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娯楽映画研究所ダイアリー 2021 7月5日(月)〜7月11日(日)

7月5日(月)『女弥次㐂多 タッチ旅行』(1963年・松竹)・『勇気ある追跡』(1969年・パラマウント)・『ふりむいた花嫁』(1961年9月16日・松竹大船)


 ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、のちに松竹映画のプロデューサーとなる上村力監督デビュー作『女弥次㐂多 タッチ旅行』(1963年・松竹)を堪能。若さ溌溂「アスパラで生き抜こう」のミコちゃん・弘田三枝子さん、松竹正統派美人・牧紀子さん、期待の新人・岩本多代さんのBG三人組が「お茶汲み反対運動」に巻き込まれて、1週間の休暇に。

 娯楽映画研究所シアター洋画部は、ヘンリー・ハサウェイ監督&ジョン・ウェインの痛快西部劇の傑作”True Grit”『勇気ある追跡』(1969年・パラマウント)を久しぶりに楽しんだ。

 今宵の娯楽映画研究所シアターは、下町コメディのマエストロ・番匠義彰監督『ふりむいた花嫁』(1961年9月16日・松竹大船)。これまた大傑作!

7月6日(火)『のれんと花嫁』(1961年・松竹大船)・『風速七十五米』(1963年・大映東京)

 国立映画アーカイブNFAJニューズレター13号に久々に寄稿しました。「逝ける映画人を偲んで2019-2020」特集で、高島忠夫さんについて書かせて頂きました。今回は、近江俊郎監督『坊ちゃんとワンマン親爺』上映。ということは由利徹さんの「カックンルンバ」をスクリーンで楽しめるわけで!

 今宵の娯楽映画研究所シアターは、番匠義彰監督の才気を堪能、倍賞千恵子さん主演『のれんと花嫁』(1961年12月24日・松竹大船)。番匠の前々作『恋とのれん』の柳澤類寿さんと菅野昭彦さんコンビのシナリオは、実に見事にまとまっている。「花嫁シリーズ」の特徴である、新旧世代の対比、東京と地方の対比。商売の対比を意識した設定も楽しい。

 この夏、妖怪特撮映画祭で上映の、田中重雄監督『風速七十五米』(1963年7月13日・大映東京)。東京を襲う未曾有の巨大台風を特撮で描いたスペクタクル・アクション映画。

7月7日(水)『ちんじゃらじゃら物語』(1962年・松竹)・『太陽を抱く女』(1964年・松竹)・『泣いて笑った花嫁』(1962年・松竹)・『透明人間と蝿男』(1957年・大映)

ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、堀内真直監督『ちんじゃらじゃら物語』(1962年12月30日・松竹)の改題再上映版『喜劇 出たとこ勝負』を美麗プリントで。空前のクレイジーキャッツ・ブームの最中、ちょうど東宝では『ニッポン無責任野郎』上映中の年末興行作品。

 ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、番匠義彰監督『太陽を抱く女』(1964年6月4日・松竹)を堪能。やはり番匠映画は間違いなしの面白さ。

 今宵の娯楽映画研究所シアターは、番匠義彰監督の快作『泣いて笑った花嫁』(1962年12月19日・松竹)。瀬戸内海を舞台にした『はだしの花嫁』に引き続き、鰐淵晴子さんと倍賞千恵子さんのダブル花嫁候補による、浅草と京都を結んでのノンストップ人情コメディ。

 妖怪特撮映画祭で上映の『透明人間と蝿男』(1957年8月25日・大映・村山三男)を久しぶりに観る。

7月8日(木)『大魔神』(1966年・大映京都)・『竜とそばかすの姫』・『抱かれた花嫁』(1957・松竹大船)・『大怪獣ガメラ』(1965年・大映東京)

イマジカ第1試写室で、妖怪特撮映画祭で上映される『大魔神』(1966年4月27日・安田公義、特撮監督・黒田義之)デジタル4K修復版・初号試写を拝見、その美しさに息をのんだ。

 細田守脚本・監督『竜とそばかすの姫』。122分の長尺があっという間の佳作。リアルとファンタジーの按配が見事で、現時点での細田守ワールドの集大成。高知、四万十川の清流。高校生たちの日常。ヒロインが抱えている屈託。そしてバーチャル世界の、もう一人の自分。バーチャル世界のファンタジーがら、現実と向き合い、克服のドラマへ。他人事が自分の問題となり、それぞれのトラウマや屈託を乗り越えてゆく。ヒロインの最後のアクションに、吉永小百合さんの青春映画のように共感し、感動する。ぜひ、スクリーンで!

