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「茨城県のセイコーマートぜんぶ行く」のこぼれ話

昨年(2020年)の11月に実行し、ごく一部で話題になったり、怪しげなWEBメディアに勝手に記事にされた(上に内容が割と間違ってた)りもしましたが、今となってはもはや誰も覚えていないであろう「茨城県のセイコーマートぜんぶ行く」の思い出を一人語ろうかと思います。自己満足ですとも。ええ。
なお、本文には随所に茨城県のややマニアックな地名が出てくるため、地元の方、そして一部のやけに地名に詳しい何らかのマニアやオタクの方以外は茨城県の地図を片手にお読みいただく事をおすすめします。

発端

ことの発端……はいくつかありますが、まず、私はかねてから埼玉県のセイコーマートについて何回かにわけて全店舗(この当時現存していたのは10店舗程度ですが……)を訪問していました。本州のセイコーマートは色々と様々な事情(これについて真面目に論ずるとそれだけで1コマ授業ができそうなボリュームになってしまうため、詳しくは拙稿『なぜ本州のセイコーマートは茨城県にばかりあるのか』をご参照ください)があり埼玉県と茨城県にしかありませんから、物心ついた頃から本州に住み続けている私からすると当然次に目に入るのは茨城県の店舗という事になります。就職に伴い大阪から東京に転居したこともプラスに働きました。
ただ、いかんせん埼玉県のそれに比べてあまりにも店舗数が多いので、この段階では「まあ適当なタイミングで順次訪問して、そのうち埼玉県と同じように全部行けるようにすれば良いかな」程度に考えてました。考えても見てください。普通にコンビニを必要とする需要を想定すると、せいぜい1日で行けるのは朝と昼と夕方と夜と……でせいぜい数回程度。想像するに、1日に10回も訪問すればもはややることなんて無くなりそうです。ですから、茨城県内82店舗(当時)を3日で無理やり片付けてやろうだなんて当初は全く考えていなかったわけです。
考えを変えるきっかけになったのはセイコーマートは無関係なある市井の挑戦でした。その名も「山万20時間耐久」。各所で大きく話題になったのでご存知の方も多いかと思われますが、簡単に解説すると、このチャレンジの舞台は千葉県の団地「ユーカリが丘」。ここには団地の玄関口であるユーカリが丘駅を起点に団地内の各所を巡回し、そしてユーカリが丘駅に戻ってくる「山万ユーカリが丘線」という1周14分の小さな路線がありますが、その路線に朝4時台の始発から日付を超えた時間の終電まで20時間ひたすら乗り続けユーカリが丘を64周する……という挑戦が昨年(2020年)の9月にある市井のTwitterユーザー(偶然にもフォロワーさんでした)によって行われました。
※山万20時間耐久については挑戦した本人のアカウントが凍結されたためTwitter上では少々経緯を遡りにくいのですが、各種媒体による様々な記事が公開されている他、当時のTogetterなども残っているため、詳しくは各自ググってください。
この挑戦が様々な反響を呼んだことから、この当時のTwitterの一部コミュニティではこうした挑戦や企画がちょっとしたブームになっていました。こうした企画の二番煎じを自分なりに行いたい……という思いと先述の事情が結びついて「茨城県のセイコーマートを3日でぜんぶ訪問する」と言う企画につながりました。

事前準備

https://twitter.com/uruu_geo/status/1361707571887808520

※上記は有志作成の本州地区セイコーマート分布図。これを見ながらだと少し読みやすくなるかと思われます。
さて、そうと決まれば事前準備です。宿の手配だレンタカーの確保だなんてのは「ふつうの旅行」でも行う作業なためまあ良いとして問題になったのは「この82店舗をどういう順番で回るか」でした。俗に言う巡回セールスマン問題に近しいものでしょうか、スタートとゴールをどこに設定し、どういう順番で回れば効率よく回れるか……を考えなければ3日で全店制覇という目標達成もままなりません。このためにセイコーマートの店舗検索ページや書店で買ってきた茨城県の道路地図とにらめっこしながら店の場所(とついでに店名)を頭に叩き込み、どういうルートが望ましいか……を頭の中で考える作業にかなりの時間と労力を費やすこととなりました。もっとも、当日は想定していたより若干早いペースで進行し、運転しながら適宜行く順番を組み替えていったので当初考えていたルートとはかなり異なるルートで巡ることとなったのですが、この作業も結局は各店舗がどこにあるかを大まかに把握していないと組むのが難しくなるため、いずれにせよ場所は把握しておく必要はあったわけです。
大まかな順番が決まれば後は直近の3連休にちょうど良さそうな場所でホテルを取り、東京の自宅から行きやすい場所でレンタカーを確保すれば準備完了です。ペーパードライバー故の運転技能の不安定さに一抹の不安を覚えつつ当日を迎えました。

