そのかくしふだ、なんとなく撃っていませんか?〜パオジ、サナ、ロスギラにおけるかがゲコの役割を考えよう〜
こんにちは。
トルスケ(@torusuke0046)と申します。
今回は、皆さんご存知超汎用カード、かがやくゲッコウガについて考察していきたいと思います。
パオジアン、サーナイト、ロスギラ等環境デッキで採用されており、1枠しか入れられないかがやく枠なのにも関わらず見ない日はありません。
なので皆さんも飽きるほどに使ってきたと思いますが、参考にしたレシピに入っているからといって、何となく、漫然とデッキに入れて使っていないでしょうか。
自分はジムバトルやシティリーグの優勝レシピをそのまま使ってみることはとてもいいことだと思っていますが、それと同時に、なぜこのようなデッキ構築になったのかを、カード1枚1枚を吟味しながら考察することも大切だと思っています。
なぜなら、そうすることで、環境の変化に対応してここの採用枚数を変えてみようとか、自分にとっては使いづらいのでここのカードは抜いて他の使いやすいものにしてみようとかいった、チューニングができるようになるからです。
また、そのままのレシピで使う場合も、採用理由を知っていれば、今の場面で使っていいのかどうかがはっきりと分かると思います。
特にロスギラなどは、状況によってゲッコウガの特性を使うかどうかをよく吟味しなければなりません。(後にロスギラデッキの項で説明します)
とまぁ、偉そうに言いましたが、そういった採用理由だとかは、皆さんデッキを使っていくうちに、感覚的には理解していることだと思います。
ですので、今回の記事は、特にかがやくゲッコウガに焦点を当てて、皆さんが感覚的に思っていることの言語化をする作業の一助になれればと思って書いています。
(書いてる途中で気づいたのですが、かがゲコを主に説明しようとしたら、結局ほぼデッキ概要を語るみたいな感じになっていました・・・なので結構長くなりましたが、まぁ気楽に、何回かに分けて読んであげてください)
かがやくゲッコウガの性能について
各デッキにおけるかがゲコの役割を見て行く前に、まずはかがやくゲッコウガというポケモンが、何をできるのかを見ていきましょう。
かがやくゲッコウガができることは、主に3つに分けることができます。
手札からエネルギーをトラッシュすることができる。
山札を2枚引くことができる。
技げっこうしゅりけんで、相手のポケモン2匹に90ダメージを与えることができる。
ここで重要なのは、特性かくしふだでの効果を一纏めにせず、あえて分けて考えておくことです。
山札を2枚引くことに目が行きがちですが、エネルギーをトラッシュするというのはデッキによっては非常に重要になり、これができるかどうかで勝敗に直結することもあります。
また3の技についても非常に強く、水エネルギーが入っているデッキではこの技を撃つことができ、相手のポケモン2体を倒して盤面を崩壊させつつサイドを2枚取ることができます。
つまりかがやくゲッコウガとは、システムもでき、アタッカーとしても活躍できる、超万能ポケモンなのです。
さて簡単にゲッコウガについて見たところで、次の章からは環境デッキにおけるかがゲコの役割について詳しく見ていきましょう。
パオジアンデッキにおけるかがゲコの役割
パオジアンデッキの概要
まずはパオジアンデッキの概要(主に回し方)について押さえておきます。
ここでいうパオジアンデッキとは、今主流なアルセパルキア無しの、純粋なパオセグ構築を指しています。
このデッキで押さえておきたいポイントは、全ての攻撃の起点がセグレイブに依存しているということです。
セグレイブの強い点は言わずもがな、特性きょくていおんで自分のポケモンに好きなだけ水エネルギーをつけられることです。
しかも、130ダメージというそこそこの技を持っているので、いざとなればこのポケモンで攻撃することもできます。例えばそらをとぶピカチュウvmaxなど、パオジアンでダメージの通らないポケモンなどが出てきた時は、代わりにこのポケモンで殴るということができます。
しかし良くない点が1つあり、それは、2進化ポケモンだという点です。
これは2進化ポケモン全てに共通して言える点なのですが、やはりたねポケモンや1進化ポケモンに比べて、2進化は出しにくいです。
流石に2ターンかけて進化するのは現環境においてあまりにも悠長なので、基本的にはふしぎなアメを使って進化させるのですが、それによって要求札が1枚増え、2進化ポケモンとふしぎなアメを都合良く同時に持っていないと進化できないということになります。
