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アフターコロナを戦う床屋さんへ  FOR AFTER CORONAVIRUS IN BARBER SHOP

 このところ新型コロナウイルス感染予防で外出を控えていましたが、我慢できず床屋にだけ行ってきました。床屋さんも今は大変なようで、来客は激減しているとの事でした。中学生以降、25年程お世話になっている床屋さんで、いつもは他愛のないことばかり話しているですが、この日だけはコロナ直面を受けて真面目な話になり、、、「今後どうやって売上を維持・拡大していけば良いのだろうかね?」なんて話をしていました。
オーナーさんは外食産業が最近始めたお弁当サービスのように「出張カットサービスを始めようかな?」なんて言いつつも、その目は不安に満ち溢れていましたね。私は「そうですね、いいかもしれませんね」なんて言いながら。

 それで、素人ながらに考えてみました。私が床屋さんからコンサルを受けたらどうするか?という切り口で。これもそれも、昔からお世話になっている床屋さんがこれからも元気に事業を継続してほしいと切に願うばかりです。

 確かにオーナーさんが言うように「出張サービス」を始めるのはアフターコロナを生き抜くにはGood Ideaだと思います。でも本当にそれが適切かどうかなんて思いつきだけでは語れません。裏付ける分析を基に「~だから***を始めてみる」といった会話が成り立つようにしたいものです。そのためには真実に基づく裏付けが必要だと思います。

 この床屋さんはデータといっても顧客リストと来店日時、売上単価の管理しかメモしていません。その中から導き出される事実って何でしょうかね。計画までのプロセスとして、以下のようなものを考えてみました。

1. 現状(コロナ前)を知る【把握】

 小さな家族経営の床屋といえど、先ずは現状分析から自店状況を把握することから始めてみます。床屋さんの長期的な売上を考えた場合、<来店客数×平均単価×リピート率>だと思います。どの要素を改善するかが重要ですが、先ずは実態把握から進めましょう。記録内容にもよりますが、今回はイメージとして簡単な表を作成し、以下のようなグラフをスケッチしてみました。以下の情報は先ほど記載しました通り、「顧客名簿」「来店日時」「売上単価」から分析した内容です(データはイメージとして、仮に作成したものです)。

分析

2. 自店の強み・弱みを知る【把握】

 わずかなデータから加工したデータですが、ここから読み取れるのは
 ・若年層の顧客ウエイトが多い ・若年層はリピート率も高い 
 ・中年層の顧客ウエイトは比較的少ない ・高齢者の来店はほとんどない
という事でした。
 では、何故顧客層に若者が多いのかを考えたときに、このお店は店主の趣味もあって漫画や雑誌、カット時の映画鑑賞(特に人気アニメ)が豊富なのです。また小学生以下の子供にはおやつの提供や店内でカードゲームをして遊ぶこともできます。きっとそうした環境がウケルのだと思います。そして店主は勉強熱心で若者の流行に敏感で、カット技術にも活かしています。こうした技術が高いウエイトとリピート率を確保できているのだと実感しています。
 一方で中年層の伸びは今一つです。中年といっても、このお店のお客さん古くからの常連さんが多く、多くは幼いことから通っている方ばかりです。その為、弱みとしては新規顧客(中年層以上)の獲得が出来ていない点があると思います。

3. ターゲットを決める【計画】

 このように自店の特性が掴めたら次はターゲットをどこに絞るかですが、その前に現在の外部環境を確認しておきます。以前から周囲には1000円カット等の低価格サービスを提供するお店が増えており、競争は激化してきました。加えて昨年の消費増税により顧客の低価格指向は高まる一方です。そして今世の中は新型コロナウイルス一色です。こうした環境が取り巻く産業のど真ん中にいるわけです。
 ターゲットを決めるには自店のポジショニングが欠かせません。このお店は先ほどお伝えした通り、最新の流行を取り入れた技術、若者世代から好まれる店舗設計が特徴です。つまり若者に喜ばれる店舗運営が出来ています。よって、強みをさらに活かすというのが一つのポイントだと思います。更に最近は在宅勤務者や学校の休校等でご両親や祖父母が日常からお子さんのお世話をしている世帯も多くあります。よって、この要素もターゲットとして可能性は秘めていると思います。今回はこのようにターゲティングを行なってみます。

4. 業績拡大に向けて戦略を考える【計画】

 ではそのようなターゲット顧客に対して、どのようなサービスを充実させるか、ここでは大きな投資を除いて考えてみました。
・お孫さんと来店したおじいちゃんに特典サービス
 例えばセット割引等でおじいちゃんのカットを通常よりも割引で提供。待ち時間には美味しいコーヒーやお茶を無料サービス。お孫さんとの写真撮影サービス等、二人で来店して「良い思い出」を提供できるような工夫なんてどうでしょうか。きっとご両親の方も喜ぶのではないでしょうか?
・上記同様にお父さんへの類似サービスも提供。こうした写真はずっと保管しておくと将来振り返って見てみると楽しいものです。
・Wifiサービス提供&タブレット端末無償貸し出し(来店中)
 最近Youtubeを見るお子さんも増えています。おじいちゃんやお父さんがカットしている時間、お子さんに「Kid Youtube」を見せてあげたり、ゲームをさせてあげて待ち時間を楽しんでいただく時間を提供しては如何でしょうか。
・少し投資は必要になりますが、テレビ画面のサイズを大型にして、より観賞のインパクトを高める店づくりもいいかもしれません。
・コーヒーの味に拘り、大人からが一息つけるお店づくり
・店主にカードゲームで勝つと次回5%引き
・Line登録サービスで、次回カット適正時期やカットスタイルを提案・配信
・新しいサービス提供の案内チラシを近所に配り通知する
こういったサービスから始めてみるといかがでしょうか?
出張サービスも良いかもしれませんが、サービスの低下リスクが考えられた為、今回私の提案としてはこのような内容となりました。
次回お店に行った際に意見してみたいと思います。

今回は製造業から離れてスケッチしてみました。それではまた。


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