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【読んだ本】みんなではじめるデザイン批評/アーロン・イリザリー 他

この本を一言で言うと...

デザインを改善するための適切な「批評」の方法が学べる本

読むべき人は...

① デザイナーとコラボレーションし、より良いデザインを作り上げたい非デザイナー

② 非デザイナーから適切なフィードバックをもらいたいデザイナー

読んで学んだことは...

① デザインの「批評」の方法を学ぶことがなぜ大事なのか

適切なデザイン批評は、プロダクトの目的に照らして「デザインが適切か」を判断することにつながる。

また、それに伴って、
・チーム内の共通言語の確立(結果的にコミュニケーションを促進する)
・適切な意見の一致の実現(忖度をせずデザインを強化する)
・効果的なイテレーションの促進(デザインを反復的に改善する)
というメリットをチームに与える。

② デザイン批評のポイント

○ デザイン批評は新しいアイデアを探すための場ではない。批評はデザインを分析することに集中するべきである。アイデア創発や問題解決に思考が奪われるとデザインの分析がおろそかになる、

○ 良い批評は以下のシンプルな質問をする。
 1. デザインの目的は何か?
 2. 目的に関連しているのはデザインのどの要素か
 3. そうした要素は目的を達成するのに効果的か?
 4. それはなぜか?

○ 良い批評は以下の心構えで行う。
 1. 質問で始める
 2. フィルターを通す(最初に抱いた感情は重要だが、適切なタイミングまで話さずにとっておく)
 3. 思い込みをしない
 4. 押し付けない
 5. 長所について話す
 6. 視点について考える

③ デザイン批評のファシリテーションのポイント

○ 優れた批評は会話から生まれる。そのため、会話をファシリテーションすることは批評の不可欠な要素。

○ 批評を行う基本的なルールを理解する
 - 誰もが平等
 - 全員参加
 - 問題解決を避ける
 - 決定を急がない

○ 批評の準備を行う
 - 最もふさわしい参加者を選ぶ
 - セッションの方法を参加者に伝える
 - 目的を説明する
 - プレゼンは手短に・効果的にする
 - 制約について話すときは慎重に

読んで思ったことは...

ついつい好き嫌いや感覚で話をしてしまいやすい「デザインに対するフィードバック」を適切に進めていく方法が書かれた本。

「より良いデザインをつくるため」というよりは「デザイナーとのより良い関係性を築くため」に参考になる。

デザイナーは "抽象的" な情報を "目に見えるもの" に具現化するという重要な仕事を担う。その際に個人にかかるプレッシャーや責任感は他の職種とは比べものにならないものだと思う。しかも、丹精込めて作ったアウトプットをデザイナーでもない素人にあーでもないこーでもないと好き勝手フィードバックされる。たまったもんじゃないと思う。

フィードバックをする側の私たちはデザイナーに敬意を払いつつ、適切なフィードバックの方法を学んで、実際にコラボレーションするべきだし、積極的にファシリテーションするべきだ。

当たり前だけど忘れがちなことがたくさん書いてある本。デザイナーと仕事をする非デザイナーに読んでほしいと個人的に思う。



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