Bill●ard JAPANに入らないか?と言われた面接の日の朝の話
大学四年の二月某日、都内のとある場所にいた。
目的は就職面接である。
何故に大学四年の二月に就活なんだ?遅すぎだろ。
という疑問については理由がしっかりあるのでいつか記載する。
'これから初の面接だなぁ'と、面接をする会社の窓に映るスーツ姿の顔に緊張の色は...見えない。全く見えない。
大学四年の二月まで就職面接なんてしてこなかったにも関わらず、'落ちたら落ちたでいいや。とりあえず一社目。'と、高をくくったような気分でいたからだ。
'えっと、スマホはマナーモードに...'と上着のポケットから取り出したタイミングで着信が入った。
大学の教授からだ。
←何してる?
→あ、これから面接受けるとこです。一社目。
←いきなりだけどさ、Bill●JAPANに入る気持ちはない?
'急にどうした?'と思いながら
→いや、これから面接受けるところなんですよ、あと10分後には。
教授は無視して続ける。
←なんかね、知人の紹介なんだけど近畿地方だったかな、そこで男性のBill●ard JAPANの正社員募集してる話があって、どうかな~って。
'ほぉ、めちゃ面白そう。'と純粋に思った。
←んで二、三年は下積み期間があるんだけどそこで働いて認められたら、正社員になれるんだよ~。
'ん?'
→え、それは正社員になるまでは数年かかるってことですか。
←まぁ~そうだね。でも、いいチャンスだと思わない?
→あ~、、、折角ですが、お気持ちだけ感謝します。でも、これから面接なのでそこに受かるようならそこで決めます。ありがとうございました。
そう伝えて電話を切った。
とてもゆるくフランクな先生だったから、知人にわざわざ紹介してくれたのだろう。ご厚意は本当にありがたく感じた。
しかし、正社員になるという建前が数年先ということは、それまでアルバイトとして働かなくてはならないということだ。それにはどうしても首を縦に振れなかった。
現在進行系で進んでいるとある計画をその頃から念頭に置いていたからだろうか。
否、9日後にはカンボジアへ旅立つ予定が決まっていたからだろうか。
否、自分でも名前を知っている大企業で働くことはできないと諦めたからだろうか。
結論、一社目で就活は終わった。
そして2021年2月現在もその会社に務めている。
あの日の教授から頂いた電話を承諾していたら、今とはかけ離れた姿がここにあるんだろう。
そんな姿はパラレルワールドにでもいればいい。
今の姿で正解だったのかはわからない
でも、少なくとも大嫌いではない。
そんな数年前の過去を振り返る、2021/02/11
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