そこでこのデッキでは、その点を解消するために、カイというサポートを採用しています。
水ポケモンとグッズを1枚ずつ持ってこれるので、これ1枚使うだけで、セグレイブとふしぎなアメが揃います。
また後攻1ターン目にバトルvipパスを持ってきたり、スーパーエネルギー回収、クロススイッチャー、キャンセルコロン、ロストスイーパーなど、状況に応じて有用なグッズを持ってきたりできます。
ということでパオセグにおけるカイは非常に強く、重要度も高いのですが、それは裏返すと、カイへの依存度が高すぎるという問題が発生します。
少し話がズレますが、「確定サーチ」と「縦引き」という言葉があります。
確定サーチとは言葉の通り、カイのように山札から指定のカードを選んで持ってくる効果のことです。
縦引きとは、博士の研究やナンジャモのように、山札の上からカードを何枚か引く効果のことです。(この説明で分からない人はググってください)
この2つは良い面と悪い面が対極になっていて、確定サーチは自分で選んで持ってこれる代わりに手札の枚数が増えにくく、またサーチできる種類でないものは持ってこれません。逆に縦引きは手札の枚数が増える反面、望みのカードが引けるかどうかは運によります。
カイはもちろん確定サーチの効果を持っているので、手札を増やしにくいです。
しかしこのデッキにはスーパーエネルギー回収、ハイパーボール等手札を捨て発動するカードがふんだんに入っているので、手札は多いに越したことはありません。
さらにポケストップ等のスタジアムはカイでは持ってこれないので、素引きする必要があります。
では、カイの代わりに縦引きをできるカードが入っているのでしょうか。
このデッキのシステムとなるカードを見ていきましょう。
まずはパオジアンです。このカードはメインアタッカーでありながら、特性「わななくれいき」で水エネルギーを2枚持ってくるという効果があるので、システムポケモンの役割をも担っています。
水エネルギーの枚数は、そのままヘイルブレードの火力に直結するので、わななくれいきを毎ターン使って、手札の水エネルギーを増やしていくということは非常に重要です。
しかしながら、このカードも確定サーチをするカードなので、縦引きをしていくことができません。
次は特性「はたらくまえば」のビーダルです。
このカードは山札の上から引いていけるので、貴重な縦引きのできるカードとなっています。
特に終盤のナンジャモやツツジなどに強く、それらのカードで手札を1枚や2枚に減らされても、「はたらくまえば」を使えば、すぐに手札の枚数を5枚にすることができます。
また、ドローシステムポケモンの中で唯一ルールを持っていないポケモンなので、雪道下でも特性を発動することができます。
これはパオセグにとっては非常に大きく、後述するようにこのデッキはパオジアンで水エネルギーを持ってきてかがゲコで2枚引くという動きで回していく形が多いのですが、これら2枚は雪道下では特性が止まってしまうので、そのような場面で「はたらくまえば」を使い、雪道を割るカードを探しに行くという動きができるようになります。
しかしながら、手札を増やすという面では、5枚までしか引けないというのは少し物足りないです。
というわけで、パオジアンデッキは、パオジアンやカイといった、縦引きよりも確定サーチをするカードが多いです。
特にビーダル不採用のパルキア採用デッキなどはその傾向がより顕著です。
つまりパオジアンデッキにとっては、縦引きができるカードはとても貴重なカードになるのです。
それを踏まえて、パオジアンデッキにおけるかがやくゲッコウガの役割を見ていきましょう。
かがやくゲッコウガの役割
「かがやくゲッコウガの性能について」で見た、かがゲコにできることをおさらいしましょう。
手札からエネルギーをトラッシュすることができる。
山札を2枚引くことができる。
技げっこうしゅりけんで、相手のポケモン2匹に90ダメージを与えることができる。
結論から言えば、パオジアンデッキにおいては、上にあげた3つの役割を全て遂行するために採用されています。
では3つの内どの性能を重く見て採用されているか、重要度順に並べるとするなら、
山札を2枚引くことができる。
技げっこうしゅりけんで、相手のポケモン2匹に90ダメージを与えることができる。
