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農業用トラクターは楽し。第1部 ここが腕の見せ所

「地上の乗り物で、何が面白い?」と問われたら、私は迷わず農業用トラクターと答える。今回は4回に分けて、トラクターや農事のことを述べてみたい。

■いろいろな機能を使い熟す面白み


地上の乗り物には、いろいろ乗ってきた。乗用車のベンツのセダンは勿論、スポーツカーのポルシェ、フェラーリ、SUVのハマー、さらにはトレーラートラックや軽四、大型バイクなどである。これらは操る面白に加え、移動する利便性を与えてくれる。

でも操作して一番面白いと思ったのは農耕用のトラクターである。
なぜなら副変速ミッションやフロントのデフロックなど、普通の車にはついていない機能があり、それこそ両手両足の4本を、巧みに使いながら操る面白味がある。

副変速機がついていると、農作業しているときは低速側を使い、移動するときは高速に切り替えると、3段ミッションが6速ミッションとなる。

フロントのデフロックは、泥濘地で鋭角にターンするとき、床についているデフロック・ペタルを足でパンと瞬間的に踏むとスムーズに曲がれるようになる。

農業用トラクターの主目的は田を耕すことだから、耕す肝心のロータリー部分は車体後部についている。これをターンするときに油圧で上げ、ターンし終わると同時に降ろして、耕運刀が適度の深さで土に入るようにする。
この操作を、乱暴に行うとロータリー部分が壊れてしまう。だからここが腕の見せ所となる。

深さも微妙に調整しなくてはならない。石ころの多いところは耕運刀を痛めないように浅めにし、土が堅いところは少々深めにする。それらの操作を手元のレバーで行う。

兎に角、田圃の状態を把握し、身体の全ての機能を使ってトラクターをコントロールする。
それはまるで田圃という舞台で、トラクターという大道具を使い、一人芝居を演じているように感じる。


私は40代の頃、東京から富山への通いの百姓をしていた。
写真は三菱の農耕用トラクターで水田を耕しているところ。
今にして思えば、これは究極のオープンカー。季節と自然の空気を満喫できる。
当然ながら、雨が降ると合羽を着て作業する。


頭の後ろ側にある黒いものは、転倒時に乗員を保護するためのロールバー。

農作業の時、傾斜した時に転倒してトラクターの下敷きになり死亡する人も、
年間20人を超えることもあったから、国によりロールバー装着を義務付けされた。

ただ、納屋に入るとき、建物の上部に触って入れないこともある。
その為に、ピンを外してロールバーそのものを外せるようになっている。

シートベルトも装着されている。


以下第2部へ

#農作業 #農業用トラクター

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