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水上機への挑戦 その3 片フロートで離水せよ  

当初、私は陸上機の車輪の代わりに着いているフロート(浮舟)を,なめらかに滑らせて離水するものだと思っていた。
だが、実際にはそれだと水の抵抗が大きすぎる。
そこで、水上機の場合、“片フロートで離水せよ”となる。

少しスピードがついて来た時、機体を少し傾けた状態にして片側のフロートを水から浮かし、そのままの状態で直進させる。
すると水の抵抗が半分になるから、スピードも増す。

離水出来る速度に達したら、そのまま操縦桿を少し引き、機首を上げる。
それで離水して空中へとなる。
空に上がってしまえば、操作は車輪のついた陸上機とあまり変わらない。
水上機の場合は、水面が「全方向が滑走路」になるのが、地上の空港と異なる点だ。


空中に上がれば、陸上機も水上機も、操作はそれほど変わらない。

また、水上機の場合、ヨットと同じように、浮き桟橋(ポンツーン)に着けるようになるのだが、浮き桟橋の近くまで来るとエンジンを止める。
そして、その日吹いている風を見ながら、ドアを開けてドアを帆の代わりにして、上手く浮き桟橋に流れ着くようにする。

インストラクターがやると、これまた実に見事にピタリと着ける。

このような、離水と着水、そして浮き桟橋に着けるようになれば良いのだから、あまり遠くへ飛んでいくということはなかった。
水上機のトレーニングは離水着水を中心に行われた。

数時間のトレーニングでは、自信を持つほどのところまでは到達していないが、グライダーの時のように、自信喪失ということもなかった。

夕方、トレーニングが終わると、すぐに近くの小さなマーケットで、食料品を買いに走った。
暗くなると事件が起きて不思議ではないところだから、一目散にモーターホテルに戻った。
もう一日の明日の訓練だけで、受験できるのだろうか? それともさらに1日かかるのだろうか?

そんなことを思いならが、早朝からの疲れもあって、私は深い眠りに落ちた。

次回へ続く

#水上飛行機 #アメリカ #シープレーン

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