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2022年は「位置情報サービス」元年になる

サービス開始から約1ヶ月で100万ダウンロードを達成した人気アプリのMiles(マイルズ)」。毎日の移動でマイルがたまるのがユーザーに好評です。

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『日経トレンディ』(2021年12月号)に掲載されている「2022年ヒット予測ランキング」でも、堂々の第1位を獲得しました。

「Miles(マイルズ)」の人気には、私も驚きました。位置情報サービスの基盤となる地図サービス開発プラットフォームを提供する会社の一人として、見て見ぬ振りはできません。

なぜ今、Miles(マイルズ)に注目が集まるのか? 「ソーシャルグッドを行動で示す」「『ながら』需要」「『プロセスエコノミー』の時代」という3つの理由から、読み解いていきます。

理由①:ソーシャルグッドを行動で示す

1つ目は、”脱炭素”などのキーワードに象徴されるような「環境問題」が、待ったなしの状況となっていることが挙げられます。

これは今にはじまったことではありませんが、特にここ数年は、「環境によくない」という概念的な捉え方だけではなく、経済活動そのものに対しても大きな影響を与えています。目に見えるカタチとなったことで、より現実的な課題として捉えられ始めています。

NHKは『NHKスペシャル』(グレート・リセット〜脱炭素社会 最前線を追う〜)、『国際報道2021』(新エネ拡大、石炭依存脱却できるか〜中国の課題〜)などで、相次いで「脱炭素」を特集していました。

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番組内では、科学者たちのコメントに加え、三井物産が、燃焼時に二酸化炭素を排出しないアンモニアをオーストラリアから調達するプロジェクトを走らせていることが取り上げられていました。

また、世界第2位の経済大国である中国が、経済発展によって増え続ける「電力需要」と「脱炭素」という、本来は相容れない2つのゴールを実現するためにチャレンジしている様子も描かれていました。

『国際報道2021』では、中国全土の地図を使ってエネルギーを効率よく使っている地域、そうではない地域を視覚化していました。ちなみに、環境問題などに取り組むNGO支援から始まったマップボックスの技術を使えば、そのあたりはお手の物です。参考記事↓↓↓

さて、衆院選後に、岸田文雄首相が「COP26(国連気候変動枠組み条約締約国会議)に参加するために渡英」と報道されたように、国際社会において「環境問題」は避けては通れない課題となっています。投資分野でESG投資という言葉がさかんに使われているのも、こうした流れを受けてのことではないでしょうか。

そして、そうした政治、経済分野の動きに呼応するように、私たち個人にとっても、ウェルビーイング、ウェルネスといったテーマが身近なものとなっています。つまり、地球規模で環境問題を考えると同時に、「同じ消費をするなら、環境負荷の少ないものがいい」「できるだけ健康にいい生活をしたい」というように、個人単位でも健康や幸福といった価値が見直されつつあるのです。

だからこそ企業も、環境負荷が少なく健康によい移動をすることで、より多くのマイルが手に入る「Miles」のようなソーシャルグットなサービスに賛同し、参加を表明しているのではないでしょうか。

理由②:「ながら」需要

2つ目は、複数のことを同時に行いたい、いわゆる”「ながら」需要”です。

通勤、通学の電車内でNetflixの映画を観る、音楽を聴きながらランニングする、料理をしながらラジオを聴く──こうした行動は、今ではさほど目新しいものではありません。

何が違ったのかといえば、おそらくコロナ禍によって一時的に移動が制限されたことで、「移動の価値」が再評価されたのだと思います。

多くの人が「移動」そのものを意識するようになったことで、「せっかく移動するなら、最大限楽しみたい」「1回の外出で、複数のことを済ませたい」と自然と思うようになったのではないでしょうか。

コロナ禍の2020年にローンチされた音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」は、瞬く間に世界中でユーザーを獲得しました。

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何かをしながら聴くことができる音声メディアに、多くの人が魅力を感じたからではないでしょうか。

理由③:「プロセスエコノミー」の時代

3つ目は、商品やサービスそのものの価値にお金を払うだけでなく、それらが生まれるプロセス、あるいは背景にある物語に共感し、楽しむような消費行動が活発になっている点です。

「プロセスエコノミー」という言葉もよく使われるようになりました。

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たとえば、YouTuber、TikTokerを支援する「投げ銭」のような仕組みがあります。クラウドファンディングで個人のプロジェクトに資金援助するのも、視聴者、ユーザー側が、最終成果物だけでなく、支援するという行為、あるいはストーリー、プロセスを楽しんでいるからに他なりません。

位置情報サービス業界でいえば、2009年にローンチされた「Foursquare(フォースクエア)」は、どちらかといえば目的地にたどりつく(チェックインする)ことが重要であり、バッジを入手できるなどのゲーム性が人気です。

