Vol.2-#27 シン・デレラ
ジャミ子は僅かながらの希望を胸に新生活を迎えた。
幼いころは自分に対して無関心だった母だが、少女から女になっていくにつれ、無関心の合間に攻撃的な態度を取ってくるようになった。
ジャミ子が家を出てからは適度な距離感のおかげで攻撃される事は減り、色んな話ができるようになった。
やり直せるかもしれない。
家族を再形成できるかもしれない。
…と、、、思いますでしょ?
それをブチ壊すのがジャミママなのだ。
いい意味でも悪い意味でも期待を裏切るのがpolicy(ポリシー)。
共同生活を始めてすぐの頃は良好な関係性だった。雑談をしたり、家事も分担した。
ところがナゼだろう。
次の週には掃除や買い出し、料理などの家事はジャミ子の役割に移行していた。
それはそれはとってもナチュラルに。
言いたい事も言えないこんな家の中poison(ポイズン)。
ジャミデレラが洗ったお風呂に一番に入るジャミママは、帰宅時間に合わせて温められた味噌汁を二秒で飲み干し、夜ご飯を済ませたら晩酌タイムに突入する。
ジャミデレラが食器を洗っていると、背中に浴びせられる罵詈雑言。
「アンタが地下アイドルとかやってたせいで家庭が崩壊した!」
「ベジータに襲われたのはお前が悪い!」
ジャミデレラはカボチャの馬車を待ったが、それが向こうから来てくれる事はなかった。
ポイズン。
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