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龍谷大学公募推薦対策!10年分の文学史ポイント解説⑦


古文の文学史が苦手という人をよく見かけますが、文学史は①コアになる知識と、②その知識の使い方を覚える事で対応できます。11月は公募推薦が近いということで、何回かに分けて龍谷大学の文学史のポイント解説をしていきたいと思います。なお、この解説は龍谷大学の問題を解くのにあたって必要な知識に絞ってまとめております。学術的な厳密性や細かな知識よりも、問題を解くための情報を優先しているので、細かなツッコミはご容赦ください。

15年B日程

『今物語』は鎌倉中期成立の説話文学ですが、これと同じジャンルの作品として最も適当なものを一つ選びなさい。①『伊勢物語』 ②『十六夜日記』 ③『宇治拾遺物語』 ④『平治物語』


〈難易度〉
1/5

〈解説〉
「説話文学」という時点で宇治拾遺物語を選ばなければいけない。『伊勢物語』は歌物語、『十六夜日記』は日記文学、『平治物語』は軍記物語に含まれる。

〈ここだけチェック〉
『今物語』
藤原信定が書いた鎌倉時代の説話集。
『伊勢物語』
三大歌物語のひとつ。この作品と『大和物語』『平中物語』をあわせめ三大歌物語と呼ぶ。
三大作り物語(『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』)と合わせ、源氏物語に影響を与える。
『宇治拾遺物語』
鎌倉時代に成立した仏教説話集。
『十六夜日記』
阿仏尼の描いた日記。裁判(所領紛争の解決)のために鎌倉へ向かう日記。鎌倉までの道中と、鎌倉での出来事が描かれる。

15年B日程

『鳥部山物語』は室町時代に成立したと考えられますが、同じ室町時代に成立した作品を一つ選びなさい。
①『春雨物語』 ②『とりかへばやものがたり』 ③『山家集』 ④『閑吟集』


〈難易度〉
2/5

〈解説〉
直接『閑吟集』が室町時代後期の歌謡集であると知っているというよりは、他の作品の時代を覚えていて消去法で解きたい。
『春雨物語』は江戸時代、『とりかえばや物語』は平安時代、『山家集』は鎌倉時代ということで正解は④

〈ここだけチェック〉
『春雨物語』
江戸時代に上田秋成が記した物語。
『とりかへばや物語』
平安後期に成立した作り物語。『源氏物語』以後に成立した作品として、『浜松中納言物語』『堤中納言物語』『夜半の寝覚』『狭衣物語』などを合わせて覚えておきたい。
『山家集』
平安末期の僧侶西行の私歌集。(詳しい成立年は不詳)

15年A日程

『菅笠日記』の筆者本居宣長と同じ時代の文学者の名前を一つ選びなさい。
①大伴家持 ②菅原道真 ③鴨長明 ④与謝蕪村


〈難易度〉
1/5

〈解説〉
これは解けなければいけない。本居宣長は江戸時代の国学者。同じ江戸時代ということで正解は④

〈ここだけチェック〉
本居宣長は江戸時代の国学者。中学の歴史では『古事記伝』が出てきたが、古典の文学史としては『玉勝間』を覚えておきたい。また、「国学」ということで昔の文章の研究をしたという点を覚えておくと、消去法の判断基準に使いやすい。
大伴家持は『万葉集』の代表選者。
菅原道真は日本の平安時代の貴族。左遷された太宰府で没した。
鴨長明は平安末期から鎌倉初期に活躍。三大随筆のひとつ『方丈記』(残りは清少納言の『枕草子』と兼好法師の『徒然草』、説話集である『発心集』、歌論の『無名抄』の著者。
与謝蕪村は江戸時代の俳人。江戸時代の俳人としては、松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶を覚えておきたい。

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