一方「Miles」は、「移動する」というプロセスを楽しむための仕掛けが実装されたことが重要です。移動は単に目的地にたどり着くための「手段」ではなくなったのです。

「位置情報サービス」はもっと身近なものになる

そして、ここまで取り上げた3つの要素を内包した位置情報ゲームが、時を同じくしてローンチされました。任天堂とNiantic(ナイアンティック)が開発したPikmin Bloom(ピクミン ブルーム)です。

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早速ダウンロードして遊んで見たところ、まず感じたのは『ポケモンGO』よりも「歩数計」的な要素が強調されている点です。もっと言えば、『ポケモンGO』に比べて、ある意味でゲーム性を薄めることで、歩くことの価値を鮮明に打ち出しているようにも感じました。

かつてGoogleマップ開発の指揮をとり、今現在はナイアンティックCEOを務めるジョン・ハンケ氏が、『ピクミン ブルーム』について、「ゲームというよりは毎日の散歩を楽しくする仲間のようなものです」と語っていることもうなずけます。

おそらく、『ポケモンGO』とは違ったユーザー層を取り込むことを狙ってのことだと思いますが、歩くという行為に一体化しているという特徴は、今後の位置情報ゲーム界を占う試金石になりそうです。

『ポケモンGO』のようにゲーム性の高いサービスに加えて、今後は『ピクミン ブルーム』のように「移動」そのものに溶け込むようなゲームの開発も進んでいくと個人的には予測しています。

あらゆるサービスとつながる「地図」の可能性

ここ最近の私の日課は、ゲーム雑誌の『ファミ通』を熟読しながら、「普段なにげなくしている行為が"ゲーム化する"ことで楽しくなったり、苦が苦でなくなったら、どうなるのかな?」と考えることです。

たとえば、あるゲームの利用者が飲食店に入って支払いをする際、PayPayやLINE Payを使うと、飲食代の半分がゲーム内で使えるコインになるといったサービスです。ゲーム用のQRコードを読み取る仕組みを構築すれば、スムーズに実装できるような気もします。

こういったサービスがあれば、コロナ禍で苦境にある飲食店を支援することにつながりますし、観光客の足が遠のく"地方創生"という文脈でも活用できそうです。

ほかにもいろいろと考えられそうです。たとえば、すでに日本コカ・コーラは、「Coke ON ウォーク」というプログラムをローンチしています。

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この仕組みに自動販売機で飲み物を購入する以外にも、空き缶や空のペットボトルをゴミ箱に入れるという日常的な行為と何かしらのゲームが連動すると、もっとわくわくするのではないでしょうか?(たとえば、海岸で空き缶を集めると、敵を倒すための武器がもらえるとか、ボスを倒せるなど)

公共性の高いものでいえば、交通ルールを守るとポイントが貯まって、高速道路の料金が値引きされるとか、ガソリン代が安くなるというようなゲーム性を有したサービスがあれば、交通事故数を減らすことに貢献できるかもしれません(たとえばスポンサーに保険会社さんが名乗りを上げるなどの展開があるかもしれませんね)。

「位置情報サービス」にマップボックスができること

そうしたサービスを開発するときに欠かせないのが「地図データ」です。地図と連動させたゲームやサービスを作るときの主な要素は次の3つです。

1、ゲームの世界観に沿ってデザインされた地図(ゲーム用地図)
2、遊べる場所を定義した地図(プレイ可能エリア)
3、ゲームデータ検索

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「1」は、通常のゲームと同じように、プレイヤーが旅をするマップのことを指しています。ドラゴンクエストシリーズの特徴的なマップを思い浮かべていただくと、わかりやすいのではないでしょうか。

「2」は、安全性の確保のためにも欠かせない要素となります。たとえば、アイテムを高速道路上、あるいは駅のホームなどで入手できるようにしてしまうと危険ですし、軍の施設など、入ってはいけない場所も除外する必要があります。

「3」は、ゲームのユーザーがアイテムの位置を検索したり、周辺の飲食店を調べたりすることを可能にする機能になります。

上記は、ゼロから作るのは簡単ではありませんが、逆に言えば3つさえ揃えば、自社で開発することが可能になります。そのパートナーとして、マップボックス・ジャパンが存在すると考えています。

最大の利点は、パブリッシャー自身がゲーム内で得たデータを蓄積することが可能になることです。マップボックス・ジャパンの有する地図データを使いながらも、自社でデータを管理することで、シームレスに他のゲーム開発に応用することができます。また、そうしたデータを使って、さまざまなサービスを展開することも可能になります。

テクノロジーの進化によって「地図」というプラットフォームが、「ゲーム」「決済」「広告」「ロジスティック」「不動産」「観光」といった多くの分野と連動し始めました。

まさに「位置情報サービス元年」です。地図の果たす役割はかつてないほどに広がっていると感じています。

マップボックス・ジャパンHP

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