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【生成AI事例ニュース】アップル、開発者会議でAIの沈黙を破るなど


2024年6月10日の生成AI活用事例ニュース

アップル、開発者会議でAIの沈黙を破る

Appleは、ライバル企業が人工知能の採用で先行する中、自社のAI戦略について懐疑的な見方を説得しようと試みています。

アナリストによると、WWDCの開幕では、AIや、ChatGPTを開発したOpenAIとのパートナーシップが主要テーマになるとみられています。Appleは長年、ハードウェアにAI機能を静かに組み込んできましたが、包括的な戦略を固めたり、2022年末に世界を驚かせたChatGPTスタイルの生成AIを採用したりはしていません。

一方、ライバルのMicrosoftとGoogleは次々と製品を投入し、MicrosoftとAIチップメーカーのNvidiaは、時価総額でAppleを上回りました。Appleの株価はAIブームの影響で乱高下していますが、信奉者たちは今回の発表をAppleの新たな章の始まりと捉えています。

発表の中心は、iPhoneのOSであるiOS 18のアップデートで、AIが中心的な役割を果たすと予想されています。また、OpenAIとの「旗艦」パートナーシップも噂されており、iPhoneユーザー向けの独占的なチャットボットやSiriの強化が含まれる可能性があります。これらの発表は、年末に予定されているiPhone 16のリリースの舞台を整え、同社の「成長のルネサンス」への扉を開くものとなるでしょう。


イーロン・マスクのxAI、ジェネレーティブAI研究のために60億ドルを調達

イーロン・マスクが設立したスタートアップ企業のxAIは、Andreessen Horowitz、Sequoia Capital、Fidelity、Valor Equity Partners、Vy Capital、サウジアラビアのアルワリード・ビン・タラール王子、サウジ政府が支援するKingdom Holding Co.などの投資家から、シリーズBラウンドで60億ドルの資金調達を行いました。この新たな資金調達により、xAIの企業価値は240億ドルに達し、OpenAIや他の生成AI企業を上回る新バージョンのGrokや他の大規模言語モデル(LLM)の開発と展開に向けた同社の取り組みに資金が投入される可能性が高いです。

xAIは最近、Grok-1.5モデルとGrok-1.5Vマルチモーダル版を発表し、Grok-1をオープンソース化しました。新たな資金は、製品の市場投入や、関連するGrokチャットボットの機能拡張に役立つと考えられます。投資家の顔ぶれは興味深く、TwitterのXへの購入と変革にも投資している投資家が何人かいます。特筆すべきは、Andreessen HorowitzとSequoia CapitalはOpenAIにも投資していることです。マスクは、Xへの投稿で志を同じくする研究者やプログラマーに直接呼びかけるなど、同社の人員を増やすことに熱心であることは確かです。


生成AI活用はRAG前提の時代へ、約5割が取り組み中

株式会社Exa Enterprise AIは、生成AIセミナーにおいて「生成AIの利用実態調査」を実施し、302社402人から回答を得ました。調査の結果、社内データ連携(RAG)に約5割が取り組み中と回答し、生成AIにおいてRAGを活用する時代へと移行したことがうかがえました。個人の生成AI活用レベルは「レベル5(日常的に使用)」が継続的に増加し、全社導入は6割弱へ急拡大しています。利用の定着化に必要なこととして、3割弱が「社内データ連携(RAG)」と回答し、特に社内での生成AI利用率が高いほどRAG活用への関心が高いことが分かりました。一方で、回答者の4割がデータの管理にかかわる課題に直面していることも明らかになりました。今後は、生成AIの定着策としてRAGを積極的に導入していくことが、業務の効率化につながるカギとなると考えられます。


北海道庁で「生成AI」本格使用を開始 議事録の要約や広報文の作成などに利用…「ChatGPT」と「Copilot」の2つ "業務効率化"に期待 北海道

北海道庁では、2023年6月10日から人工知能・生成AIの本格的な活用が開始されました。全職員がオープンAI社の「ChatGPT」とマイクロソフト社の「Copilot」の2つの生成AIを利用できるようになりました。

