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夏はベルビア冬はエテルナ

タイトルに関して、わかる人はわかる、わからない人にとっては何のこっちゃといった内容だろう。
今回は富士フイルムのカメラを使うようになってから思うようになった事を綴っていく。

ベルビアとエテルナというのは富士フイルムから発売されていたリバーサルフィルムと映画用フィルムの名前である。
フィルムにも実はいろいろ種類があって、そろぞれに名前が付いている。

プロヴィア、アスティア、ベルビア、スペリア、アクロス、エテルナ…

そしてそれぞれで色の乗り方などが違う為、フィルム時代のカメラマンは撮影にあたってどのフィルムにするかというのを選ぶ、というのが普通だったらしい。そしてそのフィルムの発色や階調性などをシュミレートしてデジタルに落としこんだのが、富士フイルムのデジタルカメラに搭載されているフィルムシュミレーションという機能。
カメラの設定一つで、昔ながらの富士フイルム製フィルムを自由に選択出来る!という優れたものだ。

ベルビアは数あるフィルムの中でも特に色彩が豊かで鮮明に写る。
フジは緑の表現が綺麗と言われるが、その中でも特にベルビアは植物を青々と表現出来る。エテルナは映画用のフィルムらしく、階調は滑らかで落ち着いた発色となる。コントラストが低く少しシアンよりのカラーになるイメージ。

ご存知の通り、私は普段モノクロで写真を撮る。
カメラを手に持っている時はモノクロモードで景色を見ているが、勿論それでも色彩は感じている。そんな中ある時から「あぁ今日の景色はベルビアだな」「今日はエテルナだな」という事を考えながら景色を見るようになった。そしてそれらは夏の時期にベルビアだなと思うことが多く、冬の時期はエテルナだなと思うことが多い。

何でそう思うのかを考えたら、おそらく日光の強さによるコントラストと、そもそもの景色に緑が多いかどうかだという事だろう。

夏は緑が最も青々としている時だし、日射しが強い分コントラストが高い。
だから夏に公園などを歩いてると今日はベルビアだなと思うし、冬は日射しが弱くコントラストが低くなるのと、落ち着いて澄んだ空気感がそう思わせるのだろう。

何を言ってるのかわからないかもしれないが、イメージとしては自分の脳がカメラのセンサーになった感じ。だから最近はベルビアだ、エテルナだ、と思って尚且つそれがとても良い景色だったらカラーで撮るようにしている。

そうやって景色を見ていると、色彩が美しい景色に出会ったときに「ちゃんとハッと出来る」ようになったのが嬉しい。

この世界は綺麗な色で溢れていて、それを残すことが出来る写真というのは、やはり素敵だ。



Velvia ベルビア
Eterna エテルナ


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