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Torus (トーラス) by ABEJA

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Torus(トーラス)は、AIの社会実装を手がける、株式会社ABEJA(https://abejainc.com/ja/)のオウンドメディアです。「テクノロジー化する時代に、あえ…
運営しているクリエイター

2019年7月の記事一覧

AIのスタートアップが、あえて「人」をみるメディアを始める理由

はじめまして。 私たちは、ABEJAというスタートアップで、世の中のあらゆる場所にAIを組み入れるための仕事をしています。 このたび、Torus(トーラス=円環)というメディアを始めます。コンセプトは、「テクノロジー化する時代に、あえて人をみる」としました。 AIというテクノロジーを使った仕事をしている私たちが、なぜ「人を見る」メディアを始めるのか。 「AIのことを考え始めると、人とは何かを考えずにはいられなくなる」 ともに働く仲間は皆、口をそろえてこう言います。「人

AI時代に起きる「デジタルカルテル」とは。 独禁法の観点から弁護士が解説

近年、個人の行動や嗜好などの情報をもとにサービスを提供する企業が増え、その収集技術も広がってきました。一方、データをめぐる政策づくりの動きも世界で本格化しています。大量のデータ、それを処理するAIが社会にもたらす影響は、法律や政策、倫理規範にも及ぶことになるでしょう。 AIを手がける企業は、データとどう向き合うべきなのでしょうか。独占禁止法の専門家、池田毅弁護士による解説を紹介します。 データによる支配力の拡張本日は、データと独占禁止法(独禁法)、AIとカルテルというテー

「当事者のエゴが時代を変える」。吉藤オリィが参院選で見たある風景

2019年7月22日の投開票の参院選。「れいわ新選組」が擁した筋萎縮性側索硬化症(ALS)と脳性まひの当事者2人が比例区で当選した。 病気や障害、引きこもりなどで外に出られない人のために「分身ロボット」を開発してきた吉藤オリィさんは、感慨無量でその結果を受け止めたという。 「寝たきり」の候補者が会見に臨み、街宣で人だかりに囲まれて思いを訴え、開票結果をともに見守った風景。 オリィさんは、そこにテクノロジーや制度の進化、人々の汗を見たという。 当事者本人の「やりたい」と

【AIの作り方、回し方】 いまさら聞けない、でも知りたい。 AIってなんだ?(後編)

「日本はいつの間にかAI後進国になってしまった」—ソフトバンクの孫正義社長が、7月17日の「SoftBank World 2019」でこう発言したことが話題になりました。 AI(人工知能)について“自分とは無縁だ”と感じている人もいるかもしれません。しかし、AIは私たちにとってごく身近な存在です。AIエンジニアたちは「AIの研究は、人間の研究である」といいます。  * 4月25日に開かれたメディアセミナー「いまさら聞けないAI」を2回にわたりお届けしています。後編のテー

【AIの歴史と進化】 いまさら聞けない、でも知りたい。 AIってなんだ?(前編)

ソフトバンクグループの孫正義社長(兼会長)が7月17日の「SoftBank World 2019」で、日本国内のAIの普及状況について、警鐘を鳴らしました。 「日本はいつの間にかAI後進国になってしまった。ついこの間まで、日本は技術で世界最先端の最も進んだ国だったが、この数年間で一番革新が進んだAIの分野で、完璧な発展途上国になってしまった(中略)手遅れではないが、今始めないと手遅れになる」 AI(人工知能)は、これからの社会、経済の発展において欠かせないテクノロジーです

土地に縛られる人々に自由を。世界を席巻する農業版「カーナビアプリ」が目指す未来

トラクターでまっすぐ走りたい。 世界中の農家が抱くこの望みを、スマホのアプリで解決した人がいる。 濱田安之さん。 トラクターなどの農機の直進運転をサポートする農業版のカーナビアプリ、AgriBus-NAVI(アグリバス・ナビ)を1人で開発した。ダウンロード数はいま、15万超。世界各地の田畑で、このアプリが農機を先導している。 農作業の自動化をも見据えるうち、 濱田さんはこう考えるようになったという。「土地から逃げられない職業」だった農業から、人の身体が解放される日が来るの

スタートアップにこそチャンスあり。 AI時代に求められる「攻め」の企業法務とは?

