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「一着はいいのが欲しいので」という理由。そして接客時間は平均1時間半。

新しくオープンする小売店の悩みは、いかにして新規のお客様にご来店頂くかという事につきると思うのですが、テーラーでお客様とお話しする中から、沢山のヒントを頂きますが、その中から何気ない会話から見えたマーケティングの革新ともいえる一言をご紹介致します。
題名の「一着はいいのが欲しいので」という一言から、スーツを着る機会が減ったとしても、それがゼロにならない限り、いい商品ならば、買ってもらえるという、一番分かりやすい答えではないかと感じます。
接客時間に1時間半のゆとりを持ち、FIVEONEのいいところや、商品、コーディネート、豆知識など織りまぜて会話することもテーラーならではの時間でわないかと考えています。

テーラーというのは、イギリスのロンドンにあるサビルロウ(通りの名称で数十のテーラーが軒を連ねる)で誕生したスーツを誂える店の事ですが、十年ほど前に、私がサビルロウのハンツマンといテーラーを訪問した時に、チーフカッターの男性から言われた一言で、「この仕事は無くなると言われて150年続いている、お客様はいつの時代も手間隙がかかる仕事の価値にお金を払ってくれるから、私達はあえて手仕事にこだわるんです」という会話を思い出した。
FIVEONEは、1964年から職人の技術力を脈々と受け継ぎ、効率的な接着芯を使用した縫製とは一線を画してきた。簡単なことではなく、職人に変わりがきかないので常にお客様から仕事を頂かないと成り立たない。
この最近10年間にオーダスーツの新ブランドが新店をかなり増やしたが、オーダースーツ職人や国内縫製の工場が新規に増えた話は聞いた事がない!
不本意なことに、ファイブワンの工場がある大阪府枚方市の既製服団地内には、1964年開業から最盛期に46工場が軒を連ねたが、今では跡形なく広大な敷地の入り口あたりに、ファイブワン含めて国内の物作りにこだわる数社が事業者を継続しているが、敷地の大半は、ネットショップのメガ倉庫に変貌してしまった。
皮肉にもそこには、沢山の海外生産された商品が保管され大量消費されている。その隣に国内工場が唯一数軒生き残っている。
その数社は、スーツ好きなら知っている会社なので、ファイブワンのルーツを是非検索してみて下さい。

https://www.os-kindaika.jp/company/company15/

「一着はいいのが欲しいので」
これを追求していく事で、テーラーは今後も生き延びる職業になる事は間違いなく、サビルロウから学んだ事だ、
悲願ばかりはしていない。
今、テーラー業界なら誰もが考えている新しいビジネスチャンスがある。
レディースのオーダーメイド。

FIVEONE for Women’s 南青山店が東京都港区南青山4-18-21にオープンする
2021.12.22 プレオープン
2022/1/7 グランドオープン

https://www.fiveone-m.com/ladies/

ファイブワンは、私達と一緒にハンドメイド主体のレディーススーツを広めて頂ける販売店を募集する予定です。現在準備中。新しくオープンするFIVEONE南青山店は、完全予約性のショールームとして、私達の試験店でもあります。
既存店は、現在週5日営業で運営しており、社員の定着も進んでおり、今後の働き方を考えた、消費と生産にも配慮する店舗開発をしていきたいと考えています。
消費方の社会から持続可能な社会にと変化するためにも、少しスローなテーラーとして、地域一番店を目指していきたいと思います。

FIVEONE for Women’s 南青山店のオープンまでのいきさつを次回に更新予定です。

そして、ピスポークについて少し深掘りするノートも作成予定です。巷にてピスポークたる名称を使うオーダースーツ店が増えていますが、(笑)私が香港でテーラーをしていて、同じフロアに10数軒ピスポークテーラーがあるので、海外のピスポークとは何かを書きたいと思います!、その為に、私がいま試しに注文してますので、お楽しみに。

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