0日目

この日在宅勤務を終えた私はその足で初日の起点となる神栖のホテルへ向かいました。ホテルの目の前に堂々と鎮座するホーマック(北海道・釧路発祥のホームセンター。茨城県のローカルスーパーだったカスミのホームセンター部門を買収した関係で、関東の店舗は茨城県に偏在しています)にビビりつつ、恐らくは数日食べる事が無いであろう生魚を夕食に食べ、ひとっ風呂浴びた後に翌日からの企画の予告をツイートしました。今思えば「ミュートしてください」とかそうした注意事項はリプにぶら下げておけば良かったですね……。

その後ホテルのWi-Fiを使用して若干の下調べを行った後、慣れない運転に備え布団に入りました。

1日目

初日のスタートはホテルから一番近い茨城県最南端の鹿嶋平井店(ツイートには「本州最東端」と書かれていますが、後で確認したら高萩手綱店の方が若干東にありました。)から。

その後鹿嶋市内の5店舗(鹿嶋平井→鹿嶋三笠→鹿嶋小山→鹿嶋棚木→鹿嶋中)、鉾田市(旧大洋村)の鉾田飯島店(ここでポイントカードを落として後から電話がかかったりしましたがそれはまた別の話)、行方市の2店舗(行方山田→いしばし)をテンポよく制覇します。実はこの段階で既に若干胃がもたれていましたのですがそれはまた別の話。

https://twitter.com/tosaka_public/status/1329962665926565888

行方市のいしばし店は、ツイートでも記述したとおり

・本州に2店舗(※もう1店舗は茨城町のながす店)しか無い旧デザインが残存する店舗
・(写真だとわかりにくいですが)ドアに残る”いらっしゃいませ”の文字はどうも茨城県のセイコーマートの前身だったマミーチェーンの名残らしく、この文字が現存する唯一の店舗
・知る限りセイコーマートで唯一の店名被り(同名の『セイコーマートいしばし店』が北海道は釧路のだいぶ東、浜中町にもあります)
・鹿島鉄道の榎本駅から徒歩2分と肝心の駅が現存しない事を考慮しなければ素晴らしい好立地

と本州でも有数のネタ店舗のため、割と大きな反響がありました。

次に訪問した茨城空港前店は小美玉市で唯一の店舗ですが、空港の目の前と言う立地故に地元以外の方も立ち寄る事が多いという点や、茨城空港には北海道・新千歳空港からの直行便があるため降り立った瞬間目の前にそびえるセイコーマートに頭を混乱させられる人が多い点、その新千歳空港にはセイコーマートが無い(新千歳空港にあるコンビニはローソン)点などから知名度が高い店舗。

その後楽天ペイの利用上限(セイコーマートを含むコンビニでは1日4000円まで)に引っかかりつつも、残る鉾田市内の店舗(鉾田当間→鉾田柏熊→鉾田造谷)を制覇。

https://twitter.com/tosaka_public/status/1329979023322058753

2017年にセイコーマートが撤退した大洗町をスルーし、ひたちなか市唯一の店舗である十三奉行店(偶然にも13店舗目でした)で昼食。この段階で正直かなり満腹だったのですが、いかんせん一人でやっている故に食べないと続きが始まらないので、(ホットシェフなのでもちろん味は確かなものの)何とか弁当をかきこみます。

その後は地理的な関係で水戸近郊にある水戸市の8店舗、茨城町の3店舗、笠間市の3店舗のうち笠間大渕店を除く2店舗の計13店舗(水戸大場→ながす→水戸住吉→吉沢→水戸千波西→きど桜ノ牧→きど桜の郷→ねもと→おぬまや→笠間柿橋→水戸中原→水戸河和田3丁目→水戸堀町)を一気に片付けます。
概ねずっと運転を続けていた故にほとんどスマホを確認していなかったのですが、この頃になってくるとどうもこの企画がそこそこ反響を呼んでいる事に気が付き始めます。いくらツイート数が多いとは言え通知欄は何やらえらいことになっていますし、何よりそれまでフォロー数とほぼ同じだったはずのフォロワー数がいつの間にかそれより200人ぐらい増えています。

https://twitter.com/tosaka_public/status/1330055889668218886

先述の通りお昼過ぎから始まった水戸近郊店舗の制覇。水戸堀町店でこれを終えた頃には秋口とは言えすっかり辺りが暗くなっていました。なかなかの達成感ですが、ここまで制覇してようやく全体の3分の1ですし、ツイートでも述べたとおり水戸と同じレベルのボリュームのある市があと3つ(日立市:7店舗・常陸太田市:8店舗・石岡市:10店舗)あるので、感慨にふけている暇はありません。
まだ、これからです。

