我が子に障害がある事

僕はゲイで
子供を持つと言う選択肢が
今の日本では限りなく難しい
そんな僕が子育てとか、親子関係に
口を挟むのはお門違いかもしれないが
価値観の180度変わる体験をしたので
それについて書いて行こうと思もう

まず、批判を承知で言わせてもらうと
ドキュメンタリーなんかでみる
我が子に障害がある親が言う
「この子が私たちの元に生まれて来てくれて感謝している」
なんて言葉は綺麗事だと思っていた

僕にも、見る人が見たら障害と取れる個性があると思っているので
とりわけ障害のある人への偏見が強い方ではないと思う

ただ、自分の子供が障害を持って産まれて来たことに感謝するなんて
あり得ないと思っていた。

実際、僕自身母親にカミングアウトした際には
普通に産まれて
普通の幸せを感じて欲しかったと
面と向かって言われた事があるし
僕もできる事ならばそうなりたかったとも思う


ただ、先日その考えを180度
ぐるっと回転させる出来事があった


仕事の一環で
障害を持った子が通う施設へ手伝いへ行く機会があった
偏見は少ない方し、子供が好きな僕は
勤務の前日から、そこに行ける事を楽しみにしていた。

いざ、行ってみると
そこには様々な度合いの障害の子たちがいた
その日の僕の仕事は
その子たちと遊んで過ごす
それだけだ、
大好きな子供と一日中遊んでられるなんて
僕にとっては楽しさしかなかった

そうして過ごしていく内で
1人の男の子が僕を気に入ってくれて
仲良くなった

その子は、重度の知的障害があるらしく
身体はすごく小さいけど、小学校五年生だが
オムツを付けていて
自分の名前さえも言えない状況だった

けど、おもちゃで遊んだり
プロレスごっこしたり
遊びならそんな事関係ない

その後、他の子も混ざって
ままごとをしていた時だった
買い物に行って
料理を作って
そろそろ寝ようかと言う時

その子は、赤ちゃん役だった僕を
布団に連れて行き
トントンしてくれた、
そして、何と言ってるか実際には分からないけど
多分「おやすみ」と言った後に
僕のおでこにキスをしてくれた


その時僕は
この子は、毎晩寝る前に両親にトントンされ
おやすみの後には、
おでこにキスをされてるんだな
この子は、両親から沢山の愛情をもらって生きているんだなって
そう思ったら泣きそうになった

この子の両親は
誰に聞かれるでも見られるでも無い環境でも
当たり前に、我が子に溢れんばかりの愛情を注いで
彼もそれを受け止めてるんだと痛感した

そして、僕は気付いた
ドキュメンタリーで見ていた
障害を持つ子供の親の
「この子が私たちの元に生まれて来てくれて感謝している」
と言う言葉は建前でも、綺麗事でもなく
紛れもなく本心だったんだと


施設の人の話では
彼の現状が今後劇的に変化する事はないそうだ
勿論、今後大変なことが沢山あるだろうし
障害がある事での悩みも耐えないと思う

でもそれは、同時に
今、彼のしてくれている
愛情表現が劇的に変わる事もないと言う事にもなる
いつまでも、
我が子が全身全霊感情をぶつけてくれる
全身全霊で愛してると表現してくれる
これ程に幸せな事は他には無いと思う

人と適当な距離感を保つ事を
大人になって自然と身につけていた
寂しい僕に、愛で溢れた素敵な世界を思い出させてくれた彼に
僕は今心底感謝している

そして
今では親が子を思う気持ちは
何よりも強いものだと確信している

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