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羽田 航空機衝突炎上事故 そこが知りたい_無線の切り替え時交信

羽田航空機炎上事故は、連日TVや新聞で報道されているが、要(かなめ)の事がなかなか伝わってこない。
これはある程度、取材する側にも知識が無いと難しい面があるから仕方がない。そこで今日、航空関係者及び無線工学に詳しい知人に訊いてみた。
その二人と、私の知りたいことはほぼ同じだった。それは次のとおりである。

■グランドコントロールからタワーコントロールへの切り替えのタイミングでの交信内容の詳細である。

通常、グランドコントロールは地上滑走の指示を出し、離陸に関してはタワーコントロールへと変わり、指示を出す人も、周波数も変わるはずである。(小規模の空港では同一で行うこともある)

だから、グランドコントロールが、滑走路入り口にいる飛行機に対し、滑走路に入ってよし、風向何度、風速何ノットとは言わないだろう。

よって、発表になったグランドコントロールからの交信内容に「離陸してもよい」の文言が無いのは当然だと思う。

海保機の機長の勘違いでないとすれば、だれがそのインストラクション(指示)を出したのだろう。
それが知りたい。

海保機のボイスレコーダーも回収されていることだから、それが解析されれば、問題点が何処にあったのか、分かってくると思う。

海上保安庁のMAボンバル300
海上保安庁は国土交通省傘下の組織で、「海の警察」と呼ばれたりする。
自衛隊とは別の組織である。(写真は海上保安庁のHPより引用)

話は少し変わるが、無線交信も関係した大きな事故で、国土交通省が出している資料があるので、関心があれば見て欲しい

それは、1977年3月に起きた民間航空機史上最悪の航空機事故である。
スペインのカナリア諸島テネリフェ空港で、KLM機とパンアメリカン機のジャンボ機2機が滑走路上で衝突し、583名が死亡したものだ。
詳しくは、国交省の資料として、下記をクリックすると出てくる。

https://www.mlit.go.jp/unyuanzen/jikokyoukun/jikokyoukun008.pdf


スペインのカナリア諸島テネリフェ空港
(写真はWikipediaより引用)
KLM機と PAN AM機の位置関係
(図はWikipediaより引用)
全容図示(図はWikipediaより引用)


要因を列挙すると次のようになる。

  • 連絡ミス

  • 勘違い

  • 濃霧

  • 無線の混信 (無線は「かぶさる」特性がある)

  • 早く出発したい焦り、(機長側)

  • 早く出発させたい焦り、(管制側)

  • 不慣れな空港での、誘導路の判断ミス

  • 駐機場が満杯で、正規の誘導路が使えず、滑走路を誘導路代わりにしたこと

  • KLM 機の航空機関士は「パンアメリカン機はま だ滑走路にいるのでは?」と疑問を呈し たが、同機の機長は「大丈夫」と答え、 離陸滑走を続けた。(航空機関士とはFE=フライトエンジニアと呼ばれ、当時のジャンボ機は、機長、副操縦士、そしてFEの3人体制で飛行していた)

これらが重なり、大事故に至ったということが分かる。


同様の事故が起きないよう、今回の羽田での衝突炎上事故の「本当の原因」の解明が待たれる。

#羽田 #航空機事故  

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