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娯楽映画研究所ダイアリー 2022年5月16日(月)〜5月22日(日)

【佐藤利明の娯楽映画研究所】ドクター・ストレンジ・ミーツ・死霊のはらわた〜マルチバースの楽しみ!
今週は、MCU28作目にして、サム・ライミの世界と融合し、映画が越境するインカージョンついて、熱く語ります。ネタバレを含みますのでご注意ください。

5月16日(月)『殺しが静かにやって来る』(1968年・イタリア・セルジオ・コルブッチ)・『西の王将 東の大将』(1964年8月28日・東宝・古澤憲吾)

5月16日(火)の娯楽映画研究所シアターは、セルジオ・コルブッチ監督のある意味代表作、ジャン=ルイ・トランティニャン主演『殺しが静かにやって来る』(1968年)をスクリーン投影。西部劇史上、いや娯楽映画史上、ヒーロー映画ではあり得なかったもっとも衝撃的なラストに向かって突き進む1時間40分。クライマックス、最高のテンションの後に突き放される感覚は、今回も味わった。

「西の王将 東の大将」(1964年・古澤憲吾)で、古谷敏さんが谷啓さんの同僚役で!!

古谷敏さん、谷啓さん

深夜の娯楽映画研究所シアターは、東宝クレージー映画全30作(プラスα)視聴。プラスα作品として、5月16日(月)は、クレイジーキャッツ”第三の男”谷啓さんと、藤田まことさんのライバル喜劇『西の王将 東の大将』(1964年8月28日・東宝・古澤憲吾)を、久しぶりにスクリーン投影。久しくCSでも放映がなく、ソフト化もされていないので20数年前にチャンネルNECOでのオンエア録画VHSから。

5月17日(火)『シン・ウルトラマン』(2022年・東宝・樋口真嗣)・『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022年・MCU・サム・ライミ)・『続 西の王将 東の大将』(1965年6月20日・杉江敏男)

さあ、これから「シン・ウルトラマン」(再)を観ます。「ウルトラマン」放映後、わりとすぐに再放送を楽しんだ、あの感覚で見極めてきます!

「シン・ウルトラマン」(再)と、いま再びの「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」を堪能。両作とも映画の世界だけで成立しているわけではなく、観客である我々の世界と、ノスタルジーや映画的記憶、空想の世界と、幾重にも重なったマルチバース体験が待っている。ああ、楽しい!

「続・西の王将 東の大将」(1965年・杉江敏男)の古谷敏さん。園まりさんと一緒に「あなたとなら」(作詞・岩谷時子 作曲・萩原哲晶)をコーラス・サークルで唄ってます!

園まりさん 古谷敏さん(後ろ)

深夜の娯楽映画研究所シアターは、東宝クレージー映画全30作(プラスα)のα作品ということで、谷啓さん&藤田まことさんコンビによるサラリーマン喜劇『続 西の王将 東の大将』(1965年6月20日・杉江敏男)をスクリーン投影。といっても1980年代末に地上波放映録画のβテープからのレスキュー素材。なのでトリミング版である。

1980年代末、TBSで土曜日の昼、二時間枠で東宝作品を中心に娯楽映画を連続放映していた。トリミング版だけど、ほぼノーカットで放映され、ここで未見の東宝作品を連続して観ることができた。

5月18日(水)『スペシャリスト』(1969年・伊・仏・モナコ・西独・セルジオ・コルブッチ)・『若い季節』(1962年10月20日・東宝・古澤憲吾)

ぼくは映画や音楽に寛大なのかもしれない。一点でも「お!」と感心したり「嬉しい」と思ったら、イイ映画、イイ曲となる。「シン・ウルトラマン」(再)を観ても、イイじゃない! と面白くて、多分、また観に行くだろうなぁと。だって怪獣がいっぱい出てくるんだぜ! しかも◯ラウンドもあるんだぜ! 

5月18日(水)の娯楽映画研究所シアターは、セルジオ・コルブッチ監督のこれまた傑作『スペシャリスト』(1969年・伊・仏・モナコ・西独)をアマプラのシネフィルWOWOWチャンネルでスクリーン投影。
『殺しが静かにやって来る』(1968年)に続いて、山岳地帯を舞台にしたヨーロッパの寒々とした「西部」のヴィジュアルも、展開も、ヴァイオレンスも、実に結構なマカロニ・ウエスタン。今回の主演は、フランスで大人気だった歌手・ジョニー・アリディ。この年、”Que Je t'aime”が大ヒットしていた。

深夜の娯楽映画研究所シアターは、東宝クレージー映画全30作(プラスα)全作視聴。プラスα作品として、昭和37(1962)年10月20日に封切られたオールスターキャストの音楽バラエティ喜劇『若い季節』(古澤憲吾)をDVDでスクリーン投影。
「ワーオ ワーオ おなかの底からワーオ」でお馴染み、NHKテレビのバラエティ・ドラマ「若い季節」がスタートしたのが、クレイジーキャッツのビッグバンの年、昭和36(1961)年4月9日。NHKらしい豪華キャストで、淡路恵子さん、沢村貞子さん、松村達雄さん、有島一郎さんといった”俳優陣”たちと、ハナ肇とクレイジーキャッツ、渥美清さん、古今亭志ん朝さん、三木のり平さんといった”コメディアン”たち、坂本九さん、ジェリー藤尾さんスリーファンキーズ、スパーク3人娘(1963年以降)といった”アイドル”たち、黒柳徹子さん、横山道代さんといった”タレント”たち。つまりあらゆる人気者達が集結した、豪華なスタジオドラマだった。

5月19日(木)『デュバリイは貴婦人』(1943年・ロイ・デル・ルース)

なんと!なんと! キネマ旬報6月上旬号「映画・書評」ページで、拙著「番匠義彰映画大全:娯楽映画のマエストロ」(Amazon KDP)の書評を上島春彦さんが執筆してくださいました。ありがとうございます。番匠ブームを支えてくださった皆様のおかげです。

キネマ旬報6月上旬号

ハリウッドのシネ・ミュージカル史縦断研究。アーサー・フリード製作の絢爛たるMGMミュージカル。ジーン・ケリーの溌剌!ルシル・ボールの美しさ!

