今週は世界中の注目を集めたNvidiaの開発者会議(通称、NVDA GTC)が開催されました。今後の株式市場の方向性に影響を与え得る重要なイベントであったことから、今回ご紹介しておきます。

今回のGTCで新型GPU ”Blackwell(通称B200)”のリリースが発表されました。このB200を2機と、1機のNVDA製CPU(通称Grace)を1モジュールにした”GB200”と呼ばれるプロダクトも併せて公表されました。

現役世代のH100とGB200を比較すると、AI学習時の性能は4倍、推論時の性能はなんと30倍改善するとされ、電力効率も25倍改善されるとの説明がCEOからなされました。これはとんでもないテクノロジーの飛躍と言えます。

しかも、です。今はまだ現役世代のH100をめぐり、世界中の有力企業がしのぎを削ってこのチップを求めて争っている状況です。
まだ現役世代の商品ですらマーケットでこの様な状況にありながら、既に次の新型バージョンをリリースする。ここにNVDAの凄味があります。

今回、同社CEOの基調講演をオンラインで視聴して感じたことは、GAFAMを筆頭に巨大テック系企業を中心とする太客と、NVDAとの間のパワーバランスが更に拡大する可能性です。
これまでもGAFAMは列をなしてNVDAのH100を求めてきたわけですが、更にNVDAに対する依存度を今後高めていく可能性を強く感じました。

そして、このパワーバランスの拡大がNVDAにもたらす最も大きな恩恵は「価格決定権」です。顧客であるGAFAMなどは常に乾いた喉の様にNVDAのGPUを求めるものの、どの客にどれだけのGPUを配分するかは全てNVDAの考え一つという状況にあります。
つまり、これらの超巨大企業群はNVDAの言い値でGPUを購入する他ないのです。

生成AIはまだまだ黎明期にあります。この世界のど真ん中に位置するNVDAが今後どのように発展していくのか。皆さんも興味が尽きないところかと思います。引き続き、NVDAの動向を注視します。

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