うっかり道を間違えたり流しているラジオで突然始まるセイコーマートの話題にビビったりもしながら、もともとセーブオンだった(厳密に言うとセーブオンの建物を取り壊して同じ敷地に再出店)那珂後台店、東海村唯一の店舗の東海須和間店に立ち寄りつつ宿泊地である日立市方面に向かいます。

当初はこのまま日立市内の数店を訪問して投宿する予定でしたが、東海須和間店の段階で時刻は夕方の18時。茨城県内のセイコーマートは概ね22時や23時ぐらいまでは開いていますから、まだ余裕があります。自分の腹の具合と相談した結果、大きく北に外れた立地故に時間がかかる(=その間に腹の具合を多少は落ち着かせる事ができる)高萩手綱店方面を目指しつつ、道中で比較的寄りやすい立地にある常陸太田市東部の店舗など(日立南→常陸太田藤田→はたそめ→まいづる→常福地)を訪問する事にしました。

道中で(大阪や東京に長く住んでいた人間の感覚では)なかなかの山奥を通ったため真夜中ということもあり少々不安がありましたが、無事に茨城県最北端(そして本州最北端でついでに言うと本州最東端)の高萩手綱店までたどり着きました。この段階で夜8時、訪問数は34店舗、走行距離は約300km。ペーパードライバーで運転がヘタクソというのもありましたが、この段階でぶっちゃけもうヘロヘロです。これだけやってもまだ半分にすら到達しないのです。いくら好きでやっている事とは言えこの辺から行っても行っても終わらない錯覚に見舞われるようになりました。あと48店舗。

その後高萩から日立駅近くの宿に戻る道中にある日立市北部(旧十王町含む)の店舗を軽く3店舗(日立川尻→日立かみあい→日立滑川本町)訪問し、この日は夜10時ごろに投宿することとしました。「もう最後にさせてください……。」という一言から嘘偽りない疲労感を感じられます。まあ1日に37店舗も行ったらそうなりますよね。ホテルのWi-Fiにつないで大量に届いた皆様のご意見を簡単に確認しつつ、泥のような眠りにつきます。

2日目

2日目はまず日立市の残りの3店舗を片付けるところからです。宿から一番近い日立大みか店の開店時間が6時であることを確認し、それぐらいの時間に宿を(本当は5時半ぐらいに出れば開店と同時にスタートできたはずですが、そこまでする元気はありませんでした。後述の通り結局この目論見は失敗するのですが)出ます。ところがここで大きなトラブルに見舞われます。

開 い て な い

なんと、6時開店のはずが7時になっても開店していなかったのです。仕方が無いのでとりあえず日立市の残る2店舗(日立台原→くろさわ)を片付けます。
平日月曜から金曜まで労働者を演じている私、日頃日曜の朝といえばたいてい惰眠を貪ってばかりですが、この日は早朝のさわやかな空気に抱かれながらガラガラの道路で車を走らせます。幸い天候にも恵まれました。よく晴れていて渋滞していない日立市ほどドライブに適した街はそうそうありません。内陸の栃木県育ちの私の目には見慣れない大海原が朝日をきらきらと反射しフロントガラスに光と青色を映し出すたびに不思議な旅情を感じながら、7時50分、再び日立大みか店に舞い戻りました。

https://twitter.com/tosaka_public/status/1330282985036410881

まあ、まだ開いてないんですけどね

ここから行きやすい常陸太田市東部の店舗も含め昨日今日の段階であらかた行き尽くしてしまいましたし、何よりこのまま開店しないと企画倒れに終わってしまうため、駐車場に止めた車の中で色々と対策を練っていると、店員さんらしき人がやってきたのでさっそく声を掛けることとしました。

「すみません、6時開店って聞いたんですけど……」
「ああ、日曜は9時開店なんですよ」

……からくりを知ってしまえば大したことはありません。冷静に考えると開店時間が朝9時のコンビニもあまり無いような気がしますが、まあセイコーマートはそういうものなので。とにかくあと1時間の空き時間が唐突に生まれてしまったため、比較的行きやすい常陸太田藤田店と常陸太田久米店を先に片付けることとします。

