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「春夏冬 二升五合」うなぎ釜めしを食べながら知る洒落言葉

皆さんは、「春夏冬 、1斗二升五合」という言葉の読み方と、意味をご存知ですか。
私は「春夏冬」は知っていましたが、「一斗二升五合や、二升五合」の意味は知りませんでした。
今日は、そんな言葉に出会ったことを記してみたいと思います。


右半分の意味は分かるが、左半分の意味は・・・?

■奥多摩 「釜めし・なかい」で出会った言葉


今日は我が家にとって特別な日。それで奥多摩までドライブがてら、早目の夕食をと「釜めし・なかい」へ出かけた。
予約は出来ない店なので、繫忙期のこの夏は1~2時間待ちは覚悟して到着。案の定多くのお客さんが、日本庭園の中で順番待ち。 

この店、普通のこじんまりした日本の古民家風食事処なのだが、電話での対応もよければ、日本庭園も風情があって、待っているのが苦にならない。
そして呼ばれて中に入ると、愛想のよい女性店員さんの接客も実に人間味があり、とても良い。
山奥に「こんな良い店があるのか!」と思った。


奥多摩の山奥にありながら、この料亭風の入り口門。
メインの駐車場だけでは足らず、第1、第2、第3とあり、
さらには臨時駐車場まで用意されていた。
味のある日本庭園。
ひょっとして、何処かの料亭に来たのかと思うくらい居心地が良い。
優雅に泳ぐ鯉。 
風情を感じるなぁ~

頼んだ「鰻釜めし」も旨い。今日は大当たりだなーと思って、ふと私の席から見えるレジカウンターの上を見上げると、味のある木製の板に「春夏冬 二升五合」と書かれた文字が目に入った。


大当たり!! 旨い!! 鰻の釜めし
(3,850円/一人前。税込み)
目に入った「春夏冬 二升五合」の文字


最初の春夏冬の意味はすぐ分かった。
春夏冬は、秋が抜けており、「秋が無い → 飽きない → 商売を飽きないで商(あきない)う」という意味である。

でも、二升五合の意味が分からない。
私は農家の生まれだから、小さい時からコメをはかるときに、一升升いっしょうます、五合ます、一合ますを使っていた。だから、字は読めるし、りょうも分かる。

一合の5倍が、五合。
一合の10倍が、一升。である。

そこで店員さんに訊くと、詳しい意味は分からないという。それで店員さんは年配の店主を呼んだ。店主は忙しいのにも関わらず厨房から出て来てくれ、説明してくれた。

商売をしている店では、洒落言葉として使うのだが、意としては次のようになる。

■「春夏冬 二升五合」


春夏冬は、前述の通り、飽きないで商いをする意だ。

二升五合は、「にしょう ごごう」と呼ぶ。

意味としては、升は「しょうと」も呼ぶが「ます」とも呼ぶ。
それで、二升は「ます」がふたつだから、「ますます」となる。

五合は、一升の半分だから、半升(はんしょう)となる。
これを続けると、二升五合 = ますますはんじょう(益々繁盛)となる。

つまり、「飽きないで商いをし、益々繁盛」の洒落言葉となる。

ついでに言えば、「一斗二升五合」と使う場合もある。
一斗は、一升は 五升の2倍 だから 「ごしょうばい = ご商売」となる。

だから、「春夏冬、一斗二升五合」だと、「ごしょうばい ますます はんじょう」となる。つまり、飽きないで商いをして、ご商売益々繁盛となる。

ご商売は、客が店主に対して使う言葉だから、店側が言う時には「ご商売」を外し、「春夏冬、二升五合」としているのであろう。

この店は、その看板の文字通り、大いに繁盛している。
鰻の釜めしを食べながら、そんなことも知った一日であった。

お店の女性店員さん、そして年配の主さん、お二人の人間味あふれる笑顔と接客で、満足度は倍増し、嬉しい気持ちで家路についた。

また行きたいなぁ~ 今度は庭にあるモミジの紅葉のときにしようかなぁー


上がり框(かまち)を入ると、レジの前にある囲炉裏(いろり)。
雪景色を眺めながら、この囲炉裏を囲み、日本酒を飲みたいなー


客席から見る日本庭園。
庭にはモミジの木もあり、紅葉の時はさぞ綺麗でしょうね。

#釜めし・なかい #奥多摩 #春夏冬 #二升五合

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