世にも奇妙な場所~閉鎖病棟での270日間~0日目

私は2010年7月15日~2012年11月18日まで、3回の閉鎖病棟(一部開放病棟)での入院をしていました。内訳としては、1回目が2010年7月15日~2010年9月10日の58日間、2回目が2011年1月28日~2011年5月ごろまでのだいたい90日間、3回目は長く2012年7月15日~11月18日までの129日間と、合計だいたい270日間。2回目が「だいたい」なのは、入院中に東日本大震災があり、混乱と恐怖のあまり、記憶が完全に飛んでいるからです。時折職場で出る「あの時どうしてた?」という話には、そもそも覚えていないので笑ってごまかしていることが多いです。

ともかく2年間と少しの間に9か月も精神病院そしてその大半は閉鎖病棟に入院していたこととなりますが、実はその間に自分の心理状態をいろいろな側面で書いた「雑記帳」をつけていました。

閉鎖病棟に行くぐらい重たい精神病を患っていたわけですから、当然心理状態はめちゃくちゃ、そんな中で少しでも心の整理をしたくて書いたのと、自分でも先行きが全く見えない不安でいつ自殺するかわからない状態だったので、記録としての自分を残したかったということが理由だったと思います。

今まではそれを机の引き出しの奥深くにしまっていました。過去の一番病気の重かった時の自分と向き合うのが怖かったからです。いつかはデータ化したいと思っていたのですが、時間を言い訳にして結局心の重荷になっているばかりでした。

ただ、2020年2月ごろより始まった新型コロナの1件で、やはり自分がいつの間にか死んでしまうことは当たり前にあって、そうしたら過去の入院した自分も永遠に失われてしまうのだな、とふと思ったときに突然怖くなったわけです。「雑記帳」は自分にとって重荷で会った以上に、一番苦しんだ時に自分が残した誇らしい資産でもあったためです。

また、なかなか閉鎖病棟に270日間も入院した人が、入院した時の記録をとっているということもないだろうな、と思い、世の中のメンタル系の医療関係者の方の資料になればいいな、とかこれを書くことで、今も閉鎖病棟で苦しんでいるであろう仲間を理解してもらえる一助になればいいな、という下心もあります。

これからその「雑記帳」をひもといて、当時書いていたことを時間を見つけてこのノートに書いていきたいと思います。

2020.4.25 無事に書き終わることを願って

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?