常陸太田市は本州で唯一「市内で最も店舗数の多いコンビニがセイコーマートの市」として知られています。厳密に言うとセブンイレブンと同率1位なのですがまあそこはご愛嬌と言うことで。ここ数年で店舗数を増やしたらしくどちらも真新しいスタイルの店舗です。「セブンイレブンの跡地に出店」という本州では珍しい経歴を持つ常陸太田久米店でVERSUS(セイコーマートオリジナルエナドリ)を飲んだ段階で時刻は8時45分。移動時間を考えればもう9時開店の日立大みか店に戻っても開いているでしょう。先程通った道を再び走ります。

9時20分。三度やってきた日立大みか店。事前の予告通りさすがに営業中でした。レジを通ると応対したのは先程の店員さん。お会計時にひとつ質問されました。
「この時間まで待ってたんですか?」
……よく考えたら確かにヘンなのです。普通に考えたらコンビニがオープンするまであと1時間もあると言われたら他の店に行けば良いのです。大甕の駅近くにはセブンイレブンやローソンもありますし、どうしてもセイコーマートにこだわりたいのだとしても1kmほど車を走らせれば別の店舗(くろさわ店)にたどり着くような土地柄です。こんな企画をしていなければ敢えて開店後に日立大みか店のレジを通る必要は無いわけです。

https://twitter.com/tosaka_public/status/1330308431010521089


そういうわけでついに企画説明。一通り話すとご理解をいただいたようで、なんとお土産をいただきました。セイコーマートオリジナルエナドリのVERSUS。ぜひ飲んでくださいねとのことでした。つい30分前に常陸太田久米店で買って飲んだばかりとは言い出せず2本目のエナドリを飲み干すこととしました。

日立大みか店の訪問は一筋縄では行きませんでしたが、この段階で42店舗制覇。ようやく半分を超えました。次に向かうは常陸太田市で最後に残った旧水府村エリア。この地域にはコンビニが2店舗ありますが、2店舗ともセイコーマートと言う「所属する県、いや道を間違えた」と一部で評されるような地域です。常陸太田和田店、次いで水府中染店を訪問し常陸太田市を制覇しました。

常陸太田市を片付けた後は途中で謎の渋滞(今思えばたぶん3連休を使って袋田の滝へと向かう行楽客による渋滞だったかと思われますが……)に巻き込まれながらも常陸大宮市の4店舗(常陸大宮鷹巣→大宮若林→えびね→常陸大宮野口)を制覇します。

この辺りで悩まされたのはトイレ。元からトイレが近い体質ではあったのですが、まあエナドリを2本一気飲みしたら当然そうなりますよね。幸いこの企画では店に寄る度にトイレをお借りできたので良かったですが、もしこれが「千葉県の団地を巡回する電車に早朝から深夜まで20時間乗り続ける」みたいな企画だったら今頃は……。

常陸大宮市を片付けた後は城里町の2店舗、那珂市の残った1店舗、笠間市の残った1店舗の4店舗(城里石塚→那珂戸→常北上入野→笠間大渕)を訪問します。途中の那珂戸店で50店舗目の節目を迎えました。この頃になってくると店頭のデジタルサイネージで流れる『大空と大地の中で』(松山千春の楽曲、セイコーマートオリジナルのヨーグルトのCM曲として使用)ですとか、店内放送ですとか、セイコーマートのおなじみのサウンドロゴ……と言った音楽が耳にこびりつくようになりました。そしてラジオで流れてくる話題もなぜかセイコーマートやらリボンナポリンやらそんな話ばかり。自分が本当に本州にいるのかを少々疑いつつありました。

その次の訪問は桜川市の5店舗と筑西市(旧協和町)の1店舗(桜川岩瀬→すずきや→桜川下谷貝→桜川大国玉→大和→真壁羽鳥)。この頃になってくるとやっている方も、そしておそらくは見ている方もだいぶ中だるみが激しくなってきました。この辺りではもう行っても行っても終わらない感覚に襲われつつありました……ゴールが見えないんですよ。もちろん店舗ごとに違いこそありますが、セイコーマートという看板を掲げている以上当然セイコーマートではあるわけですし。この辺、記憶が曖昧です。

