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僕がバー開業を決意したきっかけ(実は6つのチャンネルから来るシグナルの話)

約20年前ですが、週に2回だけ、遊びでバーを開業していたことがあります。まあ、酔狂な話ですが、それを最終的に決意したきっかけは今もよく覚えています。ふと、それがプロセスワークの理論「6つのチャンネルから来るシグナル」「ドリームドア」にばっちりはまることに気づいたので、コラムにしてみます。

〇 理屈で考えると、「やりたい。でもやっぱり止めておこう。」と、ぐるぐる回る

「バーテンダーってカッコいいなあ。」「僕もシェーカーを振ってみたいなあ。」といったあこがれがありました。一方で、それを本業にする気はまったく無し。「だったら赤字垂れ流しになるよな。」「でもバーテンダーの服を着てみたい!」といった感じで考えがぐるぐると回っていました。皆さんも、何かのテーマについて理屈で考えて、「やりたい。でもやっぱり止めておこう。」と、ぐるぐる回ることがあるはずです。これをプロセスワークではサイクリングと呼びます。

〇 6つのチャンネルから来るシグナルでぐるぐる回りを超越する

「やりたい。でもやっぱり止めておこう。」これを脱出した瞬間は今でもよく覚えています。当時サントリーがバーテンダースクールを開催していました。確か初級コースは10万円程度の学費だったので、バーを開業する/しないは別にして、まずはカクテルの作り方を学んでみようと思ったわけです。

最初の授業はギムレットでした。ライムシロップ15mlとジンを45ml。氷を入れて、初めて振るシェーカーでシャカシャカ。人生で初めてシェークして作ったカクテルをグラスに注いで飲んでみる。出来てすぐだからすごく冷たい。それがいい!まじで美味しい♪これがギムレットか!

この瞬間に「おれはバーを開業する!」と決意していました。決意という日本語のニュアンスとは少し違っていて、「当然のことである未来が今の現実とつながった」的な感じでした。

この出来事は今ならプロセスワークの理論で明確に説明できます。グラスの冷たさや、ギムレットの味といった身体感覚チャンネルから来るシグナルをきっかけ(ドリームドア)として、ドリームランドに入ることで、2次プロセスを存分に味わい、その結果エッジを超えたのです。「何のこっちゃ?」だと思いますので、このあたりの理論についてご興味のある方は以下の記事を参照してください。

〇 6つのチャンネルから来るシグナルをコーチングに活用する

20年前の僕は、ある種のセルフコーチングで身体感覚チャンネルから来るシグナル(カクテルの冷たさや、美味しさ)を活用することができました。

チャンネル

実際のコーチングで6つのチャンネルから来るシグナルを活用する際には、いくつかのパターンがあります。

まずは、クライアントが自覚していなくて、コーチが気づく場合です。「この話題になると、頻繁に髪の毛をかきあげておられますね。」これは動作チャンネルから来るシグナルにコーチが気づいた場合です。

あるいはコーチが意図的に誘導する場合もあります。「その役割を手に持ってみたと想像できますか。どんな感じがしますか?」「最初は手にもっていて重かったのですが、なんだか宙に浮いて広がりました!」この例では、身体感覚で「重い」と感じていたのが、視覚チャンネルからのシグナル(宙に浮いて広がった)へと変化しました。

シグナルを増幅することもできます。「宙に浮いて広がったんですね。それになってみることができますか?どんな動きが出てきますか?その動きをもっとおおげさにやってみることができますか?」この例では、視覚チャンネルから動作チャンネルへといざない、さらにそれを大げさにやってもらうように増幅しています。

その後の定番のコーチング介入は以下です。「それは何と言っていますか?」「何か気づきましたか?」。あるいは、「それを存分に味わい続けながら、先ほどまでいろいろ悩んでいたご自身にアドバイスが出来そうですか?」。かなりの高確率で、劇的な変化が起きます。6つのチャンネルから来るシグナルと、その増幅。プロセスワークコーチングの1つの醍醐味です。詳しくは以下でどうぞ。


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