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vol.7 出来の悪い娘の在宅介護 【ALS(筋萎縮性側索硬化症)】

家で暮らす

2016年11月に入り、胃ろう増設の手術を受け、自宅に戻る。隣に弟家族がいる母の家に私が移り住み、協力しながら母を介護することになりました。上の写真にもあるように、私の娘(次女)も時々、来ては栄養の注入をしたり、足を動かしてリハビリをしたり、涙が出るほど笑わせて帰るという、「家で暮らす」ことのスタートとしては、なかなかいい環境です。

①さて、家で暮らすために準備したものは?


退院を早めたものの、そもそも退院して自宅で暮らすことは決まっていたので、入院中にしていたことを紹介します。

②まずはケアマネさん(介護支援専門員)に相談!

まずは、入院中に介護認定の申請をして認定調査を受けます。その後、介護度4という結果になり、自宅に戻る前にレンタルした福祉用具はベッドです。胃ろうの注入時は食事と同じで上体を起こせるよう背上げできるベッドが必要になります。

背上げの角度が低いですが、全て本人の指示です!上げすぎると体が痛いそうです。教科書通りにはならないのが在宅介護(孫による栄養注入)

③そして訪問看護・訪問リハビリ

それから、ALSは国の指定難病(特定疾患)に指定されているため、診断名がついてすぐに保険所に行き、特定医療費(指定難病)受給者証を申請していました。その特定医療費の助成があるので、必要な訪問看護、訪問リハビリが受けられる体制をケアマネさんと入院中に作りました。頭が回ってないので本当に助かります!涙が出ます。

④退院して購入した物

杖は購入していたので、あとはお風呂場の椅子と滑り止めマットを購入しました。直接肌が触れちゃうのでこちらは購入になります。胃ろうでと栄養注入のために、点滴棒も購入。福祉用具購入費が支給されるので助かります!

⑤住宅改修の手配

移動する所(お風呂場の中も)に手すりをつけました。業者さんとケアマネさんが本人の意向と体に合わせて、テキパキと場所を考えてくれます。経験豊富が成せる技!
そして、こちらも上限はあるけど、一部改修費が支給されます。ああ〜有り難い!

⑥引き続き、訪問診療

気持ちのいいくらいサバサバで心のあったかい女性ベテラン医師(かなり有名人)といつも丁寧に笑顔でとことん説明したり話を聴いてくれる男性医師が交代で月2回来てくださることになりました。心強い!


⑦本人が用意したもの

最期の着物。いいものは私たちに残しておきたいからと、選んだのがこの着物。帯は私が形を作り、これでいいかと聞きました。
外出するときは、いつでも誰よりも早く準備していた母ですが、「早くないかい?」に「体が動くうちに」らしい。


⑧そして遺書

長時間座ることがつらい時期なのに、今しないと出来ないと言わんばかりに、動きにくい手で、変換ミスもありながら書き残しました!

書いたものが遺書とは知らずにいた私は、しばらく「しんどい」と泣きながら寝込む母に、「そんなに一気に書くからだらだよー」なんて言ったけど、あれは「しんどい」より、家族みんなに別れの言葉を書いてつらかったんだね。つらくて泣いていたんだね。ごめんね、わかってなくて。
「家で暮らす」ことを考えるのは、「家で死にゆく」ことも考えることなんだね。

そんな感じで「家で暮らす」ことのスタートは、母らしく始まりました。



vol8  体が動かないということ

#ALS  #介護 #遺書 #家で暮らす

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