人生のバイブル「ニーチェの言葉」

「超訳 ニーチェの言葉」という本がある。
現在では「超訳 ニーチェの言葉Ⅱ」も出ており、二冊とも読了している。
否、正しく言えば、何十回も読了をしている。そういう本をきっとその人にとってのバイブルと呼ぶのだろう。

予め書いておくこととしては、一切本の宣伝ではない。
読むべき書物は、各個人それぞれが好きなものでいいと思う。

知ったきっかけは、テレビ番組だった。当時サッカー日本代表の長谷部誠選手がお昼の番組の取材にいい本だと紹介していたから読みたくなったというありきたりな出会いだった。

十四歳の誕生日に親から、誕生日だけど何がほしい?と聞かれ、買ってもらった一冊の「ニーチェの言葉」。これまで本を誕生日に買ってもらったことなんてなかったので、変な息子だと思われたかもしれない。
しかしおよそ四半世紀の人生の中で本当に大きな影響を自分に及ぼすことになるのだった。

中学の朝読書は、文学的な作品ばかり時間つぶしに読んでいた。
太宰治の人間失格とか、夏目漱石のこころとか。他にもたくさんあるが、いったん割愛。
しかし、毎日朝読書の時間にニーチェの言葉を読む習慣ができ、変わったことがある。

どんな本か。
端的に言ってしまえば、生きる上での心の流動を認める哲学が書かれているだと考えている。

日々生きる中で、たくさんの怠惰な自分に出会う。最近で言えばコロナ禍でやることもなく過ぎる日々なんてまさにそうだ。時間がいくらでもあるように錯覚して、寝る、Youtube、prime video、ラジオ、スマホゲーム、Twitter、寝る、寝る、寝る。
そんな自分を省みる夜に考えてしまう。悩んでしまう。
夜は一人で考える時間が多い。そして考え込んでどん詰まりにずぼずぼハマっていく。
深くハマった先で見出だせるものもあるので決して悪いことばかりではないのだが、結局考えるのは夜だ。何か行動を起こしたくなるわけではない。

「明日こそ」と思うのにやっと迎えた朝は昼だったりして、気がついたら夜になってて、自分が嫌になる。そんな休日を何度過ごしてきただろうか。
そんな心の不安定を丸く収めてくれる本が、ニーチェの言葉だ。

胃袋になにか入っているか入っていないかだけでも、人の心は上がり下がりするものだって教えてくれたのはこの本だ。
機嫌よくいるためには、人のために動き、生きることだと教えてくれたのもこの本だ。

初めの一歩は自分への尊敬から。ありのままの、まだ何も成していない自分をまずは受け止める。
とニーチェは言ったらしい。簡単なようで難しい。何年経ってもこの言葉の意味をうまく噛み砕けないでいる。

だが、胸に手を当て、勝手に動いている鼓動を「勝手に止まるなよ」と念を込めながら今日も不器用なりに生きている。

そんなことを下書き保存していたので、投稿する。
2021/3/3

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