北海道庁では、2023年から一部の部署で試験的に生成AIを使用していましたが、評判の良さを受けて全庁的に導入することを決定しました。ただし、情報漏えいや個人情報の管理には十分な注意が必要だと、情報政策課の宮内力さんは述べています。

導入された生成AIは、主に議事録の要約や広報文の作成などに活用され、業務の効率化が期待されています。生成AIの本格的な導入により、北海道庁の業務がどのように変化していくのか注目が集まっています。


ECサイトの口コミ・購買データ×AI、購買者の声を元にしたPOPで隠れた需要の掘り起こしに成功

株式会社西鉄ストアと株式会社マインディアは、一般社団法人リテールAI研究会の研究活動として、ECサイトの口コミ・購買データを元にPOPをAIで生成する協業を行い、新しい売り場づくりと需要の掘り起こしにおいて一定の成果を得ました。

スーパーマーケットでは、POPを付ける商品は重点商品に限定され、定番商品の販促手段は価格訴求が中心となっています。また、消費者は限られた情報でしか商品を選ぶことができません。

そこで、西鉄ストアのID-POSデータとマインディアのEC口コミ・購買データをAIで解析し、潜在需要が見込めるカレーカテゴリと韓国のりを対象商品に選定。AIで自動生成した商品説明文のPOPを店舗で展開しました。

その結果、実験店舗におけるカレーカテゴリの対象SKU売上構成比が全店平均を上回り、カレーカテゴリの売上も前年対比で伸長。工数をかけずに購買につながるPOPを自動で作成することができました。

これにより、小売事業者だけでなく、メーカーや消費者の課題解決にもつながります。今後は、手法の構築や精度向上、展開売り場の拡大等を検討・実施していく予定です。


動画生成AIで米OpenAIに挑む、中国新興「生数科技」がバイドゥなどから資金調達

動画生成AI「Vidu」で注目を集める中国のスタートアップ企業「生数科技(Shengshu Technology)」は、最近のプレシリーズAラウンドで、北京市人工智能産業投資基金とインターネット大手の百度(バイドゥ)から数億元(数十億円超)の資金調達に成功しました。この資金は、同社が独自に開発したマルチモーダル大規模言語モデルの最適化、新製品の開発、市場開拓の加速に充てられます。

生数科技は、アリババグループ傘下の金融会社アント・グループ、大手ベンチャーキャピタルの啓明創投(Qiming Venture Partners)、AIユニコーン企業の智譜AI(Zhipu AI)などから既に出資を受けています。同社は2023年に清華大学人工知能研究院の出身者によって設立され、その技術は消費者向けの生成AIアプリケーションだけでなく、企業向けにもゲーム、映画・テレビ、文化・観光、スマートデバイスなどの分野で活用されています。

2024年4月に発表された独自の動画生成AI「Vidu」は、OpenAIの「Sora」に匹敵するリアルさと一貫性を持つ動画で注目を集めています。Soraの最長60秒には及ばないものの、最長16秒の高品質動画を生成できる性能は、中国ではトップクラスとなっています。


ベルシステム24ホールディングス---ベルシステム24が生成 AI Co-Creation Lab.を開始

ベルシステム24ホールディングスは、子会社のベルシステム24が生成AI Co-Creation Lab.を開始すると発表しました。このプログラムは、「生成AI」と「ヒト」のハイブリッド型コンタクトセンターの構築を目指し、参画企業間での事例共有などを行うユーザー企業参加型のプログラムです。

プログラムには、ベルシステム24、伊藤忠テクノソリューションズ、日本マイクロソフト、Google Cloud、アマゾン ウェブ サービス ジャパン、シンカーなどのベンダー企業が参加し、それぞれが持つAI技術や専門知見を活用します。ベルシステム24がハブとなり、ユーザー企業の検討段階や目的に応じて、1社単独では難しい生成AI導入課題に取り組みます。

