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図書券っていいな

この前、社内のお遊びの様な
広告コンペで入賞し3000円分の図書券をもらった。

図書券をもらうのは
どれだけ多く見積もっても
僕の人生の中で3度目くらいだろう。


僕はそのくらい
文学から離れた生活環境で成長してきたのだ

ただ、いざもらってみると
それは、現金3,000円より遥かにワクワクした

3,000円の現金は財布に入れてしまえば
他のお金と区別される事なく
一瞬にして財布の中に溶け込み
後になって、その3,000円を何に使ったのか思い出そうとしても
その3,000円がどの3,000円だったのか
意識することも情緒もなく、
ただ消費してしまっていた事に気付く


しかし、これが図書券だとどうだろう
バーで使えるわけでも、
タバコが買えるわけでもない
ましてや、家賃や光熱費の様に機械的に引き落とされることもない。

そう、図書券は本しか買えないのだ、
本しか買えないから必然的に本を買う事になる

文学が生活に根付いていない僕は
図書券を使う為に「わざわざ」書店へ出向き
「わざわざ」本を選ぶ

そして、
その、本を読んでいる間
コンペで入賞した事や書店へ出向いた事を
たびたび思い出し
ありがたさや情緒を感じるのだろう


これが、
待ち合わせの時間合わせで
たまたま行った書店で現金で買った本ではそうは行かない

読んでいる最中
あぁ〜この本は8月分の給料で買って、
友達が待ち合わせの時間より遅れてきてくれたから出会えたんだよな〜
などと考える事はない


選択権のある不自由は
時に副産物としてワクワクとわざわざとありがたみまでも情緒に乗せて連れてくるのだろう


だから、
次の誰かのお祝いは
あえて、図書券をあげてみよう

現金の様に容易に溶け込まず
プレゼントほど異物感がない
そして、素敵な本との出会いがある
…かもしれない
そんな素敵な図書券を頑張ったその人に


さて、僕はどんな本を買おう

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