法務といえば、ときにはビジネスにストップをかける「守り」の存在と思われがちです。しかし今後ビジネスでは「攻めの企業法務で差がつく」と淵邊善彦(ふちべ・よしひこ)弁護士は指摘します。 AIの普及にともない、技術に法律が追いついていないケースも見られるなか、企業は事業と法務の判断をどうくだせばいいのか。AI時代の企業法務のあり方について、淵邊さんに話を聞きました。  グレーゾーンからイノベーションは起きる―AI時代の到来で、企業が留意すべき法的課題は変わりますか。 企業は、

「人間らしく生きたかったなあ」亡き父に渡された1枚の履歴書。

長谷直達です。 ABEJAに入社して3年。6月30日をもって取締役を退任しました。7月末には九州に移住し、今後はフェローとして会社を応援する立場にまわります。 この3年は、本当に刺激的でかけがえのない日々でした。ですが、プライベートでのさまざまな経験を通じて「自分らしくありたい」と考え、自ら退任することにしました。退任を決めるまでの心のあゆみを、ここに綴ることにしす。 仕事の節目の日、父にがん「余命3カ月」滋賀県で育ちました。共働きの両親は忙しく、僕は犬や猫など動物に囲ま

「性欲は、なぜある?」が揺るがす常識の壁

見た者はざわつきとともに考えずにはいられなくなる。そんな作品を発表し続けてきた現代美術家・長谷川愛さん。インタビュー前編では最新作“Alt-Bias Gun”や創作の原点を聞いた。後編では長谷川さんを突き動かすものを探る。 潜在的な欲望、倫理的な問題を引っ張り出したい自分が抱える悩みや問題意識が、アートプロジェクトの出発点です。実現できるかどうかはさておき、解決法や選択肢を想像し、どうしたらそれが実現するかを考えていくのです。 たとえば「子どもがほしいか?」という問いがあ

「撃たれやすい顔」への引き金を止める。AIが揺さぶる人の思い込み

死角から飛んできたボールは避けようがない。直撃されて脳と心が揺さぶられる。現代美術家・長谷川愛さんのアートプロジェクトを見た時の印象をたとえると、まさにこんな感じだ。科学技術をモチーフに、人のありようを浮き彫りにする。それらの軌跡と思いを2回に分けて紹介する。 人の偏った認知を「銃」が問い返す 2018年、長谷川さんは“Alt-Bias Gun”という作品を発表した。 このプロジェクトは人の偏った認知バイアスを機械学習等で学ばせ、逆張りもしくは別のバイアスを道具に実装し「

1枚の写真からアイデアが生まれた。 唯一無二の手書きロゴができるまで。

2019年7月、AIのスタートアップABEJA(アベジャ)はメディア「Torus(トーラス)」をはじめました。私はABEJAでプロダクトデザインを担当している上野真由美です。私がつくった「Torus」ロゴ完成までの道のりをふり返ります。 編集チームの想いを知る。プロジェクトの立ち上げから、メンバーとして編集会議に参加していた。 メディアの名前が、Torus(トーラス)に決まると、自然と私がロゴを作ることになる。その後は、週1回ある定例ミーティングにできる限り参加するようにし

海と山と人をつなぐ。 都会のヤンキーが「旅する料理人」になるまで

共働きの両親と暮らすいわゆる“カギっ子”だった男の子。家でひとり過ごす間、キッチンの棚に並ぶ調味料やスパイスに手を伸ばした。ごはんの味付けをあれこれ試すうち、気づけば料理が「日常」になっていた。 ソウダルアさんは店を持たずに、いろいろな場所に出向き料理をふるまう「出張料理人」だ。 日本各地、その土地で採れた食材のみをあつかい、歴史と風土が交差する料理を和紙の上で表現している。それは、まるでアート。彼のインスタレーション映像から伝わるだろうか。 香川県三豊市 仁尾 父母ケ

「貧困の壁を越えたイノベーション」。湯浅誠がこども食堂にかかわる理由

地域の住民が子どもたちに食事を提供する「こども食堂」が急速に増えている。NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の調査(6月末発表)によると、全国に3718カ所。3年前の12倍という勢いだ。 「貧困問題の世界に起きたイノベーション。自分が越えられずにきた壁を越え、インフラになりつつある」。支援にかかわってきた社会活動家・湯浅誠さんは、そうたとえる。 30年前、路上生活者の支援を始めて以来、どう訴えても越えられずにきた、貧困を取り巻く「壁」。 それは人の思考の中