今後は、ユーザー企業とベンダー企業の両方の加入を促進し、ユーザー企業の課題解決や生成AIの新たな活用方法を導くとともに、国内の労働人材不足の課題解決を目指します。このプログラムを通じて、生成AIとヒトが協働するコンタクトセンターの実現に向けて取り組んでいきます。


LINEヤフー、検索結果上の商品レビューを生成AIが要約する新機能「レビューAI要約」を提供開始

LINEヤフーは、「Yahoo!検索」の商品検索結果に取り扱いストアや商品スペックを直接表示する「統合コマース検索」において、生成AIを活用した「レビューAI要約」機能の提供を開始しました。

これまでYahoo!検索では、ユーザーが商品名で検索した際に、関連商品を扱う複数のストアページが一斉に表示され、最安値情報や送料、商品レビューなどの購入に必要な情報を一覧で掲載していました。商品レビューについては、「Yahoo!ショッピング」に投稿された各レビューがそのまま一覧表示される形式でした。

新たに導入された「レビューAI要約」機能では、生成AIがYahoo!ショッピングの商品レビューを分析し、ユーザーによって評価された「良い点」と「悪い点」を抽出します。そして、それぞれの要約を最大5件ずつ表示することで、商品の特徴や利点、欠点などをわかりやすく提示します。

この機能により、ユーザーは膨大な商品レビューを一つ一つ読む必要がなく、生成AIによる要約を通じて効率的に商品の評価を把握することができます。これは、購入検討プロセスの簡略化と利便性の向上につながると期待されています。


IBM、生成AIの頂上対決を横目に「オープンソースAI」に舵を切る その戦略の勝ち筋とは?

IBMは、「Think 2024」でAI分野におけるオープンソース戦略へと舵を切りました。その中核となるのが、独自の基盤モデル「Granite」と、モデルを継続的に拡張できるオープンな仕組み「InstructLab」です。

InstructLabは、IBMリサーチが開発し、Red Hatとオープンソースとして公開した、大規模言語モデルの事後学習を効率化するフレームワークです。事後学習において、効率的に質問と回答のペアを作成し、追加学習を行うことができます。また、拡張したいスキルや知識をプル・リクエストという形でコミュニティでモデルを育てていくことも可能です。

一方、Graniteは、IBMが独自に開発した大規模言語モデルであり、そのソースコードをApache 2.0ライセンスで公開することを決定しました。これにより、パートナー企業や開発者コミュニティとのオープンなAIエコシステムを築いていくことを目指しています。

IBMは、GraniteとInstructLabの組み合わせにより、オープンソースソフトウェアの世界で実現されてきたカルチャーを、AIの分野にも取り入れようとしています。これにより、コミュニティでのオープンなモデル開発と、企業内での継続的なモデル改善の両方を加速させることを目指しています。


エクサウィザーズ、生成AI活用の占いサービス 「鏡リュウジAI占星術 ポラリス」β版リリースに伴うテスター募集

株式会社エクサウィザーズは、生成AIを活用した占いサービス「鏡リュウジAI占星術 ポラリス」のβ版をリリースしました。本サービスは、占星術研究家の鏡リュウジ氏の監修による占星術の知識と、生成AIを活用したチャット型のシステムを組み合わせて、ユーザーの悩みや関心事に寄り添ったアドバイスを提供します。

本サービスの特長は、鏡リュウジ氏の監修による本格的な占星術アプリであること、AIチャットで占えること、そして選べるホロスコープがあることです。鏡リュウジ氏は、占星術が最先端のメディアであり、新たな人工知能の誕生とともに新たなシーンを迎えていると語っています。

エクサウィザーズは、人々のメンタルケアにおけるWellbeingの向上を目指して本サービスを開発しました。生成AI技術とドメイン専門家の知見を掛け合わせることで、悩みや不安に寄り添いながらアドバイスをくれる居場所を提供し、人々のWellbeingに貢献することを目指しています。

