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完全ネタバレ! 「日陰サバイバン」レビュー

2021年ゲームレビュー 3 

482分=8時間。クリアまで。
そんな事よりゼノギアスの話をしようぜ

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「エメラダを大人にするかどうかって悩むよな」

「ステータス的には大人の方が強いんだけど、小さいエメラダちゃんも一生懸命な感じで好き」

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とにかく笑いと脱線に特化した「東方二次創作 法廷ダンスバトル あの頃の同人ゲーム」。全部で3つの事件が起こるが、どれもパチュリーが犯人で弁護士だ。

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ひどい

大まかには「逆転裁判シリーズ」風の画面で裁判長・弁護士・検事が証人を囲み、待った・くらえの大立ち回りをする。

しかし本作は最初から最後までギャグにギャグを重ねる作風なので、誤ったタイミングで「待った」をかけたり、正解ではない証拠品を突きつけても実質的にペナルティは無い。むしろパチュリーにより「全待った」が推奨されており、証言一つ一つに対する豊富でちゃらんぽらんな脱線を楽しむことができる。

なお本作は、全ての情報についてネタバレが許されている。ソフトに同梱の「はじめにお読みください.txt」では「なお 本ゲームにネタバレという概念は存在しません。」と書かれており、ゲーム中でも下図のとおりパチュリーが解禁する。推理モノでネタバレOKとか、そんなゲーム見たこと無いぞ!

ギャグネタの数も頻度も膨大で、ビジュアルで笑わせに来る回数も多い。とぼけた顔の東方キャラもいれば他作品完全丸パクリのキャラもいて、プレイヤーの方が不安になる。

被害者は不死身のはずの死んじゃいけないキャラ、などの文脈を使った笑わせ方も上手。更に被害者が裁判で検事してたりして、もうめちゃくちゃだ。

上手いこと作者の意図を汲み取れた気がしたので満足。

逆に言うと、本作はだいたいのネタが出落ちの投げっぱなしスタイルである。ツッコミ役が居ればいいが、居ないときの恐怖は異常。

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これでPLAY DOUJINが来たら目でピーナッツを食べながら逆立ちで町内一周してやらあ。

「プレイヤーがそこを通るとき最高にエキサイティングするように作る」のが洋ゲーTPS・FPSの文法だと聞くが、ボケとツッコミを被せに被せ、ただ一瞬のネタに全力を尽くす本作も、それに則っていると言えるだろう。一番好きなシーンは密室の4段ボケです。

無論、絵のレベルも文章のクオリティも素晴らしい。キャラのモーションはみんな凄く凝られているし、文脈は迷わず追いかけることができる。誤字・脱字で気になる点は一切なかった。ゲーム的にも、どのタイミングで何を突きつけるべきなのかは雑談で全部教えてくれる。最初から最後までユーザビリティに溢れた、基礎レベルの高いゲームである。


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