地味に店舗数の多い桜川市を制覇し、道幅の狭い湯袋峠を超えると、本州で最も店舗数の多い石岡市にたどり着きます。特に合併で石岡市になった旧八郷町は町内のコンビニ9店舗のうち6店舗がセイコーマートと猛烈な密度を誇ります。これを全部制覇すれば残り14店舗まで片付くというタイミングもあり、まさしく「ラスボス」にふさわしい存在(人様の故郷を勝手にラスボス扱いする事の是非はさておき)と言えるでしょう。

八郷小幡店からスタートし、石岡柿岡→石岡宇治会→石岡瓦谷→石岡園部→はなみち(ここまで旧八郷町)→行里川→石岡東光台→南台→石岡ばらき……と秋の暗い夜道を一気に駆け巡ります。ここまで来るともう無我夢中でした。途中の行里川店でホットシェフの準備工事が行われている様子を見物しつつ、無事に石岡ばらき店へとたどり着きました。

さて、この段階で時刻は午後6時。時間的にもう少し余裕はありましたが、疲れもありますし、残り14店舗ならば明日に回してもそれなりに余裕を持ってゴールできそうです。土浦市に取った宿に向かう道中にあるかすみがうら市の2店舗(上志筑・のぐちや)を訪問して今日の予定を終えることにしましょう。

この日最後のホットシェフ付き店舗となる上志筑店で夕食を取り、ラストののぐちや店へと車を走らている最中、流していたゆるい感じのラジオが突如物々しい雰囲気へと変貌します。

茨城県に緊急地震速報、強い揺れに警戒

運転中に緊急地震速報が発令されるのは初めてなので率直に言ってどういう対応が正解なのかはわかりませんが、とりあえず大慌てで車を路駐させ、ラジオのチャンネルをNHKに変えます。昨日行った県北部東海村で強い揺れを観測し、同地の原子力発電所に異常が無いかを確認中といった物々しいニュースが流れてきます。とは言え、現在地は県南部のかすみがうら市。幸い大きな揺れにも見舞われず、無事にのぐちや店へとたどり着く事ができました。この店舗も何気に古いスタイルの看板(縦看板は恐らく20世紀からそのまま)が残る店だったり、神立駅から近かったりと語るべきポイントが多い店なのですが、まずは無事を報告するところからスタートすることとなりました。

この後土浦市内の宿(土浦市にも店舗はありますが、かなり郊外の旧新治村地区にあるため、翌日に回しています)に投宿しました。「布団の中にいるはずなのになぜかどこからともなくセイコーマートのサウンドロゴ(セイコーマート♪のアレ)が聞こえてくる」と言う2日間でセイコーマートに70回訪問しないと再現が難しい症状に悩まされつつも、眠りにつきました。

3日目

最終日、前述の土浦市の店舗を訪問するのも良いですが、まずは方向的にどん詰まりになる阿見町唯一の店舗、阿見岡崎店を訪問します。
ところが、どうもこの企画は朝イチに何かが起こる傾向があるらしく、ここである意味昨日の日立大みか店以上のとんでもない大事件が発生します。

が ん ば れ と さ か さ ん

いや、もう、この時はえらいことになったと言う気持ちでいっぱいでした。上のツイートの「!?」と言う文字から言葉にならない率直な驚きを読み取っていただければと思います。
いや、だって、想定してないじゃないですか。普通に考えて。ちょっとコンビニに寄ったら自分の名前がでかでかと貼り出されているって。かなり大きく貼り出されていたと言うこともあり駐車場に入る段階で気が付いたのですが、気付いた瞬間に車の中で「にぇぇぇっ!?」と異様な叫び声をあげた覚えがあります。昨日ぐらいから「話題になっている」という自覚はあったのですが、さすがに公式にここまで認知される事になるとは思ってもいませんでした。いやもう本当にびっくりした。
店内に入ると店長さんらしき方がいらっしゃったので「あの張り紙は何か」とご質問。話によると「常総新石下店の店員さんがこの企画に気が付いて、茨城地区のセイコーマートの従業員の方々の間で話題にしていた。見てみたらまだ自分の店には来ていなかったのでこれはもう応援するしかない。」とのでした。いやもう恐縮です。私はただコンビニに行ってきただけのオタクです……。
とは言えそうなってくると今度はこれから向かう常総新石下店でも企画説明を行う必要がありそうです。残り11店舗の道のりを無事に終える事を誓い、再び車を走らせることとしました。