今後は、一般ユーザー向けにサブスクリプションモデルでの正式版サービスをリリースし、企業ユーザー向けにも提供を予定しています。将来的には会話の記憶機能や占いの種類などを拡充させ、占いにおけるユーザー体験の充実・向上を目指していきます。


コラム

ジェネレーティブAIがUI/UXデザインをどう変えるか

元開発者・プロダクトマネージャーとして、私たちはデザイナーと開発者の間の苦しいやり取りを経験してきました。しかし、ここ10年でブラウザとフロントエンド技術の進歩により、プロセスは大幅に改善されました。デザインチームはデザインシステムを採用し、エンジニアリングチームはNext.jsやFlutterなどのフレームワークを選択できるようになりました。これにより、ビジュアルと機能の両方の要件を満たすための共通の基盤ができました。

今日、より成熟したコード生成技術と高度な画像モデルにより、アイデアから完全に動作するアプリケーションまでの道のりが大幅に短縮されました。この効率の向上により、生成AIがクリエイティブなプロセスの中心に入る新しい可能性が開かれました。

AI-Tamagoの開発では、Vercel v0などの生成ツールを使ってUIをデザインしました。このプロセスは約30分で完了しました。単独の場合は、デザインと実装の間の反復がはるかに容易になります。チームで協力する場合、反復プロセスにはより多くの調整と修正が必要になります。

生成AIは、プロトタイピングとコード補完に適しているため、この反復プロセスのギャップを埋めることができると考えています。今日の生成AIにより、デザインプロセスの改善とデザインからコードへの翻訳の2つの大きな改善がもたらされます。

私たちが見てきたアプローチは、デザインプロセス、デザインからコードへの変換、コード生成の3つの主要な機能に分類できます。

LLMとイメージモデルは、テキストと画像の両方の変化を作成するのに優れています。これは、Webアプリの最小の原子要素です。Coframeの実装では、LLMがライブデータに基づいて変化を提供するタイミングを決定し、ウェブサイトのパフォーマンスを最適化するのに役立ちます。

今後、特定のアプリでAPIとデータモデルが固定されている場合、ユーザーインターフェースは設計するのではなく、推測できるようになるでしょう。これは、ほとんどの操作が既存のデータベースへのCRUDである内部アプリケーションで最も一般的です。


トップブランドがジェネレーティブAIでいかに時間とコストを節約しているか

ニューヨーク市で先週開催された「Tech Week 2024」では、マーケター、技術者、法律専門家が集まり、AIの統合に関する重要な課題について議論しました。AIの長期的な広告への影響はまだ不明確ですが、変化の可能性に対して楽観的な見方が増えています。

Mondelezでは、AIの成熟により、非ワーキングメディア支出の10%から20%に影響を与える可能性があり、3,000万ドルから4,000万ドルに上ると予測しています。節約された資金は、独自のインフラストラクチャの構築、AIモデルのトレーニング、データの最新化に再投資されます。

マーケティング担当者は、実際のキャンペーンでジェネレーティブAIをどのように使用しているかの例も挙げました。例えば、Mondelezは大規模な言語モデルを使用してパーソナライズされた誕生日の歌を作成し、バレンタインデーのビデオを作成して顧客の恋愛物語をアニメーション化しました。Mars Petcareは、AIを使用して、各地域の実際の犬の画像を挿入したジオターゲティングされたペット採用広告を作成しました。

AIの使用により、マーケターはより効率的にキャンペーンを作成できるようになりました。United Parks & Resortsは、コピーの最適化にAIを使用し、メディアとクリエイティブの最適化にもAIを使用するためにパートナーと協力しています。

しかし、LLMの精度、データの分類法、バイアスの回避、データセキュリティや著作権の問題に関する懸念の軽減など、まだ解決すべき多くの課題があります。業界は、標準を設定し、ブランドの安全性とデータプライバシーを確保するために団結する必要があります。


発信者情報

NOVEL株式会社

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