もし自分が「マツモトキヨシのCMO」だったら?/#12 マーケティングトレース
急遽、Advent Calendarの2回目(12月17日担当)にエントリーすることにしました笑
今回の #マーケティングトレースのお題はマツモトキヨシに決定。選んだ理由はすごくシンプルで近くにあるから。今回からはできるだけ文章量が長くならないように要点をまとめていきます!
今回はマーケティングトレースのお題を明確にしておきます。
マーケティングトレースのお題
もし自分がCMOだったらデジタル会員を伸ばすために、どんな戦略を立て実行するか?
お題設定の背景は、マツキヨの現状としてカード会員がデジタル会員にシフトすると購買金額が約110%増えるデータがあるため、売上最大化に向けた取り組みとして設定。
それでは早速マーケティングトレースしていきます。
会社概要:マツモトキヨシについて知る
会社名 :株式会社マツモトキヨシホールディングス
所在地 :千葉県松戸市新松戸
会社設立:2007年10月1日
資本金 :220億
事業内容:子会社の管理・統轄及び商品の仕入れ、販売
代表 :松本 南海雄
マツモトキヨシHD:グループ会社一覧
業績推移
順調に伸びている様です!
で、お題のデジタル会員に関わる「顧客接点」の状況について。
総数自体は順調に伸びていますね。とはいえ全体の半分近くはカード会員なので、このカード会員をどれだけデジタル会員へとシフト出来るかが鍵です。※マツキヨ決算説明会資料
デジタル会員の定義にもよりますが、WebとApp合わせてもアプリDL数に対してデジタル会員数が約1/3程度なのが気になります。
PEST分析:外部環境を分析する
SWOT分析:事業の現状を分析する
5F分析:業界内競争を整理する
3C分析:市場機会を発見するために整理する
競合他社を知る
コスモス薬品について調査
一般食料品の販売比率が半分近くあるのが意外だったので、価格の安さが魅力的なのか?と思い商品価格の違いについて比較してみた。
ECサイト上で共通して販売されている商品をランダムでピックアップした結果、コスモス薬品の方がわずかに安い結果となっている。食料品カテゴリにおいてはケース販売の例だと約700円価格差が生じているのは大きい。
ECサイト上での判断だと、コスモス薬品の方が全体的に品揃えが少ない傾向。また、ケース販売のみの対応など安く提供する代わりにまとめ買いを促していると考えられる。
なぜこんなに安いのか?の理由は企業戦略にあった。
売上高比較だとコスモス薬品の方が高い一方で、営業利益率で見ると
・マツモトキヨシHD:5.9%
・コスモス薬品 :3.9%
とコスモス薬品の方が低い結果となっている。
マツキヨの決算説明資料を見ると、カテゴリ別で見た売上総利益率では食品カテゴリは低い。
コスモス薬品は価格戦略に振り切っていることもあり、数量を伸ばして売上を伸ばしていると言えそう。その様な状況も踏まえてマツモトキヨシHDのSTP分析をしてみようと思う。
STP分析:ターゲットとポジショニングの整理
マツモトキヨシは、都市型店舗では、女子高生、女子大生、OLをターゲットに薬品、化粧品、健康食品、ダイエット商品、体脂肪計や血圧計などのヘルスケア用品、ヘルス&ビューティー関連の商品を中心に置いている。
一方郊外型店舗では、同様にヘルス&ビューティーに関する商品や、日用雑貨、お菓子や食料品なども販売することで、コンビニやスーパーと同等の役割を担っています。
都市型か郊外型かによって、競合他社が異なってくるためポジショニングも異なる。しかし価格×品揃えだけではポジショニングとしては弱い。
マツモトキヨシの経営戦略を見てみると。。。
と掲げているため、先ほど競合他社として見ていたコスモス薬品の様な一般食料品で価格と品揃えで勝負することは頭にない。
そうると、ポジショニングマップとしては都市型店舗の方で再度見直す必要がある。
マツモトキヨシの強みであるブランド認知以外だと、独立型プライベート商品展開、ヘルス&ビューティー特化型店舗などの新業態店舗展開である。また、これまで売上を伸ばしてきた背景にあるのがデータを活用したOne to Oneマーケティングなので、ポジショニングマップは変わってくる。
4P分析:マーケティングミクスで全体像整理
もし自分がマツモトキヨシのCMOだったら?
お題に立ち返ると
もし自分がCMOだったらデジタル会員を伸ばすために、どんな戦略を立て実行するか?
である。要は業界4位のポジションからどのようにして売上を伸ばし、業界1位のポジションを狙うか。そのためには何の施策を立案し実行するかだが、今回はデジタル会員を増やすことにフォーカスしたい。
打ち手の方向性としては2つ
①Appの会員登録導線の改善(UX改善)
②美容&健康サービスの拡大
①Appの会員登録導線の改善(UX改善)
デジタル会員を増やすために、Appの会員登録数を増やす必要がある。
その理由として、Appはもはやユーザーにとって身近な存在であるため、今後のデジタル会員獲得には欠かせないプラットフォームだからだ。
App会員数を増やすための打ち手として「UX改善」に着手。理由は以下の通り。
AppをDLしてもUXが悪いと会員登録前に離脱するため、会員登録の機会損失が発生している状況。App DLを促すキャンペーンや広告を行っても会員登録への転換率が低いままでは穴の開いたバケツに水を注いでいる様なもの。。
また、レビューが低いままだとApp DL率にも影響するため、土台を固めるためにもUX改善が急務と考える。
②美容&健康サービスの拡大
「美と健康の事業分野で売上高1兆円を目指す」とある通り、この分野に特化した新業態店舗の「matsukiyo LAB」のサービス拡充を行う。
matsukiyo LABはカウンセリング内容を元に、サプリやケア商品を販売している。このサービス内容を拡充させることで会員登録のきっかけを作りたい。
サービス拡充案①
「カウンセラーにFincのパーソナルトレーナーを常駐させる。」
Fincである理由は、女性専門のパーソナルジムであるため。女性顧客がメインのマツモトキヨシの現状を考えると、女性をターゲットにした方が良い。
また、パーソナルトレーナー常駐案の理由は、一般消費者が美容、健康のために意識していることとして「食生活」が30%、「ウォーキングなど軽い運動」「体操・ストレッチ」など運動に関する割合が20%台と比較的高いため。※男性は運動改善が最も多い。
サービス拡充案②
①に付随するが、
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「Fincのオンライン食事指導(980円/月)をmatsukiyo LABで提案する。」
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正しい食事習慣を身につけるためにもFincのパーソナルサービスが必要なことを訴求する。
(勿論Fincにも登録が必要となるが、ここは会員登録を共通化させるなど手間を省くための模索が必要。。。)
マツキヨとしてはデジタル会員獲得が目的なので、ここではお金は取らない。その代わりFinc側でもマツキヨのサプリなども提案/提供できる様にしておく。
デジタル会員になっておけば、
・Line経由でパーソナライズされたレコメンド商品の提案(サプリなど)
・Lineでオンライン指導を受けることができる
などメリットをここで伝える。
目指したい世界観はOne to Oneマーケティングの進化。
CMOとして実行する施策のまとめ
・App会員転換率改善のため、UX設計の見直しを行う。
・matsukiyo LABのサービス拡充を行う
-カウンセラーにFincパーソナルトレーナー常駐
-Finc会員データとデータ結合してOne to Oneマーケティングの進化
個人的には、この流れ意外とあるんじゃないかと思ってます。
今回は以上です!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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