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「不動産屋の利益の源泉は情報の非対称性なので情報格差をフラットにするようなテクノロジーを受け入れるわけがない」という言説

ちまたでは、「不動産屋の利益の源泉は情報の非対称性なので情報格差をフラットにするようなテクノロジーを受け入れるわけがない」という言説をたまに目にするのですが、いやそんなこたぁ・・・いやそんな・・・orz

これ、上手いこと言うなぁとは思いますが、本来は、というか基本は違う、というのが個人的な感想であります。(これは他の現役の不動産業の方々の意見も聞いてみたい話題ではありますね)

どちらかというと理想的には「情報格差を出来るだけフラットにするのが本来の不動産屋の役目」であって、一部の悪い人達が特定の状況でわざとそういう非対称になるような構造を作ったり、悪用したりして自己の利益に結びつけようとする奴もいる、という感じでしょうか。

もともと不動産業は、消費者(借主・買い手)と提供側(貸主・売り手)との「情報の非対称性」が存在しているからこそ、それをフラットにするために両者の間に入る専門的な「業」として存在しえている、とは言えるでしょう。

その貸主と借主の間の情報の非対称性を悪用する奴が出てこないように、消費者保護法的な宅地建物取引業法があって、免許で規制産業化しているのです。

なので、単に「不動産屋の利益の源泉は情報の非対称性」というのは、語弊があると言えます。

また、不動産屋は、一生懸命に物件広告を出して情報が広まるようにして結果的に「非対称性」の解消に努めるわけです。不動産屋は、懇切丁寧に説明して「重要事項説明書」にサインまでもらって、後々トラブルにならないように「非対称性」の解消に努めている訳です。

なので、一律に「情報格差をフラットにするようなテクノロジーを受け入れるわけがない」というのも誤り。

では、「情報の非対称性を利益の源泉とする」ようなケースはどんな場合でしょうか。たまに「非公開物件情報あります」とか宣伝している不動産業者ですよ。代表的なのがソレです。情報を「囲い込み」して、お客さんも囲い込もうとしているわけですが、まぁ悪徳と言ってもよいのではないでしょうか。嘘の可能性も高いですし、堂々とやっている所は殆どないとは思いますが、街頭のチラシとかではたまに見かけますね。

大部分の不動産屋としては、「そういうのと一緒にしないで欲しい」、というところではないでしょうか。

まぁ「両手」云々もあるけど・・事情もあり・・・、他にも「専門知識のある人ととない人」などの立場の非対称性を悪用したりする人も中には居るかもしれませんが、そんなのどの業種にも言える事であって、そういうのをしないのが本物の不動産屋、というか。

私が思う不動産業とテクノロジーの関係については、「不動産業界がITデジタル化で遅れている本当の理由」で書きました。関連で「レインズの情報を一般公開できない理由とは」も書いています。

以上でござんす。


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