さて、早朝からテンションを上げ、ゴールが見えてきたと言うこともありテンポよく店舗網を攻略していきます。土浦市唯一の店舗である土浦大畑店を訪問して残り10店舗、その次は筑西市の残る2店舗(明野中上野→筑西舟生、なおこの当時グランテラス筑西店は未開店でした)を制覇。午前9時半に八千代町のむらい八千代店を訪問すれば残りは7店舗となります。順調に進めばお昼ぐらいには終わりそうです。

その後は坂東市と境町の3店舗(坂東逆井→境大歩(さかい・わご)→坂東長須)、次いで常総市に入り常総鴻野山店を訪問します。
お次はいよいよ前述の事件の発端となった常総新石下店です。店員さんにお声を掛けたところやはりご存知とのことで、ここまで認知されるとなんだか恐縮だなと思いながらもカウントダウンを残り2店舗まで進めました。

続いて駐車場が広い常総本豊田店を制覇すれば常総市もコンプリート。そして、残るはあと1店舗になりました。つくば市唯一の店舗、つくば今鹿島店をゴールに設定します。

そして、ついにこの時が来ました。ここにしたためた通り、思えば色々な事がありました。セイコーマートで、そして茨城県で、81店舗分積み重ねた思い出を胸に噛み締めながら駐車場へ入るウインカーを出します。

スタートから丸2日と3時間、総走行距離は695km。午前11時48分。ついに”茨城県のセイコーマートぜんぶ行く”を実現しました。

その後、つくば今鹿島店で買ったホットシェフの豚丼をかきこみ、82回もした買い物のおかげて後部座席に大量に溜まった商品をかばんに詰めるなどの作業を行いつつ、家へと戻りました。正直帰りの電車の記憶がほとんどありません。まあ、疲れてたのでしょう。ええ。

その後

その後家に戻り、ここ数日溜まっていた睡眠負債を返す午睡を取った後、Twitterを見返すと色々な反応が返ってきていました。数が多かったですし気が付いたらフォロワーさんも400人ぐらい増えていた(セイコーマートファンの方や”旅行オタク”と評される一定の層の方が多かったですが、中には普通の茨城県民の方ですとか、なぜか声優さんまで色々な方からお声掛けいただきました)ためそのすべてに反応する事はできませんでしたが、中には嬉しい言葉もあり大変光栄でした。
また、その後も一部の界隈で「茨城県のセイコーマートをぜんぶ制覇した人」として扱われる事があり、少々気恥ずかしくもありますが、一方でこちらも光栄でした。
後は阿見岡崎店に貼り出されたあの張り紙の画像が大学時代の知人の間でネタにされたりしたこともありましたが、まあそれは余談でしょう。


それから、色々なご質問も届きました。当日ツイートでも反応しましたがいくつかご紹介します。


Q:”北海道のセイコーマートぜんぶ行く”はやらないのか。
A:北海道の面積、セイコーマートの店舗数はともに茨城県のそれのおよそ13倍あります。今回の企画に3日程度の時間、金銭的には5万円以上の費用がかかっている事を考えると、単純計算で”北海道のセイコーマートぜんぶ行く”には39日程度の時間、65万円以上の費用がかかる事になります。正直、厳しいです。
Q:なぜ茨城県のセイコーマートなのか。例えば「大阪府のファミリーマート」とかの方がネタとしてはわかりやすいのではないか。
A:先述の通り、埼玉県のセイコーマートをかねてから制覇していたため、その流れで自然とこうなった……と言うだけです。失礼ながら「よくわからない県のよくわからない店の話をされてもよくわからんわ」って反応は想定の範囲内ではありました。色々なネタでどしどし二番煎じしていただきたいところですが、飲食店チェーンで同じことをやると明らかに途中で腹がちぎれるので、企ててらっしゃる方はご注意いただければと思います。
Q:こんな事をして何が楽しいのか。
A:まあ、趣味なので。正直客観的に見たら意味わからないと思いますが、なんだかんだ言って達成感はありますし、茨城県方面のつながりも結果としてできました。SNS上では名刺代わりに使える(?)話のネタもできましたし、色々と良い点は多かったですよ。当日はさすがにちょっと大変でしたけどね。でも、終わってみれば良い思い出ですよ。お前もやれとは言いませんが。
Q:Youtuberじゃないのか。
A:違います。動画の編集スキルは無いですし、あまり大声では言えませんが、Youtuberにはちょっと苦い思い出があるので今の所手を出す予定はありません。

以上、ここで筆を置きたいと思います。また気が向いたら色々と追記するかもしれません。

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