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映画「金の国 水の国」

「最高純度のやさしさに初泣き。」のキャッチコピーの付いた注目のアニメ映画が1月27日に公開になります。
映画「金の国・水の国」(公式サイト
監督と、主題歌を担当した琴音さんにインタビューの機会をいただきました。その内容は1月29日(日)放送の「C.A.M.P. BASKET」(東海ラジオ 毎週日曜日17:00~19:00放送中)でお楽しみいただくとして、試写で拝見させていただいたので簡単に作品の紹介と感想をまとめます。

話題の原作がアニメ化

宝島社の「このマンガがすごい!」(オンナ編)史上初2作連続1位を獲得した岩本ナオさんのマンガが原作の今回の映画。まさに原作の世界が動きだしたようなそんな作品でした。
さらに、プロデューサーは『竜とそばかすの姫』の日本テレビ・谷生俊美さん。制作は、「サマーウォーズ」を手掛けたマッドハウス。そして監督はそのマッドハウスのクリエイターでもある渡邉こと乃さん。
とにかく力の入った作品です。

簡単にストーリーのリードを公式サイトに準じてご紹介すると、商業国家で水以外は何でも手に入る金の国と、豊かな水と緑に恵まれているが貧しい水の国。隣国同士の2国は長年にわたって敵対していました。
その2国それぞれ金の国のおっとり王女サーラ(声:浜辺美波)と、水の国で暮らすお調子者の建築士ナランバヤル(声:賀来賢人)がこの作品の主人公です。
2人は国の思惑に巻き込まれて結婚。偽りの夫婦を演じることになります。偽りだったはずの二人の関係は、自分たちでも気づかぬうちに本当の恋心に変わっていきます。互いへの思いを胸に秘めながらも本当の気持ちを口にすることはないまま2人は過ごしていきます。
そんな彼らの優しい嘘が、いつしか2国の将来を左右する大きな事態へと変化していきます。

このイントロダクションをなぞりながら、今も様々な場面が思い出されます。そしてその一つひとつのシーンに、やさしさと真っ直ぐな心が感じられるんです。それは主人公の2人だけでではなく周りのキャラクターたちにも。それが伝わってくる丁寧な描かれ方なんです。いや~泣きました。

映像と国の描きワケ

原作では、「A国・B国」となっていた国に、映画では金の国=「アルハミト」・水の国=「バイカリ」と名前が付きました。その、金の国・水の国のが、アニメーションの中でも非常に美しくしかもくっきりと描きワケられています。「アルハミト」の砂漠の要素や豊かさが美しく、「バイカリ」の自然や水の豊富さが鮮やかに登場します。

そして、予告でも登場しますが 橋と満月と2人というシーン。(本予告1分37秒あたり)

作品の中でも一つの重要なシーンです。胸が、”キュ~~~”ってなる、あの感覚が味わえるそんな一瞬。このシーンを見るために作品を見てほしい!と言ってもいいくらいでした。(もちろん全編見てほしいのですが。)

まさに初泣き、エンドロールまで泣ける

前段でも話しましたが、よく泣きました。まさにコピーに違わぬ”初泣き”になりました。全体を通して、分かりづらさや難しさは無いように思いますので、気軽に劇場に行ける作品だったと思います。あまり書きすぎるとネタバレになるので気をつけますが…。全編を通して見るとラストシーンでダメ押しの泣きポイント。その感情を落ち着かせ更に多幸感の余韻を楽しませてくれるエンドロール。

そう!まさに”多幸感”を味わえる作品です。

テーマ曲でもうひと泣き

その”多幸感”をもうひと段階盛り上げてくれるのが、テーマ曲・挿入歌を歌われた、琴音(ことね)さんの歌声。

音楽は「ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」シリーズや「鎌倉殿の13人」などで活躍されているEvan Callさんが担当されています。
その、Evan Callさんはじめスタッフのみなさんが「このひとしかいない!」となったのが琴音さんの歌声。作品の音楽の制作がある程度進んだ中でのヴォーカルの起用となったそうです。というのも、制作進行中に起きたロシアによるウクライナへの侵攻。作品そのものが対立する2国の話ですから、見る人に寄り添う”声”を求めたのだそうです。
琴音さん本人も、「ナレーターのような 気持ちで」と語っているように、まさに映像に・見る人に寄り添う、それでいてエモーショナルな、そんな歌声です。

ご本人のYouTubeには、レコーディング・ドキュメント映像も公開されていました。

豪華声優陣

商業国家で水以外は何でも手に入る“金の国”の おっとり王女・サーラを浜辺美波さん。水と緑に恵まれる“水の国”の 貧しくも家族思いの建築士・ナランバヤルを賀来賢人さん演じています。

ま~ハマっていました。賀来さんは、キャラクターのビジュアルとも通じるものがありました。一方、浜辺さんは声のやさしさがサーラそのもの。
ジャパンプレミアでは、賀来さんは「自身と重なる部分は?」と聞かれて
即答で「まったくなくて…」と答えられていたようですが・・・(笑)

その他にも、戸田恵子さん、神谷浩史さん、木村昴さんなど豪華なキャストが出演されています。耳が幸せw

「やさしさ」「それぞれの正義」

ココまで「泣ける~」とばかりかいてきましたが、もちろんそれだけではありません。作品全編を通して「やさしさ」が感じられる作品でした。それと同時に、そこにある「それぞれの正義」というものも強く感じる作品でした。なぜ2国はいがみ合うのか。金の国の王ラスタバン三世、第一王女レオポルディーネ、家臣たち、それぞれの思いは。そこに和平の道はないのか。

奇しくも、現実世界ではロシアによるウクライナへの侵攻という悲劇が起こってしまいました。昨年2022年の漢字は「戦」でした。そんな今だからこそこの作品で、純粋で深い「やさしさ」を感じられるのではないでしょうか。

監督と琴音さんへのインタビューはラジオで!

ご紹介した映画「金の国 水の国」の渡邉こと乃監督と、テーマ曲を担当した琴音さんに先日インタビューしました。
その模様は、1月29日(日)放送の東海ラジオ「C.A.M.P. BASKET」で放送します。東海地区の方は、FM92.9MHz・AM1332kHz・radikoでお楽しみいただけます。東海エリア外の方もradikoプレミアムにご加入いただくとお聞きいただけます。

↑※放送前後1週間はリンクが有効になります。


映画「金の国 水の国」

2023年1月27日 公開
ミッドランドスクエアシネマほか
公式サイト
監督:渡邉こと乃
原作:岩本ナオ
脚本:坪田文
出演:ナランバヤル役 賀来賢人
   サーラ役 浜辺美波 ほか


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