見出し画像

事務指定講習(私の体験)

第44回社会保険労務士試験(平成24年度)合格後、その勢いにまかせて事務指定講習の申込みをしました。

労働社会保険諸法令関係事務指定講習(以下、事務指定講習)とは、社会保険労務士として登録するために必要な資格要件(2年以上の実務経験)を満たすものです。

この実務経験がない社会保険労務士試験合格者は、本講習を終了した場合、2年以上の実務経験と同等以上の経験を有するものと認められ、社会保険労務士の登録を受けることができます。

私は当時会社員で他業務との兼任で、人事関係の業務にも携わっていました。具体的には、労働基準監督署の調査対応等に関わるなかで、就業規則の変更、届出や36協定の作成、届出事務等を行っていました。

ただ、これが2年以上の実務経験に該当するかどうかはわかりませんでしたので、今後の実務にも役に立つと思い、事務指定講習を受けることにしました。

この講習は、通信指導課程(4月間)、と面接指導課程(4日間)の組み合わせにより行われました。

【注意】 この記事の内容は、平成25年当時の私が受講した講習についてのことです。今後の講習については、全国社会保険労務士会連合会のホームページ等でご確認ください。


事務指定講習の内容と修了要件

1.通信指導課程

通信指導課程は、社会保険労務士として必要な実務能力を養成することを目的とし、事業所の設置・廃止、従業員の採用から退職までの間に生じるさまざまな事象等(医療、年金、労働条件等)に伴って必要となる事業主や従業員自身の各種届出・申請等の手続き事務の実際について、系統的・実務的に学習します。

修了要件は、労働社会保険実務研究課題書のすべて(全29事例)について解答(様式を作成)し、かつ、労働社会保険実務指導様式集の様式(レポート)すべて(55種類・63枚)を期間内に提出したときに完了となります(様式は、白紙で提出した場合や1枚でも未提出がある場合は完了とはなりません)。

私の受講した通信指導課程の期間は、4月間(平成25年2月1日から5月31日まで)でした。この期間の延長は、理由の如何を問わず認められないというもので、注意が必要です。

自分なりのスケジュール組んで進めていかないと、土壇場であわてることになってしまいます。

2.面接指導課程

面接指導課程は、通信指導課程で学んだ実務面をさらに法律的なものと絡ませた講義方式により総括的に学習します。

修了要件は、本年7月~9月に開催する4日間の面接指導を1日も欠席することなく、すべて出席したときに完了となります。

4日間とはいえ、すべて出席することが修了要件ですので、体調管理に十分気をつけて臨みたいところです。

上記「通信指導課程」及び「面接指導課程」のいずれも完了したときに修了となり、修了者には「修了証」が交付されます。

通信指導課程

日程の目安

平成25年のレポート提出は、以下の日が目安になっていました。

第1回:3月10日 研究課題Ⅰ(事例1~10)

第2回:4月10日 研究課題Ⅱ(事例11~18)

第3回:5月10日 研究課題Ⅲ(事例19~29)

学習の進め方

【通信指導課程の進め方】(平成25年パンフレット記載内容)より

①手続きの理解(「労働社会保険実務総論」による学習)

様々な事象ごとに、各法で定める各種届出、保険給付の請求手続等を横断的に理解する。

当時使用した労働社会保険実務総論テキスト

②「必要となる手続メモ」の作成

 「労働社会保険実務研究課題書」で設定された事例ごとに必要となる手続と、使用すべき様式を想定し、「必要となる手続メモ」を作成する。

「必要となる手続メモ」は、実力養成のための重要な課程であり、この通信指導課程のポイントとなるものですので、必ず作成する必要があります。

当時使用した労働社会保険実務研究課題書
実際に提出した「必要となる手続メモ」

③「レポート」の作成

②で「必要となる手続メモ」に列記した様式のうち、「労働社会保険実務指導様式集」にある「レポート」を切り離し、「労働社会保険様式記載例集」を参考に、必要事項を記入し完成させる。

指導様式集と様式記載例集

④「レポート提出内容総括書」の作成

③で作成した「レポート」の、頁番号の該当箇所を塗りつぶし完成させる。

この総括書は、自身の提出状況を確認・証明する書類となりますので、提出前に必ずコピー等により保管してください。

レポート提出内容総括所(提出したもののコピー)

レポートの添削

①提出された手続メモ・レポートは、社会保険労務士及び学識経験者が添削します。なお、レポートの性質上、採点(得点明示)はされません。

②レポートをすべて提出された場合、「通信指導課程の完了について」が最後のレポート返送時に同封し送付されます。

「通信指導課程の完了について」

面接指導課程

通信指導課程を修了した人は、次の面接指導課程(4日間)に進むことができます。

「面接指導」といわれると、「個人面接で指導を受けるのだろうか?」と思ってしまいますが、実際は、申込者が全員集合して行われる講義形式の講習です。

面接指導課程が実施されるのは、例年7~9月です。

私が受講した面接指導課程の日程は、8月13日から8月16日(平成25年)の4日間でした。

ちょうど勤務している会社の夏季休暇に重なり、1日休暇をとっただけで平日4日間の講習を受けることができました。

会社員が平日に4日連続で休むことは、なかなか難しいことですが、夏休みや有給休暇をうまく利用することで可能になると思います。

社労士試験も8月、面接指導課程も8月でした。

私にとって真夏の8月は、社労士関連の思い出が多い月です。

私が受講した面接指導課程の会場は、TOC有明(東京会場)でした。200名くらい収容できる広い教室(会場)を3~4か所使っていたと記憶しています。

4日間の講習は朝から夕方まで、「面接指導課程レジュメ」にそってみっちり行われました。

講師の方は、現役で活躍されている社労士の先生で、実務面で参考になる具体的な話もあり、大変有意義な4日間でした。

そして、事務指定講習の通信指導課程と面接指導課程を無事完了し、「修了証」を手に入れることができました。

これで社会保険労務士登録に道筋がつきました。

ただ、費用はけっして安くはありませんでした。

通信指導課程と面接指導課程の一括払いで、7万円くらいだったと記憶しています。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?