩色済みの戦闘機と素組でほぼ完全な色分けが再現されているシャア専用ズゴックだったのだから。

そして私は2つ目のプラモデルにして塗装に挑戦することになった。
買ったのは3つ
・タミヤ缶スプレー メタリックブルー
・水性塗料ブラック
・筆
完全な塗装は大変であるため、外見に大きく影響するボディ色と窓枠、エンジンルーフのみに絞ったのだ。我ながら賢い選択である。

塗装ブースなど持ってはいなかった。庭先で適当に吹いたと記憶している。
環境配慮に欠けていた。周辺を塗料で汚してしまったのだ(これも父だが)。
そんなこともあって缶スプレーの塗装を僕にやらせてくれなかった。
ただその事は今も納得していない。父が塗装したメタリックブルーのボディはムラだらけだった。確かに私が塗装していたのならその程度の失敗では済まなかったのかもしれない。だがしかし、人の失敗と自分の失敗ではその意味は大きく異なる。だから、その後は自分でやることに固執した。
それは結果的に色々な体験をすることで早期上達につながった。
筆での黒部分の塗装、デカール張りなどは全て自分で行った。
ただただ楽しかった。
タミヤセメントで接着したクリアパーツは白く曇り酷い仕上がりだった。
つい最近まで完成品を手元に持っていたので鮮明に覚えている。
それでも完成の喜びは、はじめに作った飛行機プラモデルの比ではなかった。よりも多くの時間とお金と労力をかけたのだから。

模型という趣味はどれだけ頑張ったかが、ストレートに帰ってくるものだ。
上達しないということはあり得ない。頭で考えて工夫し、作業して、失敗し、再挑戦、成功してというサイクルが自然と発生する。私は運動が苦手だった。考えても体がついてこなかったからだ。勿論運動ももっと理論的に深く理解すれば上達しただろう。ただ、フィードバックが早い模型に私は惹かれたのだ。

第一章 第二節 ランボルギーニに憧れて
次回は「爆走ミニ四駆」をお届けします


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