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水上機への挑戦  その1 ”日本語で知識習得、英語で体得” 

■水上飛行機取得へのキッカケ


私は、1982年にグライダーの免許を手にした。それで気をよくした私は、今度は水上機の操縦をしてみたくなった。
それは、最初の海外旅行でアラスカに行ったとき、沢山の水上機を見たことにあった。

アラスカでは、当時39人に一人が飛行機の免許を持っていると聞いた。確かに陸路に道路が無いとこが多いが、水上飛行機なら小さな湖があれば、何処へでも飛んでいける。
だから自動車の免許を持つくらいの意識で、飛行機の免許を持つのだろうと納得できた。

そして動機はもう一つあった。
映画007である。主人公のジェームス・ボンドは、車にも乗るし、馬にも乗る。 そして水上機も操縦する。カッコいい。そして女性にもてる。

映画の世界とは知りつつも、夢と幻と現実が重なり、“自分も、そうなったら女性にさぞモテるだろう”と思った。

“よし、ものは序(ついで)だ。次は水上機に挑戦しよう!“

またもや筆記試験が免除されるのを良いことに、私の悪乗りは、こうして水上機への挑戦と繋がって行くのであった。

そして1983年の11月、単身でアメリカに飛んだのである。

■日本語で知識習得、英語で体得


飛行機の陸上単発、陸上多発、そしてグライダー(滑空機)の3つを手にした私は、だんだん知恵がついて来た。

水上機は、陸上機と何が違うかというと、“離着陸か、離着水”だ。陸上機は車輪だが、水上機はフロートだ。
ということは空に上がってしまえば、操縦は同じだから、離着水の特性を把握することがポイントだと分かった。

そこでとった作戦とは、まず日本語で書かれた「水上機の操縦」の本を読み、次に英語で書かれた水上機の操縦本「how to FLY FLOATS」の本を読むのが、効率的だと考えた。


当時3ドルの水上飛行機教本

飛行機の操縦なんて、もともとアメリカからのものだから、日本の教本だろうとアメリカの教本だろうとあまり変わらない。

そこで先ず日本で購入した「水上機の操縦」の本を読み始めた。
薄い冊子ほどのものだから、すぐに読み切った。

そして次に英語の本を読むと、すぅ~と頭の中に入って行った。

船のヨットやモーターボートの港をハーバーというが、水上機の離発着場も、エアーハーバーと呼ぶ。
大きな船の港をポートと呼び、空港をエアーポートと云うが如(ごとし)しである。

そのころ私は、ヨットも嗜(たしな)んでいたから、そのような用語は何の抵抗もなく入って来た。

■地図とににらめっこしながら、一人で東へ


11月のロスアンジェルスは、陽の上がるのが遅い。
私は、夜がまだ明けず、真っ暗なハイウェイを東に向かって車を走らせた。

向かうは、田舎の小さな湖のあにあるエアーハーバーだ。

乗っているのは私一人。
ナビゲーターもいなければ、当時まだカーナビなどと言う洒落たものは世に存在していなかった。

本当にこの道で良いのか・・・、確認するために時々脇道に入り、車を停めて地図とにらめっこした。そんなことが数回続くと、だんだん不安になってきた。

次回へ続く

#水上飛行機 #アメリカ #シープレーン

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