マガジンのカバー画像

防災社会のデザインマガジン

2
国内外で防災実務の経験がある気象予報士がまとめた、危機管理や防災情報の伝達に関する提言集。地域や職場で防災に携わる方向け。
運営しているクリエイター

記事一覧

「多いところで○ミリの雨」という気象情報をどう読むか?

梅雨の時期で大雨のニュースも増えてきました。そんなニュースの中で「東日本で大雨」、「西日本で大雨」という情報を見聞きすると「一体どこなんだー!」と思いませんか?「○○地方の多いところで○○ミリの大雨」というのもよく出てくるフレーズです。でも、どこが多いところ??? 全国という視点で見ればそうした情報提供の仕方もありなのかもしれません。しかし、多くの場合で知りたいのは、「自分や自分に関係する場所が大雨になるのか・ならないのか」のはず。 そんな「東日本で大雨!」「多いところで

防災啓発はアクション・ファーストで行こう

地域や職場で防災啓発事業や研修を企画する時には、「防災意識の向上」を目的としがちだ。しかしこの目的設定は避けた方が良い。得られるものの結果が最初から目に見えているからだ。 啓発事業や研修を実施した直後には一時的に「防災意識」は高まるだろう。しかし、喉元が過ぎれば前と何も変わらない可能性がある。 では、どうすべきだろうか。 「防災意識の向上」をゴールにするのではなく、変えたい防災行動を軸にプログラムを作るのである。例えば、「避難の意識を高める」ではなく、「避難する際の行動