見出し画像

加山雄三ラストショー〜永遠の若大将

1970年に小学生となったぼくは、その頃から少し前の1960年代の文化風俗に憧れていました。植木等さんとクレージー映画、円谷英二特技監督による東宝特撮映画、加山雄三さんの若大将シリーズ、ボスになる前のかっこいい裕次郎さん、マイトガイ・アキラ… 彼らの映画がテレビの邦画劇場で放映されるとカセットで録音。繰り返し、耳で映画を追体験していました。

そのテープから主題歌、挿入歌をあつめてサントラテープを作っていました。後年、マイトガイトラックス、吉永小百合映画歌謡曲集、石原裕次郎日活映画主題歌集、クレイジームービースなどのCDを企画、制作する土壌は、この頃培われた「全部聴きたい!」想いあればこそ。

1995年、加山雄三さん35周年のとき、NHK FMで「特撰映画音楽百年」という番組のパーソナリティをつとめることになりました。ゲストには、宝田明さん、高島忠夫さん、加山雄三さんたちをお願いしました。すると加山さんは、あっさりOKしてくれて、念願の共演が実現したのです。


1995年8月 NHK FM 特選映画音楽百年

その頃、ぼくは盟友・鈴木啓之さん、テレビプロデューサーの大野勝彦さん、河崎実監督、東宝事業部の石井信彦さん、毎日新聞社(当時)の青木利浩さんさんたち、業界の仲間と「若大将サポーターズクラブ」として、加山さんの活動を応援していました。

ちょうど、ファンハウスで加山雄三さんの担当ディレクターだった佐久間雅一さんに「若大将シリーズ」の主題歌、挿入歌を集めたCD「若大将トラックス」を企画提案、なんとすぐにリリースが決定、さらに僕らでセレクトする2枚組のベストアルバム「加山雄三 THE GREATEST HIT’S」の依頼まで!

「若大将トラックス」は井上誠さんに相談して、具体的な制作をお手伝い頂くことに。その時、井上誠さんから「夢が叶いましたね」とファックスを頂いたことは、生涯忘れられません。ありがとうございます。

それから角川書店から「若大将グラフィティ」(1995年12月)を刊行し、近代映画社「永遠の若大将」(同年)では加山雄三ヒストリーを執筆。1997年にはTOKYO FM出版「地球音楽ライブラリー 加山雄三」では、みんなで手分けして原稿執筆。その時点での全ディスコグラフィーとなりました。

その後も、加山雄三さんとはインタビューやCSの番組でご一緒したり、2005年の45周年のときには「加山雄三全仕事」(ぴあ)の執筆、取材をしました。

2019年6月には、文化放送メディアプラスホールで、急遽、河崎実監督と登壇して加山雄三さんとトークショーの聴き手をつとめました。この時は、吉田照美さんがクラウドファウンディングで企画した「ロバフェス」イベントで加山雄三さんがスペシャルゲストとして出演。会場に向かう途中、照美さんから「加山さんのトークのお相手をしてください」とメッセージがあり、急遽実現しました。

2019年6月 文化放送「ロバフェス」

時は流れて、2022年、加山雄三さんが9月9日のラストショーを最後に、コンサート活動を引退されると宣言。そのステージは見届けたいとラジオスポットを聴きながら、そう思っていました。

ところが、驚いたことに、「加山雄三ラストショー」当日に販売されるパンフレットの取材、執筆、監修の依頼がありました! これには、本当に感激しました。しかし一人で手がけるにはページ数もヴォリュームもかなりあり、最初の打合せをしてすぐに、アーカイヴァーの鈴木啓之さんに協力をお願いしました。

つまり27年前の「若大将トラックス」「若大将グラフィティ」をともに作った相棒と、久しぶりに組む大仕事となりました。それから一か月、文字通り大車輪で、出来うる限りの内容、クオリティを目指して、加山雄三さんへのロングインタビュー、関係者の皆さまへの取材、全シングル、全アルバムの解説、加山さんの誕生から現在までの音楽ヒストリーを書きも書いたり、執筆しました。

加山雄三さんのファイナルにふさわしい充実したものになったと思います。しかも販売は9月9日限りです。東京国際フォーラムの会場、全国TOHOシネマズでのライブビューイング会場での販売となります。

コンサートにお出かけ、ライブビューイングご参加の皆さま、是非、是非、お求めください。

追記 パンフレットはご好評頂き、9月10日(土)からか楽天ブックスで販売開始となりました。「加山雄三ラストショー〜永遠の若大将」パンフレット。加山雄三さんのロングインタビュー、音楽人加山雄三ひすとりー、バンドヒストリー。全シングル、アルバムディスコグラフィー、Kナンバーリスト、などなど、読物、データも充実です!

↓楽天ブックスURL


2022年9月9日 東京国際フォーラムA

よろしければ、娯楽映画研究への支援、是非ともよろしくお願いします。これからも娯楽映画の素晴らしさを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。