ブラックジャックを観る

ブラックジャックは低迷していた手塚治虫が復活したとされる闇医者を主人公としたマンガですが、連載50周年を記念して高橋一生主演でスペシャルドラマとして放映されました。
高橋一生は倖田露伴を演じたり、なんか過剰なマンガキャラ役に最近ハマっている感じがしますね。
ブラックジャックも何度か映像化さら実写化も何度かされています。私は観ていませんが、たしか加山雄三がブラックジャックをやっていましたよね。
今回はドクターキリコが女性にされていた以外は、かなり原作に合わせようとしていたように思います。キリコがキリ子みたいにスタッフがキャスティングのときに勘違いして、というワケでもないでしょう。やはりブラックジャックも70年代のまさに男社会の時期に作られた作品だけあって主要の登場人物に男性が多いためにバランスを取って、女性に変えたのかもしれません。今回の作品を観る限りでは性別を変えたところで大きな問題はありませんし、ダイバーシティを意識したキャスティングとしては悪くないのではなかったと思います。
獅子面病の話はルッキズム的には旦那さんの意見など,今のルッキズムが非難される世の中で,顔が好き,という主張はなかなかズバリ言い切っていてある種爽快なものを感じました。
まあ、顔が醜くなる獅子面病だからこその、あえての対比なのだとも思いますが、その考え自体を誰も批判していなかったのも、ある意味,面白いと思いました。
いろいろモラル等の問題はありますが、その時代に認められた作品というのはその時代の背景があってこそ成り立つものもたくさんあると思います。今の時代の価値観に合わなくなったからと言ってその作品の世界観を否定していいというものではないと思います。現代版に変えるなら、言葉尻や表面上のことだけでなく、いろいろな状況も理解した上で、リメイクしてもらいたいものです。
その意味では今回の映像化はなかなかだったのではないでしょうか。

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