もし自分が「銀座ルノアールのCMO」だったら?/#7マーケティングトレース
今回は11月2日(土)の9:00@恵比寿にて開催されたマーケティングタウン×マーケティングトレースのイベントに参加し、その時のお題としてあがった「銀座ルノアール」をテーマにマーケティングトレースします。
※参加したイベント詳細は以下
イベントレポートを書こうと思いましたが、既に詳細に書かれている人がいたので、「じゃあ、いっか笑」とお題をやることにしました。
(いや書くかもw)
まず、そもそもマーケティングトレースとは?については以下リンクをご参照ください。
お題の内容は?
もしあなたが銀座ルノアールのCMOだったら2021年3月期にどのようなマーケティング戦略を考え・実行しますか?
「営業利益」を最大化するための具体的な打ち手を考えてください!
というもの。上記お題を考えるにあたって、以下ポイントを押さえながら考えてみようと思います。
・自分だったら、コアターゲットを誰にするか?
・自分だったらマーケティングミックスの何を工夫するか?
・競合との差別化要素は何か?
・その打ち手にいくら投資するか?
・収益インパクトはどれくらい出せるか?
会社概要:銀座ルノアールについて
会社名:株式会社銀座ルノアール
所在地:東京都中野区中央4丁目60番3号 銀座ルノアールビル
設立 :1964年10月
資本金:7億7千万
事業 :飲食店の経営
フランチャイズチェーン店の経営及び技術指導
前各号に付帯する一切の業務
今回のお題に通じる中期経営目標。20/3月期には売上100億を目指すというもの。業績自体は順調の様です。
決算資料を見るまで知らなかったのですが、銀座ルノアールは6業態の店舗を展開している。
業態別の店舗、業績推移は以下の通り。
店舗増減による収益の増減はあるものの、同じ店舗数で業績を伸ばしているのが「喫茶室ルノアール」の様です。
次に各業態の特徴をマッピングしてみます。
分け方の切り口は色々あると思いますが、銀座ルノアールのコンセプトとして共通しているのが「くつろぎのひとときと、おもてなし」なので、各業態共通して打ち出している。
業態ごとのターゲット(年齢層や、ユースケース)に応じてメニューバリエーションが異なっているため、マッピングして整理。
(こうゆう整理の方がいいんじゃない?みたいなのがあればご意見を)
競合他社を知る
今回のお題で設定されていたのがスターバックスとドトール。
2社と比較した時のルノアールの違いについてまとめる。
(既にまとまっている資料から抜粋)
ルノアールの業界内ポジションとしては、
・無理に店舗数を増やさない
・特定のニーズを持った顧客に高品質のサービスを提供
STP分析:ルノアールのターゲット顧客を知る
ルノアールは、誰をターゲットにしてどんなポジショニングを狙っているのか整理。
ターゲット
・ゆっくり過ごしたい
・リピート傾向あり
・目的を持って店舗来訪する
特性を持ったユーザーがターゲット
ポジショニング
競合他社と比較し、目的※を持った人に滞在時間を気にせず利用できるイメージ想起を狙っている。
※打ち合わせ、サテライトオフィス的な利用など。
4P分析:マーケティングミクスで全体像整理
続いてマーケティングミクス
Product:商品
・コーヒー、フード
※以下3点がルノアールの特徴的なProduct(サービス)
・空間(長期滞在OK)
・WiFi 3時間無料利用可
・貸し会議室もあり
Price:価格
・コーヒー1杯570円
Place:売場(店舗)
・駅近に集中出店
Promotion:広告
・広告は打たない
マーケティング"タウン"トレース:各社の出店状況を把握
マーケティング"タウン"トレースで用いた絵を使って、各店舗の状況(誰に対してどの価格帯でサービス提供しているか)を理解しやすくするために整理。
※以下資料補足事項※
イベント時のスライドに補足説明として記載しましたが
・☆1~3は保有商品の価格帯
を表現しており、☆3>☆2>☆1の順に安くなっている。
・¥16,18,40は販売価格
なので、ルノアールが一番高い商品を販売している。
・記号A~Eは顧客属性
を表しており、A>B>C>D>Eの順にAが一番高い商品を購入する属性を指しています。
ここまでのまとめ
一旦ここまでの情報を簡単にまとめてみると、
・目的を持ち長く滞在したいユーザーをターゲットにポジショニング。
・価格帯は高いが、コーヒーではなく"空間"を提供している。
・駅近に出店し広告は出さない戦略。
・女性客やファミリー層も取込む為に、メニュー改良や業態別店舗を出店。
となります。
一旦セミナーの内容を中心にまとめてみましたが、お題の「営業利益最大化」を目指すためには、何が必要なのかを考えます。営業利益に影響を与える指標をブレイクダウンすると、ポイントはこんなところでしょうか。
自分がCMOだったら?
もしあなたが銀座ルノアールのCMOだったら2021年3月期にどのようなマーケティング戦略を考え・実行しますか?「営業利益」を最大化するための具体的な打ち手を考えよ。
まずは、セミナーの時に考えていた新業態店舗を設立する、について考察します。
自分だったら、コアターゲットを誰にするか?
ターゲット :エグゼクティブ層
ポジショニング:滞在時間長い×目的来店(エグゼクティブ層のみ入店可能)
自分だったらマーケティングミックスの何を工夫するか?
以下2つを工夫する。
Price(価格):2,000円
Place(店舗):エグゼクティブ限定店舗
顧客にとってのベネフィットは、異業種含めたエグゼクティブ層との交流や、打ち合わせ、商談が可能なクローズドな環境。
競合との差別化要素は何か?
・会員制によるクローズドな環境
・新しい人脈交流の場の提供
その打ち手にいくら投資するか?
マーケティング”タウン”トレース的に考えます。
エグゼクティブは電車で移動することはないと想定し、車で行きやすければ地代が安い「★マーク」への出店(ユーザーはAランク)で問題ないとする。
収益インパクトはどれくらい出せるか?
では、設定したターゲットに対し、提供する価格と仕入れ、賃料を考慮して計算してみる。
やることは、市場調査、出店(賃貸)、商品仕入れ、販売のみとし、その他販管費は考慮しません。
超楽観な数字が出ました笑
店舗
新橋で100㎡ 賃料が70万~250万と場所により大きく異なっていたので多めに見て200万と設定。
仕入れ
仕入れ値は既存店舗業態と同じとして、1杯あたり200円位に設定。
(完全アテです)
数
これは、回転率から算出。
100㎡に対して座席数50。1人あたり3時間滞在とした場合MAX回転率は5。
そんなに満席になることは考えにくいため、回転率は3で設定。
1日の来店客数が150人となるため、仕入れ/販売共に共通して30日分かけ合わせた数字で合計値を出しています。
収益
年間収益は5,800万!
なんとポジティブな数字なのでしょうか笑
こんなに収益が出ることは考えにくいですが、要因としては販売単価ですね。仕入れ値を同じとして販売価格は2,000円としても、ホテルのラウンジで飲むコーヒーと同じくらいの価格帯でも問題ないとした場合だとコレくらいのインパクトが出る。
まとめ
競合とは別のポジション且つ、今のブランドポジショニングを更に尖らせる形でエグゼクティブ層を狙った専用カフェを作ることを今回は考えてみました。
客数を増やすことよりも客単価を上げる方が、今のルノアールの経営スタイルにあっていると思う。
今回イベントに参加して、数字周りについても考えることの大事さを痛感したのでやってみましたが、ものすごい甘い考察に落ちてしまったので、財務感覚も磨いていけるようにしていきたい。
やることいっぱいだー笑
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