 今宵の娯楽映画研究所シアターは、松竹グランドスコープ第一回作にして、番匠義彰監督の「花嫁シリーズ」第一作『抱かれた花嫁』(1957年7月14日・松竹大船)

 この夏、妖怪特撮映画祭で、久々にスクリーン上映される『大怪獣ガメラ』(1965年11月27日・大映東京・湯浅憲明)を、深夜の娯楽映画研究所シアターで上映。


7月9日(金)『大魔神怒る』(1966・大映京都)・『大魔神逆襲』(1966年・大映京都)・『花嫁の抵抗』(1958年・松竹大船)

五反田イマジカ第1試写室で、妖怪特撮映画で上映される『大魔神怒る』(1966年8月13日・大映京都・三隅研次、特撮監督・黒田義之)デジタル4K修復版、初号試写を拝見。

五反田イマジカ第1試写室で、妖怪特撮映画祭で上映『大魔神逆襲』(1966年12月10日・大映京都・森一生)デジタル4K修復版初号試写を見せて頂く。

今宵の娯楽映画研究所シアターは、番匠義彰監督としてはシリーズ二作目となる『花嫁の抵抗』(1958年8月10日・松竹大船)でひと笑い。原作と脚本はベテラン・池田忠雄さん。脚色は番匠組の名伯楽・富田義朗さん。

7月10日(土)『ブラック・ウィドウ』(2021年・マーベル)・『捜索者』(1956年・ワーナー)・『空かける花嫁』(1959年1月1日)

 109シネマズ木場、IMAXで『ブラック・ウィドウ』(2021年・マーベル)。ナターシャがなぜ「007/ムーンレイカー」を観ていたのか、クライマックスにハハーンと^_^ エンドロール後のイースターエッグにグッときた。そろそろボンド映画を観たい思いを満たしてくれた「シビル・ウォー」のサイドストーリー。久々に血潮がたぎった! IMAXで大正解!

 当然のことながら、指パッチン後、ナターシャ亡き後の「ホークアイ」の冒険への期待がパンパンに! 「ファルコン&ウインターソルジャー」観ていて良かったよ!

 ああ、MCU史観で、頭の中がぐるぐる。しかしロス長官、痩せちゃったなぁ。少し心配…

今宵の娯楽映画研究所シアターは、二十数年ぶり、ジョン・フォード監督&ジョン・ウェイン主演『捜索者』(1956年・ワーナー)。数あるフォード&ウェインのコンビ作でも、ハリウッド西部劇でも(結果的に)異色作となっている。南北戦争終結、3年後のテキサス。数年ぶりに故郷に戻ってきたイーサン・エドワーズ(ウェイン)が、先住民のコマンチ族に、弟一家を虐殺され9歳の姪・デビー(ラナ・ウッド)が攫われてしまう。その姪を救出するために、インディアンと白人の混血児・マーティン・ポリー(ジェフリー・ハンター)とともに、長い旅に出る。

続きましては、番匠義彰監督による『空かける花嫁』(1959年1月1日)

7月11日(日)『愛するあした』(1969年・松竹)・『11人のカウボーイ』(1971年・ワーナー)

齋藤耕一監督、伊東ゆかりさんとザ・ワイルドワンズをフィーチャーした、歌謡青春映画『愛するあした』(1969年5月1日)を久しぶりに、娯楽映画研究所シアターで上映。

今宵の娯楽映画研究所シアター、洋画部ではマーク・ライデル製作・監督、ジョン・ウェインの大作『11人のカウボーイ』(1971年・ワーナー・ブラザース)を20年ぶりに。

この頃、日本では森繁久彌さんの「社長」、加山雄三さんの「若大将」、植木等さんの「クレージー映画」とシリーズ映画が終焉。アメリカン・ニューシネマの波もなんのその、ハリウッドでは最後の伝説・ジョン・ウェインは大作西部劇への主演を続けていた。





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