手札からエネルギーをトラッシュすることができる。
となるかと思います。
1と2は正直同じくらいの重要度と思ってもらって構いません。
実際「げっこうしゅりけん」を強く撃つために、クロススイッチャーとキャンセルコロンが採用されています。
しかし、2の性能は刺さるデッキ(サーナイト等)と刺さらないデッキ(アルセウス等)の差が顕著で、使わない時は全く使わないので、雪道さえなければどのデッキに対しても使う1の性能を重く評価しました。
また3についてですが、パオジアンデッキにはスーパーエネルギー回収があるため重要なのではないかと思われるかもしれませんが、別に「かくしふだ」で捨てなくても、「ヘイルブレード」や「げっこうしゅりけん」で技を撃った後にどうせ大量にエネルギーがトラッシュにいくので、そこまで重要ではないです。
むしろ手札の水エネルギーが減ることがちょっときついシーンも多いです。
というわけで総括すると、パオジアンデッキにおけるかがゲコは、「貴重な縦引きができるシステムポケモンでありながら、小物の多いデッキに対してはアタッカーとしても活躍できるポケモン」という立ち位置になります。
サーナイトexデッキにおけるかがゲコの役割
サーナイトexデッキの概要
サーナイトexデッキの詳しい概要は、前回noteに記してあるので、そちらをご覧になってください。
ここでは、簡単にサーナイトexデッキの概要について述べたいと思います。
サーナイトexデッキでは、攻撃の起点としてサーナイトexの特性「サイコエンブレイス」が重要になってきます。
特性「サイコエンブレイス」は、トラッシュから超エネルギーを場の超ポケモンに好きなだけつけられる特性で、これによって技「ブレインウェーブ」を持ったサーナイトやザシアンvにたくさん超エネルギーをつけて、高火力で殴っていくということができるようになります。
ですので、火力を出していくためにはトラッシュにどれだけ超エネルギーがあるか、ということが重要になってきます。
ここまで言えば察しがついている方も多いと思いますが、この点を踏まえた上で、かがゲコの役割を見ていきましょう。
かがやくゲッコウガの役割
さて、サーナイトデッキにおけるかがゲコの役割を、重要度順に並べると以下のようになります。
手札からエネルギーをトラッシュすることができる。
山札を2枚引くことができる。
技げっこうしゅりけんで、相手のポケモン2匹に90ダメージを与えることができる。(撃てません!)
まず3はそもそもデッキに水エネルギーが入っておらず技が打てないので除外します。
2の縦引きも結構重要になってくるのですが、やはりサーナイトデッキにおいては1の方が重要でしょう。
他にも超エネルギーをトラッシュできるカードは多く入っていて、特にキルリアの特性「リファイン」はエネルギーに限らず全てのカードをトラッシュでき、手札にエネルギーがなくても使えるので、そっちの方が強いじゃないかという風に思われるかもしれませんが、かがゲコはたねポケモンという点が重要で、キルリアが場に出ない1ターン目から超エネルギーをトラッシュしていくことができます。
特に、ミラージュステップで展開していく場合は、リファインのキルリアが場に出るのは3ターン目からになるので、それまでにエネルギーをトラッシュできる機会が得られるというのはとても重要になってきます。
逆に言えば、キルリアが場にたくさん並んでいる中終盤になっていくとかがゲコの役割はどんどん薄くなっていって、むしろ手張りや月明かりの丘での超エネを確保するために、「かくしふだ」は撃たない方がいいという場面も増えてきます。
というわけでサーナイトデッキにおけるかがゲコの役割を総括すると、「1ターン目から超エネルギーをトラッシュできる貴重なカード(しかも2枚引きできる)」ということになります。
ロストギラティナデッキにおけるかがゲコの役割
ロストギラティナデッキの概要
さて、今までと同じように、まずはデッキの概要を見ていきましょう。
もう慣れてきたかと思いますが、デッキの概要を掴むときは、まずは攻撃の起点を見ていくのが重要です。
ロスギラデッキの起点となるカードは、グッズのミラージュゲートです。
このカードはロストゾーンが7枚以上ある時、2種類の基本エネルギーをデッキから場に好きなようにつけることができます。
2種類の基本エネルギーをデッキから場につけるというのはとても強いのですが、その強さゆえに、ロスト7枚以上という制限が付けられています。
