テルマ&ルイーズを観る

テルマ&ルイーズはリドリースコットを代表する傑作ロードムービーですが、その4kレストア版が劇場公開されたので、観に行きました。
レストアなので別に何か物語が変わったわけではないですが、やはり大きいスクリーンで見たいので、D V Dも持っているのに、観に行きました。
リドリースコットは好きな監督なのですが、エイリアン、ブレードランナーと並んで好きな作品です。
この作品を語るに際し、女性解放的な話題がでます。もちろん、その文脈で語られるべき映画だとも思うのですが、この作品の魅力として忘れてはならないのが、やはりリドリースコット特有のスタイリッシュな映像と、テルマとルイーズの乗る愛車サンダーバードのカッコ良さなのではないでしょうか。
サンダーバードに乗って旅する中、だんだんカッコよくなっていくルイーズは、この作品の最大の魅力のような気がします。
サンダーバードの持ち主、テルマは基本的には最初から自分の意志を持って、カッコいい女性として描かれていますが、ルイーズは高校時代からの付き合いの夫に虐げられ、自分の意見もまともに言えないダメ専業主婦。それがテルマとの旅を通して、自分を解放していき、だんだんとカッコよくなっていくのです。
その成長を促すステージに連れて行く乗り物がサンダーバードなのです。
ルイーズの家の前に登場したシーンからラストのグランドキャニオンのような谷からダイブするシーンまで、サンダーバードが2人の女性をカッコよく演出しています。これがピックアップトラックだったりジープだったりすると、物語の印象も随分と変わってくると思います。
エイリアンのギーガーにしてもブレードランナーのシドミードにしても、アートで作品を傑作たらしめているところがリドリースコットにはあると思うのですが、テルマ&ルイーズではサンダーバードこそがその世界観を決定付けていると思います。あとはグランドキャニオンのような風景。その世界観だけでも、必見です。

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