『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』(1972年)・『惑星大戦争』(1977年) 2022年9月21日に初Blu-ray化!
今から50年前、1972(昭和47)年12月の「東宝チャンピオンまつり」は、『怪獣総進撃』(1968年・東宝・本多猪四郎)改題短縮再上映『ゴジラ電撃大作戦』、アニメーション『パンダコパンダ』(東京ムービー・原案:宮崎駿、監督:高畑勲)とともに、円谷プロダクション創立10周年記念映画として『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』(円谷プロ=東宝・飯島敏宏)が上映されました。今思うとすごい組み合わせです。本多猪四郎監督、高畑勲、宮崎駿監督、そして飯島敏宏監督。まさに夢のラインナップ。
飯島監督は「ウルトラQ」「ウルトラマン」と同時に、TBSで渥美清さんの人情ドラマ「泣いてたまるか」を演出していました。最終回「男はつら井」(1968年・脚本:山田洋次)も飯島作品です。「ウルトラ」と「泣いてたまるか」。一見、振幅があるように思えますが、僕の幼少期に最も影響を受けたのがこれらの作品です。その両方のエッセンスを凝縮したのが『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』です。主演はクレイジーキャッツの犬塚弘さんと、てんぷくトリオの三波伸介さん。人情喜劇と特撮ファンタジーの融合は、まさに現代の寓話です。Blu-rayのオーディオ・コメンタリーには飯島敏宏監督、犬塚弘さん、稲垣涌三(撮影)の貴重な証言も収録。
そして、空前の『スターウォーズ』(1977年・FOX・ジョージ・ルーカス)ブームが吹き荒れた1977(昭和52)年。ピンク・レディーの「UFO」やSFブームも、みんな、まだ公開前の『スターウォーズ』旋風がもたらしたものでした(公開は1978年夏)。
そこで東宝がSFブームのなか”真打登場”として久々に制作したのが『惑星大戦争』(1977年・東宝映像・福田純)でした。『宇宙大戦争』(1959年・本多猪四郎)、『妖星ゴラス』(1962年・同)のラインで企画され、なんと『海底軍艦』(1963年・同)の「轟天号」をリニューアルした宇宙防衛艦「轟天」が登場。美術監督・井上泰幸さんによるセンス・オブ・ワンダーの東宝スペース・オペラ!ちょうど中学生だった僕は、期待に胸を膨らませて日比谷・千代田劇場に足を運びました。同時上映は山口百恵さんと三浦友和さん主演『霧の旗』(1977年・西河克己)でした。特典映像には、先日、惜しくも急逝された中野昭慶特技監督が『惑星大戦争』を語るインタビュー映像を収録。
『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』
がんばれぼくらの怪獣ダイゴロウ!
凶暴星獣ゴリアスをやっつけろ!!
太古の眠りからめざめた大怪獣が東京湾に出現。自衛隊の攻撃に絶命。残された 赤ん坊怪獣はダイゴロウと命名され国の管理下に。いつしか身長 35mに成長した ダイゴロウの食費を減らすため、役人たちは成長を止める薬を使おうとしてい た。子供たちは可哀そうだと大反対。食費を稼ごうと、発明おじさんに協力を仰 いだり、駅前でカンパを募ったりするがうまくいかず、ダイゴロウは腹ペコなま ま。ある日、凶暴な宇宙怪獣ゴリアスが襲来。怪 獣には怪獣だと、役人たちはダイゴロウに餌を与え、戦わせようとするが...。
「ウルトラ Q」「ウルトラマン」の飯島敏宏監督 が、千束北男の名義で脚本も手掛けた円谷プロダ クション創立 10 周年記念作品。個性豊かな出演 陣とユニークな怪獣の演技、そして見事な特撮技術で描かれた現代の童話です。
『惑星大戦争』
往け轟天!宇宙侵略軍の真っ只中へ!
暗黒の宇宙に展開する人類最後の戦いのために!
世界各地に飛来する謎の物体。そして宇宙ステーション・テラが巨大な宇宙船に破壊される。謎の物体は侵略軍のロケット、ヘル・ファイターだった。ヘル・ファイターは地球の各地を破壊する。だが、国連宇宙局ではこの事態に備えて、密かに宇宙防衛艦「轟天」を建造していた。轟天は侵略軍撃滅のために金星へ出撃した!監督はアクション映画に定評のある福田純。特技監督はゴジラシリーズや『日本沈没』の中野昭慶が手掛けている。製作は多くの特撮映画を世に送り出した田中友幸と田中文雄。森田健作、浅野ゆう子、沖雅也、宮内洋ら若手スターの共演も話題となった驚異の SF 超大作。