そのため、主にアクロマの実験やキュワワーの特性等を使ってロストゾーンを貯めていくのですが、2つとも優秀な縦引きカードであり、そしてそれがゆえに、ロストゾーンを7枚貯めるまでに、エネルギーが大量に手札に来てしまうという状況がよく発生します。
基本的にロストデッキはキュワワーやアクロマで手札の枚数を増やし、有用なカードをキープしていくという動きが強いので、手札を山札に戻すカードである、ナンジャモやジャッジマンを積極的に撃つデッキではありません。
もちろんそれら(ナンジャモ、ジャッジマン等)のカードを使うこともありますが、その後に運よくミラージュゲートが引けるとも限りません。
そのため、手札にエネルギーが貯まる問題は、ロスギラにおいて非常に由々しき問題なのです。
その点を踏まえて、かがゲコの役割を見ていきましょう。
かがやくゲッコウガの役割
これまでと同様に、役割を重要度順に並べてみましょう。
手札からエネルギーをトラッシュすることができる。
山札を2枚引くことができる。
技げっこうしゅりけんで、相手のポケモン2匹に90ダメージを与えることができる。
一応順に3つ並べましたが、3つとも同じくらい大事で、場面によっては順番が変動するということは念頭に置いておいてください。
ただ、なぜエネルギートラッシュに一番重きを置いたかというと、それがかがゲコにしかできない唯一の役割だからです。
2については、ロスギラデッキにはアクロマやキュワワー、いざとなればギラティナvのアビスシーク等優秀な縦引きカードがあり、しかもそれらは、ロストを貯めることもできます。
3については、ヤミラミというカードもあり、(まぁげっこうしゅりけんとロストマインは全然違う効果ですが小物狩りという点では似ているということで・・・)超エネルギー1枚で撃てる点、ダメカンをいくつ乗せるかを好きに調整できるという点ではヤミラミの方が優秀とも言えます。
しかし先ほど述べたような「手札にエネルギー貯まる問題」を解決してくれるカードはかがゲコ以外にはナンジャモとツツジくらいしか無く、その2枚も使える場面は限定的です。(序盤はなるべくアクロマを撃ちたい)
その点、エネルギーを「かくしふだ」でトラッシュにキープしておいて、すごい釣竿を使った後にミラゲを使うという動きは、手札を大量に抱えるというデッキの性質上やりやすく、さらにデッキにエネルギーが多く混ざり、「はなえらび」等でロストに送ってしまうリスクを減らしてくれます。
逆に、ロスギラにおける「かくしふだ」をただただ2枚ドローするためのカードという風に捉えていると、捨ててはいけないエネルギーも不用意に捨ててしまい、後々エネルギーの枚数が足りないということも発生してしまいます。
ですので、「かくしふだ」を使うときは、山札、トラッシュ、手札にあるエネルギーの枚数を意識しながら撃つようにしましょう。
というわけで、ロスギラにおけるかがゲコの役割を総括すると、「万能。ただしエネルギーをトラッシュする必要性について考えながら「かくしふだ」を使おう」という感じになります。
最後に
いかがだったでしょうか。
本当は未来古代発売前に書き上げたかったのですが、時間の都合上発売後になってしまいました。
noteを書くのは2回目ですが、いつも書きたいことが多過ぎて、どうしても文章が長くなってしまいます・・・(それでも端折った部分も多いのですが)
今回はかがゲコというカードに焦点を当ててデッキにおけるカードの役割を見てきましたが、他のカードにおいても、なぜこのカードが採用されているのか、なぜこの枚数なのかを考えることは、プレイングの向上という面でもとても大切だと思います。
特に最近はネットのレシピを使うことが多いと思いますが、もし考えた末に違うなと思ったら、積極的にマイナーチェンジしていくのもとてもいいと思います。
優勝したデッキレシピだとしても、「その時その場所で」優勝したに過ぎず、時間、場所が変わればいくらでも環境は変わるので、「その時その場所に」最適な形にすることを意識するといいと思います。
また、人のレシピを見て採用理由を考察できるようになれば、新たにデッキ構築をするときの参考にもなると思います。
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ここまで読んでくれてありがとうございました。
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