ハリウッドのシネ・ミュージカル史縦断研究。5月19日(木)は久しぶりにアーサー・フリード製作、ジーン・ケリー、ルシル・ボール、レッド・スケルトンの華やかな”Du Barry Was a Lady”『デュバリイは貴婦人』(1943年・ロイ・デル・ルース)をスクリーン投影。アマプラで字幕版が配信中(ジュネス企画版)なので、おそらく初めての字幕版での鑑賞となった。日本では昭和26(1951)年10月9日に公開されている。

5月20日(金)『土曜は貴方に』(1950年7月12日米公開・MGM・リチャード・ソープ)

本日19時からの「クレイジーキャッツの音楽史」講座は、カルチャーラジオの収録を兼ねているので、わりと緻密に構成、選曲の準備をしてます。いつものフリートークとは違う緊張感もあり。なので公開収録をイメージして臨んでいます。当日参加は18時まで電話受付中!

NHK文化センター青山「クレイジーキャッツの音楽史」第3回「スーダラ節の衝撃」無事終了しました。次回は6月3日(金)「コミックソングと高度成長」です!一回のみのご参加もOKです!

今日の「クレイジーキャッツの音楽史」「スーダラ節」誕生の背景を、具体的なエピソードを交えて、縦横無尽に語りました。1961年のクレイジーの奇跡の軌跡と、青島幸男さんの凄さ、萩原哲晶さんのサウンドの革命について。小林旭さんの「節」にも言及。90分じゃ語りきれない。次回も盛り上がります!

ハリウッドのシネ・ミュージカル史縦断研究! フレッド・アステア&ヴェラ=エレンのエレガントなダンス!マルクス兄弟の楽曲を作った音楽家の伝記映画! MGMミュージカル「ならでは」満載の佳作です!noteにUPしました。これで964本目の記事となりました!

5月21日(土)『ベル・オブ・ニューヨーク』(1952年2月22日米公開・日本未公開・MGM・チャールズ・ウォルターズ)・『サラリーマン手帳 夢を失わず』(1961年・松竹・斎藤正夫)

フレッド・アステアが好きすぎて、『ベル・オブ・ニューヨーク』(1952年・MGM )の詳説をナンバー解説を交えてまたまた8000文字で執筆。ナンバーの映像リンクを交えての記事です。note「佐藤利明の娯楽映画研究所」965本目の記事です。ハリウッドのシネ・ミュージカル史縦断研究。フレッド・アステアの神技!ヴェラ=エレンの美技!『ベル・オブ・ニューヨーク』の詳説。82分で楽曲が9曲! ミュージカルナンバーのリンク貼りつつ、なんだかんだと8000文字超になりました(笑)

斎藤正夫監督「サラリーマン手帳 夢を失わず」(1961年・松竹)。タイトルデザインは和田誠さん。劇中「バヤリース」「不二家ハイカップ」などのコマソンが流れる。有楽町のニッポン放送前、フジテレビのパブ看板も!!

「ウルトラマンA」第1話「輝け!ウルトラ五兄弟」をBlu-rayで久々に。ベロクロンの出番がかなり多く、特撮中心の展開に、当時の子供たち(自分も含めて)大興奮したのもわかる。しかし「ウルトラ5つの誓い」直後に、新マンが戻ってきたのには、少し拍子抜けしたけど(笑)ベロクロン、カッコいいね!

石原裕次郎さん主演作のロケ地で、日活アクションの傑作上映と佐藤利明の講演を開催!!
2022 年 7 月 23 日(土)
映画『赤いハンカチ』上映
13:50~15:28
講演:佐藤利明(娯楽映画研究家)
15:30~16:00(30 分)
会場:神奈川県立音楽堂
〒220-0044 横浜市西区紅葉ケ丘 9-2
(最寄駅) JR「桜木町」駅 徒歩 10 分

映画のロケ場所でトークします!

5月22日(日)『ブルースカイ』(1946年10月16日米公開・パラマウント・スチュアート・ヘイスラー)

今日は来週29日、阿佐ヶ谷ネオ書房での「佐藤利明の娯楽映画研究所SP 娯楽映画の昭和VOL.5東京の屋根の下」の素材編集。松屋浅草のスカイクルーザーが1970年代まで稼働していた!世田谷区岡本の百窓。高樹町の富士フィルム本社などなどを時層探検。すでに完売とのこと、ご参加の皆様宜しくお願いします。

ハリウッドのシネ・ミュージカル史縦断研究。5月22日(日)はビング・クロスビー&フレッド・アステアの”ソング・アンド・ダンスマン”による『ブルースカイ』(1946年10月16日米公開・パラマウント・スチュアート・ヘイスラー)をアマプラの字幕版(ジュネス企画版)でスクリーン投影。
この映画は、アステアの創意工夫の結晶、アーヴィング・バーリンの粋な名曲"Puttin' on the Ritz"「リッツで踊ろう」をトリッキにー踊るナンバーで知られる。1981年、アステアがAFI(アメリカン・フィルム・インスティテュート)で生涯功労賞を受賞した時のスペシャル番組のなかで紹介されて以来、恋焦がれていた。


よろしければ、娯楽映画研究への支援、是非ともよろしくお願いします。これからも娯楽映画の素晴らしさを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。